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Drug Atlas · C13 Antibiotics / 抗菌薬 · 必修

ネチルマイシン

netilmicin

分類
Antibiotics / 抗菌薬
商品名(EU)
Netromycin
科目
Pharmacology
トピック
C13: Aminoglycosides
禁忌疾患
重症筋無力症
標的微生物
Escherichia coliKlebsiella pneumoniaePseudomonas aeruginosa
副作用
耳鳴難聴めまい筋力低下
監視検査値
クレアチニン
原因となる疾患
急性腎障害

🧠 全体像:はと同じ「重症グラム陰性菌に使う30S阻害薬」だが、をしたである点が異なる。この修飾により一部のによる不活化を部分的に回避でき、との比較試験では耳毒性がやや軽い傾向が報告されたことがある(統計的有意差なし)1。一方、との直接比較RCTでは耳毒性・腎毒性いずれにも優位性は示されず、腎毒性はむしろ群で高頻度だった2。臨床的な警戒レベル・モニタリングはと変わらない。

ゲンタマイシンとの違い

比較軸
化学構造 天然由来 (の誘導体)
耳毒性・腎毒性 アミノグリコシド系の基準となる比較対象 との比較試験で耳毒性がやや軽い傾向(有意差なし)と報告されたことがある一方、との直接比較RCTでは優位性は示されず、腎毒性はむしろ群で高頻度だった
βラクタムとの 確立(腸球菌性心内膜炎など) 同様のが期待される
臨床での位置づけ 標準治療薬として世界的に広く使用 使用頻度はよりずっと少なく、一部地域での選択肢にとどまる

💡 という一点の違いが、への抵抗性を部分的に生む。 はに1-N-を付加した薬で、この修飾がいくつかの(AAC・APHなど)による認識を妨げる。重症グラム陰性菌感染症の成人90例を対象としたとの比較RCTでは、が28.5%・15.8%、が19%・0%と群でやや低い傾向が見られたが、統計的有意差はなかった1。一方、1日1回投与でと直接比較したRCTでは、臨床効果は両群同等(約92%)だったが腎毒性は群14.5%・群6.9%とむしろ群で高く、聴力障害には有意差がなく、著者らは「1日1回投与ではがに優る腎・耳毒性上のメリットは示されなかった」とした2。実地では腎機能・血中濃度・聴力の同じモニタリングを要する。機序・の詳細(30S・・・)はのノートを参照。

適応・用法

重症グラム陰性菌感染(と同様の適応)。IV/IM。のため腎機能・に基づく用量設定が必要。施設のプロトコル・添付文書で確認する。全身投与用の注射薬は主要市場で入手困難になっており、現在は重症グラム陰性菌感染のなではない。 一方、とのは、術後の炎症に対する外用薬としてカナダ(2022年承認)・イタリアなどで現在もされており、全身用途からはしても局所用途では生き残っている3。

禁忌・注意・副作用

  • 禁忌:重症筋無力症
  • ⚠️ 腎毒性()・耳毒性(蝸牛/、不可逆のことあり)・——と同じ3大毒性を警戒する。ミトコンドリア12S の変異(m.1555A>G)をで持つと通常量でも難聴をきたしうる点も他のアミノグリコシドと共通する4
  • 注意:めまい、、筋力低下
  • 重篤・まれ:難聴(不可逆なことあり)、

まとめ

  • の(の)。
  • 一部のを回避でき、との比較試験では耳毒性がやや軽い傾向が報告されたことがある(有意差なし)が、との直接比較RCTでは優位性は示されず、腎毒性はむしろ群で高頻度だった2。臨床的な警戒レベルはと同じ。
  • 適応・用法・モニタリングはに準じるが、全身投与用の注射薬は主要市場で入手困難になっており、現在はなではない。 としては現在もカナダ・イタリアなどでされている3。
  • ミトコンドリア12S の変異(m.1555A>G)をで持つと通常量でも難聴をきたしうる点も他のアミノグリコシドと共通する4。

出典

  1. 1.Prospective, randomized trial of netilmicin and amikacin, with emphasis on eighth-nerve toxicity(Antimicrobial Agents and Chemotherapy・1980)重症グラム陰性菌感染症の成人90例を対象とした前向き無作為化試験で、蝸牛毒性(聴力検査での変化)がアミカシン群4/14例(28.5%)・ネチルマイシン群3/19例(15.8%)、前庭毒性(氷水カロリックテストでの変化)がアミカシン群3/16例(19%)・ネチルマイシン群0/15例(0%)と、ネチルマイシン群でやや低い傾向が見られたが、統計的有意差はなかったことを確認した。閲覧 2026-08-27
  2. 2.Ototoxicity and nephrotoxicity of gentamicin vs netilmicin in patients with serious infections. A randomized clinical trial(Clinical Otolaryngology and Allied Sciences・1995)重症感染症患者を対象に1日1回投与のゲンタマイシンとネチルマイシンを比較した前向き無作為化試験で、臨床効果は両群同等(約92%)だったが、腎毒性はネチルマイシン群14.5%・ゲンタマイシン群6.9%とネチルマイシン群で高く、聴力障害には両薬間で有意差がなかったこと、著者らが「1日1回投与ではネチルマイシンがゲンタマイシンに優る腎・耳毒性上のメリットは示されなかった」と結論したことを確認した。閲覧 2026-08-27
  3. 3.NETILDEX (netilmicin and dexamethasone ophthalmic solution) — Product Monograph(Health Canada(製造:SIFI S.p.A., Italy/販売:AVIR Pharma Inc., Canada)・2022)ネチルマイシン0.3%・デキサメタゾン0.1%の配合点眼薬NETILDEXが、白内障術後の前眼部炎症に対する補助的抗菌療法としてカナダで2022年9月14日に初回承認されたこと、イタリアのSIFI社が製造しカナダのAVIR Pharma社が販売していることを確認した。閲覧 2026-08-27
  4. 4.Mitochondrial 12S rRNA mutations associated with aminoglycoside ototoxicity(Mitochondrion・2011)ミトコンドリア12S rRNA遺伝子の変異(m.1555A>Gなど)を母系遺伝で持つ人は、通常量のアミノグリコシド投与でも難聴を来しやすいことを確認した。ネチルマイシンを含むアミノグリコシド系全般に共通するリスクである。閲覧 2026-08-27