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Symptoms · Published

難聴

Hearing loss

臓器系
耳鼻咽喉科運動器
科目
ENT
トピック
耳鼻咽喉科 03:囁語・会話音・音叉による古典的聴力検査と聴覚生理の基礎耳鼻咽喉科 22:急性・慢性感音難聴耳鼻咽喉科 23:難聴・聾児の症状、検査、治療と乳児聴覚スクリーニング
関連疾患
アルポート症候群クリオピリン関連周期熱症候群ターナー症候群トキソプラズマ症ミトコンドリア病急性中耳炎・慢性中耳炎(滲出性中耳炎を含む)骨のパジェット病骨形成不全症再発性多発軟骨炎色素性乾皮症神経線維腫症2型前庭神経鞘腫単一遺伝子糖尿病(MODY・新生児糖尿病)頭蓋底腫瘍内耳炎(迷路炎)副腎白質ジストロフィー
起因薬
アミカシンエタクリン酸カナマイシンクロルヘキシジンゲンタマイシンシスプラチンストレプトマイシンデフェラシロクスデフェロキサミンテプロツムマブトブラマイシンネチルマイシン

🧠 全体像:難聴の診療は、まずか感音性かという機序の切り分けから始まる。この1点が、原因となる部位(外耳・中耳 vs 内耳・・中枢)を決め、以後の検査と治療の方向をすべて左右する。切り分けのはベッドサイドで完結するで、確定と定量はに委ねる。もう一つの軸は年齢とである。小児のは発達そのものを左右し、成人のは治療開始までの日数が予後を決める——どちらも経過観察で済ませてよい難聴ではない。

伝音性・感音性・混合性の切り分け

難聴は、音の振動が伝わる経路のどこで障害されるかで3型に分かれる。

障害部位 代表的原因
外耳・中耳(鼓膜・耳小骨) 、中耳炎、など。詳細はを参照
感音難聴 内耳(蝸牛)・・中枢
伝音経路と感音経路の両方 中耳・が内耳やまで及んだ状態

は2つの機序が同時に働いているという意味である。は、頭蓋・病変が耳小骨との両方を障害しうるため、で始まり感音性成分が加わる典型例として押さえておく。対照的にの難聴は、異常が内耳(蝸牛)に及ぶことで生じる進行性の感音難聴で、要素を伴わない。同じ「難聴を来す遺伝性疾患」でも、障害される部位が違えば型も変わる。

ウェーバー検査・リンネ検査

512 Hzの音叉を用いる。は音叉の基部を頭頂または額中央に当て、左右どちらで強く聞こえるかを尋ねる。は同じ耳でを比較する(乳突部で聞こえなくなった時点で外耳道入口へ移す)。

検査 所見 解釈
正中に聞こえる 正常、または左右対称の難聴
片側に偏る 偏った側の、または反対側()の感音難聴
陽性( 正常、またはその耳の感音難聴
陰性( その耳の

⚠️ 片側の高度感音難聴では、音を反対側の蝸牛が拾ってしまい見かけ上「陽性」になるが起こりうる。左右差の大きい難聴はだけで確定せず、適切なを行った聴力検査で裏づける。

💡 は必ず組み合わせて読む。の偏側だけでは「偏った側の」か「反対側の感音性」かを区別できず、同側のと合わせて初めて型が決まる。

年齢別の緊急度

小児:先天性難聴のスクリーニング

⚠️ の難聴は、発見の遅れがそのまま言語・学習・社会性の発達の遅れに直結する。JCIH(Joint Committee on Infant Hearing)の1-3-6目標——生後1か月までに全を完了し、生後3か月までに確定診断、生後6か月までに介入を開始する——が現行の国際的な到達目標である。が整っていれば、さらに前倒しした1-2-3目標を目指す。

を通過したことは、将来の難聴を否定しない。次のハイリスク児は、通過後も聴覚を追跡する。

  • での長期入院
  • 難聴の家族歴

💡 片側難聴も雑音下での聴取や、学校生活に影響しうる。「片側なら問題ない」とせず、両側難聴と同様に原因検索と発達・学習の追跡を行う。

成人:突発性難聴の治療可能時間枠

⚠️ は治療可能時間が限られたである。 一般に72時間以内に連続する3周波数で30 dB以上低下した感音難聴と定義され、や中耳炎と決めつけず緊急の聴力検査を行う。評価・治療の詳細な枠組みは感音難聴に譲るが、実務で外せない時間枠は次の通り。

発症からの時間 行うこと
できるだけ早く・14日以内 への紹介、聴力検査、副腎皮質ステロイド開始を
2〜6週の時点で による

発症から治療開始までの日数が予後を左右する。 ステロイド開始が遅れるほど聴力回復の見込みは下がるため、「様子を見て治らなければ受診する」という猶予は許されない。

鑑別の進め方

flowchart TD
    A["難聴を訴える"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Weber test'>ウェーバー検査</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Rinne'>リンネ検査</span>"]
    B --> C{"<span class='jp-term jp-term-diagram' title='conductive'>伝音性</span>パターンか"}
    C -->|"はい"| D["外耳・中耳を評価し<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='conductive hearing loss'>伝音難聴</span>の原因を検索する"]
    C -->|"いいえ・感音性"| E{"急性・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sudden'>突発性</span>か"}
    E -->|"はい"| F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='otologic emergency'>耳科救急</span>として<span class='jp-term jp-term-diagram' title='urgent audiometry'>緊急聴力検査</span><br>発症2週以内のステロイド開始を検討"]
    E -->|"いいえ・慢性進行性"| G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pure-tone audiometry'>純音聴力検査</span>で聴力像を確認<br><span class='jp-term jp-term-diagram' title='fluctuating'>変動性</span>なら<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mid-frequency sensorineural hearing loss'>中音域感音難聴</span>の型も想定"]
    D --> H["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pure-tone audiometry'>純音聴力検査</span>で確定・定量"]
    F --> H
    G --> H

まとめ

  • 難聴はまず・感音性・を切り分ける。で、確定と定量はに委ねる。
  • が患側に偏りが陰性ならに偏りが両側陽性なら感音難聴を示唆する。
  • は2つの機序が同時に働く状態で、のように1つの疾患が両方を障害することがある。
  • はJCIHの1-3-6目標に沿って行い、通過後もハイリスク児は追跡する。
  • であり、発症から治療開始までの日数が予後を左右する。