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PLASMICスコア

PLASMIC score

別名
PLASMIC
臓器系
血液
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 H-17:血栓性血小板減少性紫斑病と溶血性尿毒症症候群内科学 S-44:血栓性微小血管症(TTP・HUS)
構成:検査値
血小板数網赤血球ハプトグロビンビリルビンプロトロンビン時間クレアチニン
適用疾患
血栓性血小板減少性紫斑病

🧠 全体像は、TTPを疑う患者で、結果が判明する前にであるを7項目・合計0〜7点で見積もるである。確定診断のための検査ではない——実測のに置き換わるものではなく、結果が届くまでの数時間〜数日の間にを経験的に始めるべきかどうかという、時間との勝負を乗り切るための判断材料である。

目的と適用場面

内容
目的 の実測結果が判明する前に、(TTP)であるを推定する
対象 血小板減少とを伴う(TMA)が疑われる成人患者
使う場面 の結果待ちの間に、を経験的に開始するかどうかの判断
評価しないもの TTPの確定診断そのもの。確定はの実測による

構成要素と配点

⭐ PLASMICの頭文字で覚える7項目。各1点、合計0〜7点1

項目 基準(満たせば1点)
P: 30×10⁹/L未満 1
L:溶血の所見 2.5%超、検出感度未満、2.0 mg/dL超のいずれか1つ以上 1
A:活動性癌 直近1年以内に治療を要する活動性癌が無いこと 1
S:移植歴 固形臓器移植・の既往が無いこと 1
M: 90 fL未満 1
I: 1.5未満 1
C:クレアチニン 2.0 mg/dL未満 1

⚠️ A・Sの2項目は向きが逆である。他の5項目はの異常があるほど加点されるが、この2項目は所見が「無いこと」で1点になる——活動性癌があれば0点、移植歴があれば0点である1

MCVの分類は貧血のMCVによる3分類も参照。

解釈とカットオフ

スコア リスク の頻度 対応の目安
0〜4点 低リスク 0〜4% を急がず、他のTMAの原因検索を優先する
5点 5〜24% ADAMTS13の結果を待ちつつ、臨床像で判断する
6〜7点 高リスク 62〜82% 結果を待たずの開始を検討する目安となる

C統計量は導出コホートで0.96、外的検証コホートで0.91であった1。別個の112例を対象とした独立した外的検証では、高リスク(6〜7点)と低〜(0〜5点)の2群に分けたとき、感度90%・特異度92%・72%・98%でを予測した2

限界と使ってはいけない場面

⚠️ の測定に代わるものではない。 高リスクであっても、検体は治療開始前に確保したうえでを開始し、判明した実測値で診断を最終的に確定させる。

⚠️ 導出・外的検証コホートはいずれも18歳以上の成人に限られ、小児での検証は乏しい1。小児に多いによるHUSはこの対象年齢の外にあり、同じ閾値をそのまま適用できるとは限らない。ISTHガイドラインも、は合併症のない成人集団を想定して作られており、小児や、妊娠・活動性の悪性腫瘍・敗血症・臓器/組織移植などの合併症を有する患者ではが低い可能性があるとしている3

⚠️ 移植関連のでは点数が構造的に低く出やすい。 「移植歴が無いこと」自体が配点項目の1つのため、移植歴のある患者は同じ重症度でも最高6点までしか到達できず、高リスク帯(6〜7点)に届きにくい1など他の二次性TMAでも、対象外の想定を踏まえて慎重に解釈する。

まとめ

  • ・溶血所見・活動性癌の非存在・移植歴の非存在・MCV・INR・クレアチニンの7項目、各1点・合計0〜7点でを見積もる。
  • 0〜4点は低リスク、5点は、6〜7点は高リスクで、独立した外的検証では高リスク群を感度90%・特異度92%で重度欠乏と判別した。
  • 活動性癌と移植歴の2項目は、所見が「無いこと」で1点になる向きが逆の項目である。
  • の実測に代わるものではなく、結果を待たずを始めるかどうかの判断を補助するにとどまる。検体は治療開始前に確保する。
  • 導出・検証は成人が対象で、小児や移植関連TMAでは構造的な限界があり、そのまま適用しない。

出典

  1. 1.Derivation and external validation of the PLASMIC score for rapid assessment of adults with thrombotic microangiopathies: a cohort study(Lancet Haematology・2017)PLASMICスコアが血小板数・溶血所見・活動性癌の非存在・移植歴の非存在・MCV・INR・クレアチニンの7項目(各1点、合計0〜7点)からなり、各項目のカットオフ(血小板<30×10⁹/L、溶血所見は網赤血球>2.5%/ハプトグロビン検出感度未満/間接ビリルビン>2.0 mg/dLのいずれか、MCV<90 fL、INR<1.5、クレアチニン<2.0 mg/dL)を確定した。導出コホート・外的検証コホートはいずれも18歳以上の成人のみを対象とした。0〜4点を低リスク(重度ADAMTS13欠乏0〜4%)、5点を中間リスク(5〜24%)、6〜7点を高リスク(62〜82%)と区分し、高リスクとそれ以外の2群で感度90%・特異度92%・陽性的中率72%・陰性的中率98%(C統計量は導出0.96、内的検証0.95、外的検証0.91)で重度ADAMTS13欠乏を予測することを確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.ISTH guidelines for the diagnosis of thrombotic thrombocytopenic purpura(International Society on Thrombosis and Haemostasis・2020)PLASMICスコア・Frenchスコアはいずれも合併症のない成人集団を対象に設計されており、小児患者や、妊娠・活動性の悪性腫瘍・敗血症・臓器/組織移植などの合併症を有する患者では信頼性が低い可能性があるとした閲覧 2026-08-04
  3. 3.External validation of the PLASMIC score: a clinical prediction tool for thrombotic thrombocytopenic purpura diagnosis and treatment(Journal of Thrombosis and Haemostasis・2018)導出コホートとは独立した112例の外的検証コホートで、高リスク(6〜7点)と低〜中間リスク(0〜5点)の2群に分けたときの陽性的中率72%・陰性的中率98%・感度90%・特異度92%を報告した閲覧 2026-08-04