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Symptoms · Published

吐血

Hematemesis

臓器系
消化器
科目
SurgeryOncology
トピック
外科学 S-27:上部消化管出血外科学 B/07:食道損傷腫瘍学 II-05:胃癌の疫学・病因・組織・病期・症状・診断外科学 B/08:食道腫瘍(症状・診断・治療)
関連疾患
ストレス潰瘍胃炎胃癌消化管間質腫瘍消化管出血(上部・下部)消化性潰瘍食道癌食道静脈瘤先天性肝線維症門脈圧亢進症

🧠 全体像で最初に見るのは色である。か、——この違いは出血源の位置ではなく、血液が胃酸にさらされた時間と出血の勢いを映す。としての局在の絞り方は消化管出血・血便との使い分けは血便に譲り、ここではの血液そのものが何を語るかに絞る。

真の吐血と偽性吐血

より、多くは食道・胃・からの出血が嘔に混じったものである。喀血による血液をに嚥下し、それを嘔吐すると区別する必要がある。既往や随伴症状(の痕跡、痰への血液混入)を確認しないまま、上部消化管の精査に踏み切ってしまう。

💡 ・口腔内を実際に観察し、直近のなどの処置歴を尋ねるだけで、の多くは除外できる。

血液の性状が示すもの

性状 機序 示唆される出血の勢い
・多量 胃酸との接触時間が短い 出血速度が速い、または出血量が多い(、動脈からの消化性潰瘍出血など)
胃酸がヘモグロビンを酸化し(暗褐色)に変えるだけの時間がある 出血速度が遅い、少量、あるいはすでに減弱・停止した出血(胃炎のびらんからの滲出など)

💡 だからといって軽症とは限らない。出血が緩徐に「持続」していれば、性状は変わらないまま総失血量だけが積み上がる。

⚠️ 患者・家族による量の申告(「コップ1杯」「洗面器いっぱい」など)は、少量を過大に、大量を過小に見積もる傾向があり、単独で重症度を決めない。頻脈・などの変化と合わせて評価する。

随伴する痛みも手がかりになる

⭐ 嘔吐・を繰り返した後に生じる有痛性の粘膜)を示唆し、突然発症する無痛性の大量を疑わせる。そのものの機序はで扱う。

見た目の派手さと悪性腫瘍の頻度は一致しない

によるは稀で、多くは嚥下障害・体重減少が先行する。胃癌も進行するまで無症状のことが多く、より先に貧血やで気づかれることが多い。大量のを見たら、まず消化性潰瘍・びらん性胃炎を考える——腫瘍はの原因としては相対的に頻度が低い。

見えない出血が積み重なって貧血として気づかれる経路は、で扱う。

見逃してはいけないこと

⚠️ 大量のの破綻だけでなく、気道の緊急事態にもなりうる。意識障害や持続する大量出血があれば、内視鏡を待たずに気道確保(内視鏡前挿管)を検討する。

⚠️ 嘔の色調だけで出血が止まったと判断しない。への変化は出血が弱まった徴候であることが多いが、再びに転じれば再出血を意味する。

まとめ

  • で最初に評価するのは色調——かは、出血源の位置ではなく胃酸との接触時間と出血の勢いを反映する。
  • ・喀血由来の血液を嚥下したを除外してから精査に進む。
  • 有痛性の、無痛性の大量を示唆する。
  • 悪性腫瘍(・胃癌)によるは相対的に稀で、大量ではまず潰瘍性・静脈瘤性の出血を考える。
  • 大量は気道緊急事態になりうる。意識障害・持続出血では内視鏡前挿管を検討する。