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Symptoms · Published

下血

Melena

別名
黒色便タール便
臓器系
消化器
科目
Internal MedicineSurgery
トピック
内科学 G-05:消化管出血外科学 B/19:大腸腫瘍(症状・診断・治療)
関連疾患
ストレス潰瘍メッケル憩室胃炎胃癌結節性多発動脈炎血管異形成消化管間質腫瘍消化管出血(上部・下部)消化性潰瘍食道癌食道静脈瘤
起因薬
活性炭、カオリン
スコア
Glasgow-Blatchfordスコア

🧠 全体像)は光沢のある黒色・性の便であり、色調そのものが「出血源の位置」ではなく「腸管内にどれだけ長くとどまったか」を反映する所見である。多くはだが、通過が遅ければ右側大腸・小腸からの出血でも黒色化する。ここでは黒色化という現象の機序と、由来を絞る考え方に絞る——量や勢いによるの評価は消化管出血に譲る。

黒色化の機序

消化管内にとどまった血液のヘモグロビンが、胃酸や腸内細菌の作用を受けて酸化され、光沢のある黒色・性の便として排出される。この変化には一定の腸管内時間を要するため、出血の直後ではなく、ある程度時間が経過してから気づかれることが多い。

💡 黒色化を決めるのは出血量そのものより「腸管内に留まる時間」である。比較的少量の出血でも通過が遅ければになり、逆に大量出血でも通過が速ければ黒色化せずとして排出される。

由来の考え方——上部が多いが下部・小腸もありうる

由来 代表疾患 特徴
上部消化管(最多) 消化性潰瘍胃炎胃癌 ・悪心を伴うことがあるが、無症候性の潰瘍出血も多い
通過の遅い下部消化管 大腸癌など近位大腸の病変 管腔が広く便が液状のため出血が長く貯留し黒色化する。同じ大腸癌でも左側病変は血便として出やすい
小腸 など 上部・下部内視鏡が届きにくく、原因検索が難航しやすい

そのものからは由来を確定できないため、随伴する病歴が重要な補助情報になる。

手がかり 示唆される由来
、NSAIDs・の使用歴 消化性潰瘍などの上部消化管病変
。機序の詳細はを参照
嚥下障害・体重減少の先行 ・胃癌などの悪性腫瘍
明らかながなくのみで気づかれる例 ・慢性の出血。として別に扱う

見た目が紛らわしいもの——偽メレナ

⚠️ 、血のソーセージ・イカ墨などの摂取でもになることがあり、真のと鑑別する必要がある。真のは光沢があり性で悪臭を伴うことが多く、が陽性になる点が手掛かりになる。

見逃してはいけないこと

⚠️ 循環不安定を伴うは、初期のHが正常であっても大量出血を否定する根拠にならない。出血直後は血漿と赤血球が同じ比率で失われるため濃度が変化せず、希釈が進んでから低下が明らかになる(詳細はを参照)。

か血便かという色調の違いだけでなく、と病歴を合わせて上部・下部の切り分けを行う。局在の考え方そのものは消化管出血に譲る。

まとめ

  • は光沢のある黒色便で、色調は出血源の位置よりも腸管内に血液がとどまった時間を反映する。
  • 多くはだが、右側大腸や小腸など通過の遅い下部出血でも黒色化しうる。
  • などによると、光沢・性・悪臭・陽性という真のの所見を鑑別する。
  • 循環不安定を伴うでは、初期Hb正常であっても大量出血を否定できない。
  • 部位の切り分けと蘇生の考え方は消化管出血に譲る。