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Symptoms · Published

急性出血

Acute blood loss

臓器系
全身
科目
AnesthesiologyPediatrics
トピック
麻酔科学 A-06:出血性ショック麻酔科学 B-04:ICUにおける急性出血・出血性ショックの治療小児科学 1-03:小児貧血の分類・診断
関連疾患
消化管出血(上部・下部)

🧠 全体像を「どれだけ失ったか」で捉えるときの落とし穴は2つある。1つはが出血量に比例して滑らかに悪化するわけではないこと、もう1つは(Hb)が実際の出血量より遅れて動くことである。この2点だけに絞り、代償が破綻していく過程と輸液・輸血の原則はに譲る。

出血量による段階分類

クラス 推定出血量 心拍数 血圧 呼吸数 尿量 意識
I 15%未満 100未満 正常 14〜20/分 30 mL/時超 軽い不安
II 15〜30% 100〜120 正常なことが多い 20〜30/分 20〜30 mL/時 不安
III 30〜40% 120〜140 低下 30〜40/分 5〜15 mL/時 不安・混乱
IV 40%超 140超 著しく低下 35/分超 ほぼなし 混乱・

⭐ 循環血液量の10%(約0.5 L、1回分)まではこの表のどの指標も動かないの異常が出た時点で、すでにある程度の出血が進んでいる。

⚠️ この分類は教育用の目安であり、単独で出血量や輸血開始を決めない。高齢者、妊婦、β遮断薬内服中、運動選手ではの反応が定型からずれる(頻脈が出にくい、血圧が保たれやすいなど)。、乳酸値、と合わせて判断する。

Hbが遅れて低下する理由

💡 出血の直後は血漿と赤血球が同じ比率でへ失われるため、残った血液の濃度(Hb・Hct)は変化しない。濃度が下がるのは、間質からの体液移動や輸液によって血管内が希釈されてからであり、これには数時間を要する。

  • 初期Hbが正常でもは否定できない。 出血直後の1回だけの測定を「異常なし」の根拠にしない。
  • な低下、または輸液後の値の変化を追うほうが、単回値より出血の実態を反映する。
  • 小児でも同じ機序が成り立ち、を疑う場面ではまずの徴候(頻脈、末梢、意識変容)を評価し、Hb正常を安心材料にしない。

まとめ

  • 出血量の段階分類(Class I〜IV相当)は、10%喪失まではが動かないことを踏まえて読む。
  • 分類は目安であり、高齢・妊娠・β遮断薬内服などでは反応が定型からずれる。
  • Hbは血漿と赤血球が同時に失われるため出血直後には低下せず、希釈が進んでから低下が明らかになる。
  • 初期Hb正常はの除外根拠にならない。な変化を追う。