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Drug Atlas · B9 Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬 · 必修

ニコチン酸(ナイアシン)

nicotinic acid

分類
Lipid-lowering drugs / 脂質異常症治療薬Vitamins / ビタミン
科目
Pharmacology
トピック
B9: Drugs affecting lipid metabolism. Drugs controlling body weight
承認適応
脂質異常症
禁忌疾患
消化性潰瘍
副作用
顔面紅潮
影響検査値
血糖尿酸アミノトランスフェラーゼ
対象疾患
ペラグラ様症候群
原因となる疾患
黄斑浮腫

🧠 全体像:()は、としての栄養学的な顔と、薬理学的大量投与によるTG低下・上昇薬としての顔を併せ持つ二面性の薬である。としては・と同じくTG低下・上昇を狙うが、経路は別系統で、古典的にはの抑制で説明されてきた(ただし脂質への効果の機序は米国の添付文書自身が「十分に解明されていない」と書いている)。現在この適応での位置づけは限定的——AIM-HIGH・HPS2-THRIVEという2つのがスタチン治療への追加で心血管イベントを減らさないことを示し、むしろ有害事象を増やしたためである。⭐ この「限定的」は感想ではなく上の事実として残っている:米国では2016年にスタチン併用の効能そのものが撤回され、では/配合剤が2013年に販売承認を取り下げられた。眼科領域での知る価値は薬効そのものより「漏出を伴わない」という特異な副作用にある。

薬効群の中での位置づけ

分類 代表薬 標的・機序 TG低下薬としての現在の位置づけ
作動 →発現↑ 著明・膵炎予防で主役
作動(CYP2C8阻害あり) 同上(相互作用リスクが別次元) スタチン併用が要らない場面で限定的に使用
受容体作動 活性化(の機序として確立)。脂質改善の機序は未確定 で心血管を示せず、現在は限定的

⭐ 「TGを下げる・を上げる」という結果は3剤とも似ているが、たどる経路も臨床的な生き残り方もまったく違う。 がを介して肝臓・末梢のリポ蛋白代謝を動かすのに対し、は受容体の作動薬であり、古典的にはからの供給を絞ることで脂質を改善すると説明されてきた。この経路の違いが、副作用プロファイル(・肝毒性・血糖悪化)と、でを示せなかった経緯の両方につながっている。

機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nicotinic acid'>ニコチン酸</span>(薬理学的高用量)を内服"] --> B["皮膚の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Langerhans cell'>Langerhans細胞</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='niacin receptor GPR109A'>GPR109A</span>(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='nicotinic acid'>ニコチン酸</span>受容体)を活性化"]
    B --> C["プロスタグランジンD2の放出"]
    C --> D["血管拡張→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='facial flushing'>顔面紅潮</span>(機序として確立)"]
    A --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adipocyte'>脂肪細胞</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='niacin receptor GPR109A'>GPR109A</span>を活性化"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='hormone-sensitive lipase (HSL)'>ホルモン感受性リパーゼ</span>の活性化を抑制"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='adipocyte'>脂肪細胞</span>からの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free fatty acids'>遊離脂肪酸</span>放出↓"]
    G --> H["肝への<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free fatty acids'>遊離脂肪酸</span>供給↓→肝でのリポ蛋白合成↓"]
    H --> I["古典的な「<span class='jp-term jp-term-diagram' title='free fatty acids'>遊離脂肪酸</span>仮説」:血中TG↓・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='low-density lipoprotein cholesterol'>LDL-C</span>↓"]
    A --> J["アポ蛋白A-Iの<span class='jp-term jp-term-diagram' title='catabolism'>異化</span>を抑制"]
    J --> K["HDL-C↑"]
    I --> L["受容体欠損マウスと<span class='jp-term jp-term-diagram' title='full agonist'>完全作動薬</span>の<span class='jp-term jp-term-diagram' title='clinical trial (clinical study)'>臨床試験</span>では、この経路で脂質改善を説明できなかった"]

💡 副作用のは、機序がいちばんはっきりしている部分である。 のが活性化してプロスタグランジンD2が放出され、血管が拡張する——ここは確立した経路として扱われている1。アスピリンの事前投与(服用30分前、最大325 mg)でプロスタグランジン産生を抑え、の頻度・程度を軽減できるのは、この下流を止めているからである2。

⚠️ 一方、脂質を改善する機序は確定していない。 米国の添付文書は12.1で逐語に「がを変える機序は十分に解明されていない」と述べ、脂肪組織からの放出の部分的な抑制・活性の上昇・肝でのおよび合成速度の低下という複数の作用が関与しうる、という書き方にとどめている2。日本のガイドラインは上図の順路(の活性化抑制→肝への流入減→肝でのリポ蛋白合成抑制、加えてアポ蛋白A-Iの抑制による上昇)を誘導体の作用機序として記載している3。

💡 それでも「仮説」は一度検証にかけられ、否定的な結果が出ている。 欠損マウスでは抗作用が完全に失われても脂質への効果は変わらず、の2剤(MK-1903・SCH900271)はヒトでを急性に下げたのに血清脂質は期待どおりに動かなかった。著者らは「受容体はの脂質改善効果を媒介しておらず、長年の仮説に疑問を投げかける」としている1。⭐ 覚えるときは「=で確定/脂質改善=では説明できない」と分けて持つ。

適応

米国の添付文書(NIASPAN、2022年5月改訂)が掲げる効能は5つある2。この5項目は、現在流通している後発の錠のラベル(2025年12月改訂)にも逐語で同じ形で載っている4。いずれも「食事・運動などので不十分なときの追加」という枠の中にある。

# 効能 主語
1 原発性・混合型で・・アポB・TGを下げ、を上げる NIASPAN
2 心筋梗塞の既往とがある患者で、非の再発心筋梗塞のリスクを下げる
3 冠動脈疾患の既往とがある患者で、(など)との併用によりの進行を遅らせる/退縮させる
4 との併用で、成人の原発性の・を下げる NIASPAN
5 で十分に下がらず膵炎のリスクがある成人の重症への追加治療

💡 2・3・5の主語が「NIASPAN」ではなく「」であるのは、これらの効能を支える試験がこのではなくという成分で行われたためである。添付文書はその区別を主語で保存している。

⚠️ 効能の直後に、添付文書自身が Limitations of Use を置いている——「投与中の患者にNIASPANを追加しても、(AIM-HIGH)において心血管の・死亡率は低下しなかった」2。

💡 なぜ「の効能」と「スタチンに足しても効かない」が同居できるのか。 効能2を支えているのは1975年に終了したCoronary Drug Project——スタチンが存在しない時代の試験で、非の再発心筋梗塞が群1,119例で8.9%、プラセボ群2,789例で12.2%(P<0.004。ただし5年時点の総死亡は24.4%対25.4%で有意差なし)だった2。⚠️ この試験には15年追跡の続きがある。 総死亡は群52.0%対プラセボ群58.2%(69例少ない、P=0.0004)だったが、添付文書自身が「15年時点の死亡は当初の評価項目ではなく、その時点で患者は約9年間を服用しておらず、併用薬や治療などのも制御されていない」と限界を併記している2。否定的な数値だけを見ても肯定的な数値だけを見ても、この薬の位置づけは誤る。 AIM-HIGH・HPS2-THRIVEが否定したのは「既にスタチン治療を受けている患者への」であって、無治療との比較ではない。「誰に足すのか」で答えが変わるのがこの薬の要点である。

⚠️ AIM-HIGH試験・HPS2-THRIVE試験のいずれも、スタチン治療への追加で心血管イベントの減少を示せなかった。

試験 誰に 安全性
AIM-HIGH(2011)5 安定した心血管疾患3,414例。全例40〜80 mg(必要なら追加)で 40〜80 mg/dLに維持 16.4%(1,500〜2,000 mg)対16.2%()、1.02、P=0.79。平均3年で有効性欠如のため早期中止 添付文書は27例(1.6%)対15例(0.9%)、1.79(95%信頼区間0.95〜3.36)、P=0.071で有意差なしと記す2
HPS2-THRIVE(2014)6 血管疾患のある成人25,673例。スタチン基盤治療下 主要13.2%対13.7%(0.96、95%信頼区間0.90〜1.03、P=0.29)、追跡中央値3.9年 に対する絶対超過で、重篤な糖尿病コントロール障害+3.7ポイント、新規糖尿病診断+1.3、消化器+1.0、筋骨格+0.7、皮膚+0.3、感染+1.4、出血+0.7(皮膚のみP=0.003、他はP<0.001)

⚠️ HPS2-THRIVEで投与されたのは単剤ではなく、を抑えるプロスタグランジンD2受容体拮抗薬を配合した製剤である。 有害事象のどこまでが由来かは、この試験だけからは切り分けられない。⚠️ AIM-HIGHのプラセボ群も純粋なではない——という盲検の破れを防ぐため、100〜150 mgを含む「対照用」が使われている2。

規制上の帰結(この薬の「現在」を決めている)

⭐ 2つの試験は、そのまま2つの措置になった。 推奨の強さが下がったという形ではなく、効能そのものが承認から消えたという形で残っている点がこの薬の特徴である。

地域 何が起きたか
米国 2016年4月18日、錠(Niaspanと7件)とについて、スタチン併用に関する効能の承認が撤回された。 理由は「スタチン治療中の患者において、薬剤によるTG低下および/または上昇が心血管イベントのリスク低下をもたらすというは、科学的証拠の総体としてもはや支持されない」。根拠に挙げられたのはACCORD・AIM-HIGH・HPS2-THRIVEの3試験である7
米国(配合剤) 同じ2016年4月18日に、スタチンとの配合錠そのものの承認が撤回された。 ADVICOR(+、2001年承認)とSIMCOR(+、2008年承認)は「便益がリスクを上回らなくなった」として承認を撤回され、「安全性または有効性を理由に販売中止された」と判定されてOrange Bookから削除、これらをとする申請は今後も受理されない8
/配合剤(Tredaptive・Pelzont・Trevaclyn)のArticle 20手続きが2012年12月20日にHPS2-THRIVEのデータを受けて開始され、2013年1月17日にCHMPが販売承認の停止を勧告、欧州委員会が2013年3月22日に法的拘束力のある決定を出した(この手続きの転帰は「Suspension」と記録されている)9。停止はそこで終わらず、2013年4月10日に欧州委員会が販売承認を取り下げる決定を出している——各製品のEPARページは取下げ日を2013年4月10日とし、「いずれの製品も現在域内のどの国でも販売されていない」と記す10

⭐ 単剤と配合剤で判定が正反対なのが、この薬のいちばん分かりやすい要約である。 配合剤(ADVICOR・SIMCOR)は「安全性または有効性を理由に販売中止された」側に置かれたのに対し、単剤のNIASPANは2022年8月9日の官報で「安全性または有効性を理由に販売中止されたのではない」と明示的に判定されている(500 mg・750 mg・1 gの3。この判定によりの承認が続けられる)11。

⚠️ 「効能が撤回された」範囲を広げて読まない。 米国で撤回されたのはスタチンとの併用に関する効能だけで、単独使用の効能(上の表)は残っている7。NIASPANの各はDrugs@で「Discontinued」と表示されるが、これは上の判定のとおり安全性・有効性を理由とする撤退ではなく、錠の(処方箋薬)はDailyMedに複数のラベラー名義で収載され、2026年に更新されたものもある(2026年9月16日時点でopenFDAのラベルAPIを検索して確認)。「使えなくなった薬」ではなく、「スタチンに足す薬ではなくなった薬」である。

⭐ が販売終了であることは、この添付文書の記述が過去のものになったことを意味しない。 現在流通しているのラベルを実際に開くと、内容はと同じである——Amneal Pharmaceuticals の錠(ANDA203578、本文の改訂表示は2025年12月)は、効能5項目・効能直後のLimitations of Use・禁忌4項目・が無いこと・用法(就寝前500 mgで開始、4週間に500 mgを超えて増量しない、維持1,000〜2,000 mg、2,000 mg超は非推奨)のいずれもNIASPANの2022年版と一致する4。本ノートの「適応」「用法・用量」「禁忌・注意」の各節は、この現行のラベルでも同じ内容であることを確かめてある。

⚠️ 欧州・日本の位置づけは、この米国の記述からは決まらない。 ハンガリーOGYÉI・スペインAEMPS CIMA・フランスBDPMの各登録簿を引いた範囲では、を適応とする単剤の製剤は見当たらなかった(スペインCIMAは2026年9月16日に引き直しても、を含む収載8品目はいずれもビタミン配合剤だった。陽性対照としては163品目がヒットする)。

⭐ 欧州については、自身の文書に同じ趣旨の記述がある。 のArticle 31手続き(EMEA/H/A-31/1366)はHPS2-THRIVEを契機に2013年に開始され、当初は・アシピモクス・キサンチノール塩の3物質を対象にしていたが、2013年7月の時点で「とキサンチノール塩は域内での治療としては販売されていない」ことが確認され、審査はアシピモクスだけに絞られた(キサンチノール塩は一部の諸国でとしては承認されている)12。この手続きは2014年2月20日の欧州委員会決定で終わり、アシピモクスは適応をIIb型・IV型の追加・代替治療に限定したうえで承認が維持された12。⚠️ ただしこれは2013〜2014年時点の確認であって、現在の各国の承認状況を直接述べたものではない。

⚠️ データベースに「載っている」ことと「今も承認されている」ことは別である。 ハンガリーの医薬品データベースは抹消された製剤も削除日つきで残す。誘導体アシピモクスの製剤OLBETAM 250 mg(OGYI-T-01448、ATCコードC10AD06、Pfizer Kft.)は1990年1月1日承認だが製剤抹消日が2025年3月19日であり、現在のハンガリーで使える薬ではない。同じデータベースでTredaptiveの抹消日は2013年4月10日で、が記す販売承認取り下げの日付と一致する13。一覧に名前があるかどうかではなく、抹消日の欄を見る。

⭐ 日本では、の枠を担っているのはそのものではなく誘導体である。 令和8年8月13日適用の基準収載品目リストでは、成分名「」の収載は注射薬の2品目(20 mg・50 mg)だけで内用薬には無く、内用薬に収載されているのはニコモール錠とエステルカプセルという誘導体である(ニセリトロールは3ファイルとも0件)14。日本動脈硬化学会の2022年版ガイドラインも、この2剤を「誘導体」として適応・有効性・安全性が確立した薬に挙げ、適応を高コレステロール血症・・増加型のとしている。⚠️ ただし同ガイドラインがスタチンへのとして推奨しているのは(推奨レベルA)と(同B)だけで、誘導体には推奨文が置かれていない——AIM-HIGHとHPS2-THRIVEのサブ解析でスタチン併用時の予防効果が示されなかったためである(同ガイドラインは、AIM-HIGHの対照群でスタチン用量と併用率が高かったこと、HPS2-THRIVEの登録時平均が63 mg/dLと既に低かったことを、これらの試験の限界として併記している)3。

⚠️ 日本の「そのもの」の効能・効果と禁忌は、読める電子添文が無いので確かめられない。 基準に収載されている単剤は「注射液」の2品目(20 mg1管・50 mg1管)だけだが14、PMDAの医療用医薬品情報検索には一般名「」の品目が1件も載っていない——一般名ページの販売名・添付文書の欄が空で、名称の部分一致検索で返る10件はすべて配合剤か誘導体である(2026年9月17日確認)15。したがって本ノートの適応・禁忌は米国の添付文書に基づく記述に限られる。

⭐ 一方、誘導体ニコモールの電子添文は読める。 コレキサミン錠200mg(2025年7月改訂・第3版)の効能又は効果はと、・四肢動脈閉塞症(性動脈炎・動脈硬化性閉塞症)・レイノー症候群に伴う末梢血行障害の改善の2本立てで、用法はニコモールとして1回200〜400 mgを1日3回食後である16。⚠️ 禁忌は「重症低血圧症、出血が持続している患者」の1項だけで、米国の添付文書とは項目が違う。 消化性潰瘍は禁忌ではなく9.1.2の「特定の背景を有する患者に関する注意」に置かれ、理由は「類薬()で消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある」である。緑内障も9.1.1に「作用により、の血流量を増し、を上昇させるおそれがある」として挙がり、スタチン(・等)との併用はではなく併用注意で、根拠は同じく類薬でのの報告である16。💡 ニコモールはのエステルで、で加水分解されてを遊離する(10例への400 mg食後単回投与で、遊離のTmax 2.2時間・Cmax 0.25 μg/mL)——日本の添付文書がの毒性を「類薬」として繰り返し引くのはこのためである16。ただしこれはニコモールという別成分の文書であり、の承認内容として読み替えない。

💡 「ビタミンとしての顔」は、このの話とは別の場所に残っている。 薬理学的高用量のとしての承認が各国で縮んでも、そのものは()であり、欠乏はペラグラを起こす。⚠️ 日本の注射液がこの栄養学的な用途で承認されているのかどうかは、上のとおり電子添文が取得できないため本ノートでは確認できていない(基準収載品目リストは品名・・を載せるだけで、効能・効果は書かれていない)1415。薬剤性に欠乏をきたす病態はのノートで扱う。

用法・用量

米国の添付文書()では就寝前に1日500 mgで開始し、4週間に500 mgを超えて増量しない。は1,000〜2,000 mg/日で、2,000 mg/日を超える用量は推奨されない2。

期間 1日量
第1〜4週 500 mg(就寝前)
第5〜8週 1,000 mg
第9週以降 反応とをみて1,500 mg、さらに2,000 mgまで
  • 低脂肪の軽食のあと就寝前に服用する(空腹時の服用は・掻痒・消化器症状を強める)。服用の前後にアルコール・熱い飲み物・辛い食べ物を避ける2
  • ⚠️ と(結晶)製剤・持続放出性製剤は等用量で置き換えない。 他の製剤から切り替えるときも上の漸増表の最初から始める。長期間中断したあとの再開も同様に漸増からやり直す2
  • は割らず・砕かず・噛まずに飲み込む。 なお500 mg錠2錠と1,000 mg錠1錠は生物学的に互換だが、500 mg錠3錠と750 mg錠2錠は互換ではない2
  • ⚠️ と併用するなら服用時刻をずらす。 レジンはを強く吸着し(in vitroでは利用可能なの約98%、は10〜30%を結合した)、添付文書はレジンの服用との服用の間を4〜6時間、可能ならそれ以上あけるよう求めている2。効能3・4がレジンとの併用を前提にしているので、この間隔は適応そのものに組み込まれた注意である
  • 女性は男性より低用量で反応しうる(同一用量での血中濃度が高く、脂質低下作用も大きい)2

実際の用量・製剤選択は施設のプロトコル・添付文書で確認する。

禁忌・注意

  • 米国の添付文書が挙げる禁忌は4項目:または原因不明の持続的な上昇、活動性消化性潰瘍、、本剤成分への過敏症2。は無い。 この4項目との不在は、現在流通しているのラベル(2025年12月改訂)でも同じである4。⚠️ これは米国の文書について言えることである。 欧州は2013年7月の時点でがの治療として販売されていないことをが確認しており12、日本は単剤の電子添文がPMDAに掲載されていない15。突き合わせられる禁忌欄が米国にしか存在しないので、「の禁忌は4つ」と国を書かずに書かない
  • ⚠️ 日本で読める禁忌欄は誘導体ニコモールのものだけで、中身が違う。 コレキサミン錠の禁忌は「重症低血圧症、出血が持続している患者」で、消化性潰瘍は禁忌ではなく注意(9.1.2)に置かれている16。別成分の文書なので、の禁忌として読み替えない
  • ⚠️ スタチン併用による。 脂質改善用量(1 g/日以上)のとスタチンの併用でが報告されている。高齢者・糖尿病・腎不全・コントロール不良の甲状腺機能低下症の患者がとくにリスクが高い。 筋肉痛・圧痛・脱力の徴候を、とくに治療開始後数か月と増量期に監視し、クレアチンホスホキナーゼとカリウムの定期測定を考慮する。⚠️ ただし添付文書は「この監視で重症の発生を防げる保証はない」と明記している2
  • ⚠️ 肝毒性。 と(結晶)製剤を等用量で置き換えた患者で、劇症を含む重症肝毒性が生じている。()は投与開始前・初年度は6〜12週ごと・以後おおむね6か月間隔で行う。上昇が見られた患者では速やかに再検してより頻回に測定し、の3倍に達して持続する上昇、あるいは悪心・発熱・倦怠感を伴う上昇では中止する2
  • ⚠️ 血糖・尿酸への影響。 空腹時血糖を上昇させ、糖尿病患者では悪化がに起こりうる。尿酸値も上昇しうるため痛風の素因がある患者では注意する2
  • ⚠️ への影響を見落とさない。 にがわずかに低下し(2,000 mgで平均−11%)、がわずかに延長する(平均約+4%)。抗凝固薬を併用する患者では両者を注意深く監視し、手術を受ける患者は慎重に評価する2。💡 禁忌の「」と並べて読むと筋が通る——この薬は出血の方向にわずかながら傾ける
  • ⚠️ も下がる(2,000 mgで平均−13%、一過性)。のリスクがある患者では定期的に測る2
  • ⚠️ ・心筋梗塞の急性期、とくに・・アドレナリン遮断薬などのを併用している患者では慎重に用いる。腎障害のある患者でも慎重投与(は肝で代謝され腎から排泄される)。⚠️ は・の作用を増強してをきたしうる2
  • ⚠️ 妊娠が判明したら、の治療として投与している場合は中止する(の治療として投与している場合は個々の利益とリスクを評価して継続の可否を決める)。授乳中は、乳児の肝毒性を含む重篤な副作用の可能性から授乳しないよう指導する。小児(16歳以下)での安全性・有効性は確立していない2
  • 💡 への干渉も添付文書に書かれている。 血漿・尿カテコールアミンので、の硫酸法(Benedict試薬)で偽陽性を生じうる2
  • はプロスタグランジン依存性の機序であり、服用30分前のアスピリン(最大325 mg)前投与で軽減できる。への耐性は数週で急速に形成される(服用中止の主因になりやすい副作用でもある)2
  • ⚠️ 眼科領域では「漏出を伴わない」という特異な副作用がある。 と同様、液がの破綻によってではなく内へ直接貯留するであり、で漏出所見を示さない。・を訴える患者ではとしてし、で可逆的に改善することが多い17

副作用

頻度 内容
高頻度(5%超かつより多い) (プラセボ対照試験で最大88%の患者が報告。プロスタグランジン依存性でアスピリン前投与により軽減)、下痢、悪心、嘔吐、咳嗽の増加、掻痒
中止につながりやすいもの (6%対0%)、皮疹(2%対0%)、下痢(2%対0%)。試験全体では16%が有害事象で中止した(4%)
上昇、血糖上昇・悪化、尿酸上昇(痛風の誘発)、低下、延長、低下、上昇
重篤・まれ (劇症を含む。特に他の製剤からの等用量切替時)、スタチン併用下の、漏出を伴わない(で可逆的なことが多い)、消化性潰瘍、アナフィラキシー・を含む過敏症反応、失神・低血圧・、心房細動などの不整脈

(頻度区分と項目は米国添付文書の成績・・使用上の注意およびによる2。市販後の眼障害として挙がっているのはとである。⭐ はで「起こる人の割合」が減るのではなく「1人あたりの回数」が減る——との比較で、1日1,500 mg維持下の4週間あたりの発現は8.6回に対し1.9回だった)

まとめ

  • としての栄養学的な顔と、薬理学的高用量でのTG低下・上昇薬という2つの顔を持つ。
  • 受容体の作動薬で、・の経路とは別系統。⚠️ の機序(の→プロスタグランジンD2)は確立しているが、脂質改善の機序は確定していない——米国添付文書は「十分に解明されていない」とし、古典的な仮説は欠損マウスとので支持されなかった。
  • AIM-HIGH(3,414例)・HPS2-THRIVE(25,673例)の2試験がスタチン治療への追加で心血管を示せず、後者ではむしろ重篤な有害事象(糖尿病・感染・出血など)を増加させた。⚠️ 否定されたのは「既にスタチンで治療されている患者への」であって、無治療との比較ではない。
  • その結果は措置になった:米国は2016年4月18日にスタチン併用に関する効能の承認を撤回し、同日にスタチンとの配合錠ADVICOR・SIMCORの承認そのものを「安全性または有効性を理由に販売中止された」として撤回した。は/配合剤の販売承認を2013年4月10日に取り下げた。⭐ 一方、単剤のNIASPANは2022年の官報で「安全性または有効性を理由とする販売中止ではない」と判定されており、単独使用の効能は米国に残っている。
  • 日本ではの枠を担うのは誘導体(ニコモール、エステル)で、基準に収載されている単剤は注射薬だけである。日本動脈硬化学会2022年版は誘導体を確立した薬に挙げるが、スタチンへのとして推奨しているのはとだけである。⚠️ 単剤の電子添文はPMDAに無いので、日本の効能・効果と禁忌は確かめられない。読めるのはニコモール(コレキサミン錠)の電子添文で、効能はと、・四肢動脈閉塞症・レイノー症候群に伴う末梢血行障害の改善、禁忌は重症低血圧症と出血が持続している患者、消化性潰瘍とスタチン併用は禁忌ではなく注意側に置かれている。
  • 米国添付文書の禁忌は4項目——/原因不明の持続的な上昇、活動性消化性潰瘍、、成分への過敏症。は無い。⚠️ これは米国の文書についての記述であり、・日本には対応する承認が確認できない。⭐ NIASPANは販売終了だが、現在流通しているのラベル(2025年12月改訂)も効能5項目・禁忌4項目・用法が同一で、記述は過去のものではない。
  • ⚠️ スタチンとの併用で(1 g/日以上の脂質改善用量)。高齢者・糖尿病・腎不全・コントロール不良の甲状腺機能低下症でリスクが高い。
  • は投与前・初年度は6〜12週ごと・以後おおむね6か月間隔。と製剤を等用量で置き換えない。
  • 眼科的に特筆すべきは漏出を伴わない——内貯留というで、は破綻せずが陰性になる。
  • ・肝毒性・・尿酸上昇が主な副作用。は服用30分前のアスピリン(最大325 mg)前投与で軽減でき、数週で耐性がつく。⚠️ の低下との延長も起こるので、抗凝固薬の併用時と手術前は評価する。
  • ⚠️ 妊娠が判明したら目的の投与は中止(目的なら利益とリスクを個別に評価)、授乳は避ける。小児(16歳以下)での安全性・有効性は確立していない。

出典

  1. 1.Niacin Lipid Efficacy Is Independent of Both the Niacin Receptor GPR109A and Free Fatty Acid Suppression(Science Translational Medicine(Lauring B ら。4巻148ra115)・2012)Europe PMC(PMID 22914621)で抄録を取得して確認した。GPR109A欠損マウスでは抗脂肪分解作用が完全に消失しても脂質への効果は変わらなかったこと、完全作動薬MK-1903とSCH900271がヒトで遊離脂肪酸を急性に低下させたものの血清脂質には期待された変化を生じなかったこと、遊離脂肪酸の慢性的な抑制はニコチン酸でも両作動薬でも維持できなかったこと、結論が逐語で「GPR109A受容体はニコチン酸の脂質改善効果を媒介しておらず、長年の遊離脂肪酸仮説に疑問を投げかける」であることを確認した。同じ抄録が、Langerhans細胞のGPR109A活性化によるプロスタグランジンD2放出が紅潮を起こすことは確立していると述べていることも確認した。全文は未取得で、本文に書いたのは抄録に載る範囲だけである閲覧 2026-09-16
  2. 2.NIASPAN (niacin extended-release) tablets, for oral use — Full Prescribing Information(U.S. Food and Drug Administration(NDA 020381、AbbVie。承認事項一部変更承認 s055)・2022)2022年5月改訂(Revised: 05/2022、Initial U.S. Approval: 1997)のNIASPAN添付文書で、枠組み警告が無いこと、禁忌が活動性肝疾患または原因不明の持続的な肝逸脱酵素上昇・活動性消化性潰瘍・動脈性出血・本剤成分への過敏症の4項目であること、効能の直後に Limitations of Use として「シンバスタチン投与中の患者にNIASPANを追加しても、大規模無作為化比較試験(AIM-HIGH)において心血管の罹病率・死亡率は低下しなかった」と記されていること、5.1が「NIASPANは既にスタチン投与を受けている患者において心血管の罹病率・死亡率を低下させることが示されていない」と述べ、AIM-HIGHの成績(一次評価項目は282例16.4%対274例16.2%、ハザード比1.02、95%信頼区間0.87〜1.21、P=0.79。平均3年で有効性欠如のため中止。虚血性脳卒中は27例1.6%対15例0.9%、ハザード比1.79、P=0.071で有意差なし)を載せていること、5.2が脂質改善用量(1 g/日以上)のナイアシンとスタチンの併用で横紋筋融解症が報告されており、高齢者・糖尿病・腎不全・コントロール不良の甲状腺機能低下症が特にリスクが高いとして、クレアチンホスホキナーゼとカリウムの定期測定を考慮するよう求めていること、5.3が徐放性製剤と即放性(結晶)製剤の等用量での置き換えにより劇症肝壊死を含む重症肝毒性が生じたとし、肝関連検査を投与開始前・初年度は6〜12週ごと・以後おおむね6か月間隔で行うよう求めていること、5.4が空腹時血糖上昇と尿酸上昇を挙げていること、用法が就寝前500 mgで開始し4週間に500 mgを超えて増量せず、維持量1,000〜2,000 mgで2,000 mg/日を超える用量は推奨されないこと、顔面紅潮は服用30分前のアスピリン(最大325 mg)前投与で軽減しうること、6.2の市販後報告の眼障害に霧視と黄斑浮腫が挙がること、14.1が効能の根拠として1975年に終了したCoronary Drug Project(非致死性再発心筋梗塞がニコチン酸1,119例で8.9%、プラセボ2,789例で12.2%、P<0.004。5年時点の総死亡は両群同等)とCLAS・FATSを載せていることを確認した。閲覧 2026-09-14
  3. 3.Japan Atherosclerosis Society (JAS) Guidelines for Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases 2022(Japan Atherosclerosis Society・2024)Europe PMC(PMC11150976)の全文を取得して確認した。BQ20が、スタチン・エゼチミブ・陰イオン交換樹脂・プロブコール・フィブラート・n-3系多価不飽和脂肪酸・ニコチン酸誘導体について適応・有効性・安全性が確立していると述べること(エビデンスレベル4)、表10がニコチン酸誘導体としてニコモールとトコフェロールニコチン酸エステルを挙げること、薬剤各論の8)がニコチン酸誘導体の適応を高LDLコレステロール血症・高トリグリセリド血症・レムナントリポ蛋白増加型の脂質異常症とし、機序を「末梢脂肪組織でホルモン感受性リパーゼの活性化を抑えて脂肪分解を抑制し、肝への遊離脂肪酸流入を減らして肝でのリポ蛋白合成を抑える。加えてアポ蛋白A-Iの異化を抑えてHDLコレステロールを上げる」と記し、ニコチン酸単剤(3.0 g/日)のトリグリセリド低下率を26%、主な副作用を掻痒・末梢血管拡張による顔面紅潮・高尿酸血症とし、インスリン抵抗性を悪化させうるため糖尿病患者では注意するよう述べること、FQ22でスタチンへの上乗せとして推奨されるのはイコサペント酸エチル(エビデンスレベル1+、推奨レベルA)とフィブラート(同2、B)だけで、ニコチン酸誘導体には推奨文が置かれず、AIM-HIGHとHPS2-THRIVEのサブ解析でスタチン併用時のASCVD予防効果が示されなかったと述べる一方で、AIM-HIGHの対照群のスタチン用量とエゼチミブ併用率が高かったこと・HPS2-THRIVEの登録時平均LDLコレステロールが63 mg/dLと既に低かったことを限界として挙げていることを確認した閲覧 2026-09-16
  4. 4.NIACIN TABLET, EXTENDED RELEASE [AMNEAL PHARMACEUTICALS LLC](DailyMed(Amneal Pharmaceuticals LLC、ANDA203578。後発の徐放性ナイアシン錠)・2025)現在米国で流通している徐放性ナイアシン錠の後発品ラベル(本文に印字された改訂表示は Revised 12/2025、DailyMed の掲載更新は2025年12月25日)を開いて確認した。ラベラーは Amneal Pharmaceuticals LLC、申請区分はANDA203578である。4. CONTRAINDICATIONS が活動性肝疾患または原因不明の持続的な肝逸脱酵素上昇・活動性消化性潰瘍・動脈性出血・本剤成分への過敏症の4項目であること、枠組み警告が無いこと、1. INDICATIONS AND USAGE の Limitations of Use が逐語で「Addition of niacin extended-release tablets did not reduce cardiovascular morbidity or mortality among patients treated with simvastatin in a large, randomized controlled trial (AIM-HIGH)」であること、効能が原発性高脂血症・混合型脂質異常症/心筋梗塞既往での非致死性再発心筋梗塞のリスク低下/冠動脈疾患既往での胆汁酸吸着レジン併用による粥状硬化の進行抑制・退縮/レジン併用での総コレステロール・LDL-C低下/膵炎のリスクを伴う重症高トリグリセリド血症への追加治療の5項目であること、2. の用法が就寝前500 mgで開始し4週間に500 mgを超えて増量せず維持量1,000〜2,000 mg・2,000 mg超は非推奨であること、7.2でレジンとの間隔を4〜6時間以上あけること、5.x の血小板数−11%(2,000 mg)・血清リン−13%・プロトロンビン時間約+4%、6.1の紅潮が最大88%・紅潮による中止6%対プラセボ0%・有害事象による中止16%対4%・1日1,500 mg維持での4週間あたりの紅潮発現が即放性8.6回対徐放性1.9回であることを確認した。すなわち先発品NIASPANの2022年版添付文書と同じ内容が現在の市販品のラベルとして生きている。⚠️ DailyMedの文書名はこのsetidでは「NIACIN TABLET, EXTENDED RELEASE [AMNEAL PHARMACEUTICALS LLC]」であり、同じAmnealの「NIACIN TABLET, FILM COATED, EXTENDED RELEASE」は別のsetid(7250313b-b2ef-4736-bd25-2f29c2ac0eb9)である閲覧 2026-09-17
  5. 5.Niacin in Patients with Low HDL Cholesterol Levels Receiving Intensive Statin Therapy (AIM-HIGH)(New England Journal of Medicine(Boden WE, et al.)・2011)LDL-Cが管理目標を達成しスタチン治療を受けている患者への徐放性ナイアシン追加が、主要心血管イベントを減少させず(16.4% vs 16.2%)、有効性欠如のため試験が早期中止されたことを確認した。組入れは安定した既知の心血管疾患を有する3,414例で、全例がシンバスタチン40〜80 mg/日(必要ならエゼチミブ10 mgを追加)でLDL-Cを40〜80 mg/dLに保たれたうえで徐放性ナイアシン1,500〜2,000 mg/日(1,718例)かプラセボ(1,696例)へ割り付けられている。この組入れ条件と数値は米国添付文書5.1の記載で照合した閲覧 2026-09-14
  6. 6.Effects of Extended-Release Niacin with Laropiprant in High-Risk Patients (HPS2-THRIVE)(New England Journal of Medicine(HPS2-THRIVE Collaborative Group)・2014)スタチン治療中の高リスク患者への徐放性ナイアシン/ラロピプラント追加が主要血管イベントを有意に減少させず、新規糖尿病診断・重篤な感染症・重篤な出血などの重篤な有害事象を有意に増加させたことを確認した。抄録で、組入れが血管疾患を有する成人25,673例、割り付けが徐放性ナイアシン2 g+ラロピプラント40 mgかプラセボ、追跡中央値3.9年、主要評価項目(非致死性心筋梗塞・冠動脈死・脳卒中・動脈血行再建)が13.2%対13.7%(率比0.96、95%信頼区間0.90〜1.03、P=0.29)であること、重篤とみなされた糖尿病コントロール障害の絶対超過が3.7ポイント・新規糖尿病診断が1.3ポイント・消化器系1.0ポイント・筋骨格系0.7ポイント・皮膚0.3ポイント・感染1.4ポイント・出血0.7ポイントであることも照合した閲覧 2026-09-14
  7. 7.AbbVie Inc. et al; Withdrawal of Approval of Indications Related to the Coadministration With Statins in Applications for Niacin Extended-Release Tablets and Fenofibric Acid Delayed-Release Capsules(U.S. Food and Drug Administration(Federal Register 81 FR 22612)・2016)米国食品医薬品局が2016年4月18日発効で、徐放性ナイアシン錠(NDA 020381 Niaspanと同剤を先発品とする後発品7件)およびフェノフィブリン酸徐放カプセルについて、スタチンとの併用に関する効能の承認を撤回したこと、その理由が「複数の大規模心血管アウトカム試験の総体から、スタチン治療中の患者において薬剤によるトリグリセリド低下および/またはHDLコレステロール上昇が心血管イベントのリスク低下をもたらすという結論は、科学的証拠の総体としてもはや支持されない」と判断したためであること、根拠として挙げられた3試験がACCORD(2010)・AIM-HIGH(2011)・HPS2-THRIVE(2014)であること、Niaspanのスタチン併用の効能そのものは2015年4月27日に添付文書から既に削除されており、同時に現行の Limitations of Use の文言が入ったこと、NDA 020381の初回承認が1997年7月28日であることを確認した。閲覧 2026-09-14
  8. 8.AbbVie Inc.; Withdrawal of Approval of New Drug Applications for ADVICOR and SIMCOR(U.S. Food and Drug Administration(Federal Register 81 FR 22608)・2016)官報全文を取得して確認した。2016年4月18日発効で、徐放性ナイアシンとロバスタチンの配合錠ADVICOR(NDA 021249、2001年12月17日承認)および徐放性ナイアシンとシンバスタチンの配合錠SIMCOR(NDA 022078、2008年2月15日承認)の承認そのものが撤回されたこと、理由が「複数の大規模心血管アウトカム試験の総体から、スタチン治療中の患者において薬剤によるトリグリセリド低下および/またはHDLコレステロール上昇が心血管イベントのリスク低下をもたらすという結論はもはや支持されず、両剤の便益がリスクを上回らなくなった」ためであること、両剤は「安全性または有効性を理由に販売中止された」と判定されてOrange Bookの収載から削除され、両剤を先発品とする後発品申請は受理も承認もされないことを確認した閲覧 2026-09-16
  9. 9.Tredaptive, Pelzont and Trevaclyn (nicotinic acid / laropiprant) — Article 20 referral(European Medicines Agency・2013)ページ全文を取得して確認した。ニコチン酸/ラロピプラント配合剤(Tredaptive・Pelzont・Trevaclyn)のArticle 20手続きがHPS2-THRIVEの新しいデータを受けて開始され、Key factsの手続き開始日が2012年12月20日・PRAC勧告日が2013年1月10日・欧州委員会決定日が2013年3月22日、転帰(Outcome)が「Suspension(停止)」であること、2013年1月17日にCHMPが販売承認の停止勧告を確認し、その理由が「便益がリスクを上回らなくなった」ことであることを確認した。⚠️ このページが扱うのは停止までで、その後の販売承認の取下げ(2013年4月10日)と「現在EU域内のどの国でも販売されていない」という記述はこのページには無く、各製品のEPARページ側にある(前任の実行はこの2点をこのページに帰属させていた)。閲覧 2026-09-16
  10. 10.Tredaptive (nicotinic acid / laropiprant) — European public assessment report(Withdrawn)(European Medicines Agency(EMEA/H/C/000889、販売承認保有者 Merck Sharp Dohme Ltd)・2013)ページ全文を取得して確認した。Authorisation detailsが販売承認の発行を2008年7月3日、販売承認の取下げ(Withdrawal of marketing authorisation)を2013年4月10日と記すこと、本文が逐語で「None of the products are currently marketed in any EU country.」=いずれの製品も現在EU域内のどの国でも販売されていないと述べ、これがCHMPの2013年1月17日の停止勧告に続くものであること、2013年4月10日に欧州委員会がTredaptiveの販売承認を取り下げる決定を出したと述べていることを確認した。PelzontとTrevaclynのEPARページも同じ取下げ日と同じ一文を持つ閲覧 2026-09-16
  11. 11.Determination That AVC (Sulfanilamide) Vaginal Cream, 15%, and Other Drug Products Were Not Withdrawn From Sale for Reasons of Safety or Effectiveness(U.S. Food and Drug Administration(Federal Register 87 FR 48484)・2022)官報全文を取得して確認した。米国食品医薬品局が「安全性または有効性を理由に販売中止されたのではない」と判定した品目の表に、NIASPAN(niacin、500 mg・750 mg・1 g、徐放錠、経口、AbbVie、NDA 020381)が含まれること、この判定は当該先発品を参照する後発品申請の承認撤回手続を始めず、今後も後発品を承認しうることを意味すると本文が説明していることを確認した閲覧 2026-09-16
  12. 12.Substances related to nicotinic acid (acipimox) — Article 31 referral(European Medicines Agency・2014)ページ全文を取得して確認した。手続番号EMEA/H/A-31/1366のArticle 31審査が、デンマーク保健医薬品庁の要請により2013年2月27日に開始され(Key factsのProcedure start dateは2013年3月7日)、当初はニコチン酸・アシピモクス・キサンチノールニコチン酸塩の3物質を対象としていたこと、逐語で「In July 2013 it was established that nicotinic acid and the related substance xantinol nicotinate were not currently marketed in the EU to treat lipid disorders」=2013年7月の時点でニコチン酸とキサンチノールニコチン酸塩はEU域内で脂質異常症の治療としては販売されていないことが確認され、審査がアシピモクスだけに絞られたこと(キサンチノールニコチン酸塩は一部のEU諸国で血管拡張薬として経口承認されている)、審査開始の契機がHPS2-THRIVEであったこと、PRAC勧告2013年11月7日・CMDh見解2013年12月18日・欧州委員会決定2014年2月20日で転帰がVariationであり、アシピモクスの適応がIIb型・IV型高リポ蛋白血症における追加または代替治療に限定されたことを確認した閲覧 2026-09-17
  13. 13.OGYÉI Gyógyszeradatbázis(Országos Gyógyszerészeti és Élelmezés-egészségügyi Intézet(ハンガリー国立薬事・食品衛生研究所)・2026)ハンガリーの公的医薬品データベースの製剤詳細ページを取得して確認した。アシピモクス製剤「OLBETAM 250 mg kemény kapszula」(登録番号OGYI-T-01448、ATCコードC10AD06、販売承認保有者Pfizer Kft.)は承認日1990年1月1日に対し製剤抹消日(Készítmény törlésének dátuma)が2025年3月19日であること、ニコチン酸/ラロピプラント配合剤「Tredaptive 1000 mg/20 mg」(EU/1/08/459、Merck Sharp & Dohme Ltd)は承認日2008年7月3日・抹消日2013年4月10日であることを確認した。すなわちこのデータベースの製剤一覧・有効成分一覧は抹消済みの製剤も含むので、一覧に名前があることは現在の承認を意味しない閲覧 2026-09-16
  14. 14.薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(令和8年8月13日適用)(厚生労働省・2026)内用薬・注射薬・外用薬の3つのExcelを取得して全文検索し、成分名「ニコチン酸」の収載が注射薬の2品目(20 mg1管・50 mg1管、薬価基準収載医薬品コード3132400A1016/3132400A2012)だけで、内用薬にニコチン酸単剤の収載が無いこと、内用薬にはニコチン酸誘導体のニコモール錠(2189004F1017)とトコフェロールニコチン酸エステルカプセル(2190006M1156ほか計7品目)が収載されていること、ニセリトロールの収載が3ファイルとも0件であることを確認した。陽性対照として内用薬ファイルにシンバスタチン錠・アトルバスタチン錠が収載されていることを確かめている閲覧 2026-09-16
  15. 15.医療用医薬品 情報検索 一般名「ニコチン酸」(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)・2026)2026年9月17日に取得して確認した。一般名「ニコチン酸」のページは販売名・製造販売業者等・添付文書の欄がいずれも空で、電子添文を持つ品目が1件も掲載されていない。あわせて同検索の名称欄に「ニコチン酸」を部分一致で入力して得た10件は、チアミン・ニコチン酸アミド配合剤(シーパラ注)、トコフェロールニコチン酸エステル(ユベラNほか)、ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩(ストミンA配合錠)、ニコチン酸アミド散のみで、ニコチン酸単剤の製剤は含まれていなかった(「ナイクリン」「ニコチン酸注射液」「ニセリトロール」はいずれも0件)。したがって日本のニコチン酸単剤については効能・効果および禁忌を電子添文で確かめられない閲覧 2026-09-17
  16. 16.コレキサミン錠200mg 電子添文(2025年7月改訂・第3版)(独立行政法人医薬品医療機器総合機構(販売元 佐藤製薬株式会社、YJコード2189004F1335)・2025)本文を取得して確認した。ニコモール製剤(コレキサミン錠200mg)の4. 効能又は効果が「○高脂血症」「○下記疾患に伴う末梢血行障害の改善 凍瘡、四肢動脈閉塞症(血栓閉塞性動脈炎・動脈硬化性閉塞症)、レイノー症候群」の2本立てであること、6. 用法及び用量が「通常、成人にはニコモールとして1回200〜400mgを1日3回食後に経口投与する」であること、2. 禁忌が「重症低血圧症、出血が持続している患者」の1項のみであること、消化性潰瘍は禁忌ではなく9.1.2に置かれ理由が「類薬(ニコチン酸)で消化性潰瘍を増悪させたとの報告がある」であること、9.1.1が緑内障の患者について「末梢血管拡張作用により、網膜血管の血流量を増し、眼内圧を上昇させるおそれがある」とすること、HMG-CoA還元酵素阻害剤(シンバスタチン、プラバスタチンナトリウム等)が併用禁忌ではなく10.2の併用注意で「類薬(ニコチン酸)で併用により…横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある」とされること、11.2の副作用に顔面潮紅・熱感が6.0%と記されること、14.2が「空腹時に服用すると潮紅、発赤等の発現が多くなるので、食後すぐに服用することが望ましい」とすること、16.4がニコモールはニコチン酸のエステル化合物であり生体内で加水分解されニコチン酸とTHCとして代謝されると述べ、16.1の健康成人10例への400mg食後単回投与で遊離ニコチン酸のTmax 2.2時間・Cmax 0.25μg/mL・AUC0→8 0.49μg・hr/mLであることを確認した閲覧 2026-09-17
  17. 17.Cystoid macular oedema without leakage in fluorescein angiography: a literature review(Eye (Nature)・2023)ニコチン酸による嚢胞様黄斑浮腫がMüller細胞内への貯留という細胞性浮腫であり、血液網膜関門は破綻せずフルオレセイン蛍光眼底造影で漏出所見を示さないことを確認閲覧 2026-08-10