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間質性膀胱炎症状スコア

O'Leary-Sant symptom index

別名
ICSIO'Leary-SantInterstitial Cystitis Symptom Index
臓器系
腎・泌尿器
科目
Obstetrics and Gynecology (Gynecology)
トピック
婦人科 32:骨盤痛
適用疾患
間質性膀胱炎

🧠 全体像:O’Leary-Sant(ICSI)は、/の症状の重さを患者自身の回答で数値化する、自己記入式の指標である。診断そのものには使わず、治療前後の変化を追う物差しとして設計された点が最大の特徴で、姉妹指標のICPI(問題指数、症状がどれだけ困りごとになっているか)とセットで使われる。

目的と適用場面

内容
目的 IC/BPS患者の(頻尿・・夜間排尿・痛み)の重症度を自己記入式で数値化する
対象 IC/BPSと診断された、または疑われる患者
使う場面 診断時のベースライン評価、治療前後の症状変化のモニタリング、の評価項目
評価しないもの IC/BPSの診断そのもの(と所見で確定する)、の有無

開発者のO’Learyらは、3つの泌尿器科施設で診断されたIC患者45例と、婦人科クリニックで募集した健常対照67例を対象にフォーカスグループを経て質問項目を作成・短縮し、症状指標(ICSI)と問題指標(ICPI)の2つの自己記入式指標としてを検証した——症状指標は患者群と対照群を明瞭に判別する性能を示した1。

構成要素と配点

ICSIは4項目からなり、・頻尿・夜間排尿・痛みまたは灼熱感を尋ねる。各項目の得点を合計した値がICSIスコアで、0〜20点の範囲を取る2。

項目 何を尋ねるか
1 日中のの頻度
2 排尿回数(頻尿)の程度
3 夜間の排尿回数(夜間排尿)
4 膀胱の痛みまたは灼熱感の程度

姉妹指標のICPI(問題指数)は、同じ4領域について「どれだけ困りごとになっているか」を別に尋ねる指標で、症状の強さ(ICSI)と生活への支障度(ICPI)を分けて評価する構造になっている1。版は、2007年の日本診療ガイドラインで言語的が検証されたものが用いられている3。

解釈とカットオフ

ICSIは診断のためのではなく、や診療での組入れ基準・治療効果判定の文脈で数値が使われる。

  • 組入れ基準としての使用例:日本の第III相DMSO(ジムソ)試験は、膀胱由来の痛みを伴いICSI 9点以上を主要な組入れ基準の一つとした3。
  • 臨床的に意味のある変化量():ナトリウムの試験データでは、患者自己評価で症状が75%改善したと回答した群でICSIスコアの平均48%減少、100%改善と回答した群で平均77%減少がみられた2。日本のDMSO試験のでは、解析によりICSIの-5点という変化が、患者満足度で見た治療反応を判別するとして得られている(感度81.3%・特異度83.3%)3。
  • ⭐ どちらの数値も「治療の前後でどれだけ変化したか」を判定するためのものであり、初診時の点数だけで重症度を分類する標準的なではない。 の値も薬剤・によって異なりうる(PPS試験の75%改善相当が約半分の減少、DMSO試験のが-5点、と数値がそのまま一致するわけではない)。

⚠️ 限界と使ってはいけない場面

  • ⚠️ 診断ツールではない。 ICSIは症状の重さを数値化する指標であり、IC/BPSの診断は+症状+(必要な場合の)所見で成立する。ICSIが高いだけで診断が確定するわけではない。
  • ⚠️ 効果の確認はハンナ型と非ハンナ型で異なりうる。 日本のDMSO試験のでは、ICSIを含む転帰の改善がでのみ確認され、非ハンナ型では確認されなかった3。ICSIの改善という結果だけを見て、両病型を区別せずに同じ薬剤の効果として扱わない。
  • 自己記入式であるための限界。 患者のな症状認識・言語表現に依存するため、同じな排尿状態でも回答が変動しうる。排尿記録(頻度・排尿量)など指標と併用する。
  • ICPIと役割が異なる。 ICSIは症状の頻度・強さを、ICPIは困りごとの程度を測る別の指標であり、どちらか一方だけで患者の全体像を語らない。

まとめ

  • ICSIは、IC/BPS患者の(・頻尿・夜間排尿・痛み)4項目を自己記入式で数値化する指標で、合計0〜20点。
  • 姉妹指標のICPI(症状がどれだけ困りごとになっているか)とセットで使う。版は2007年ガイドラインで言語的が検証されている。
  • 診断のではなく、の組入れ基準(例:ICSI 9点以上)や治療効果判定(臨床的に意味のある変化量)として使われる。
  • 治療効果の意味のある変化量は研究によって異なり(PPS試験:症状改善75%で平均48%減少、日本のDMSO試験:約-5点)、単一の普遍的な閾値があるわけではない。
  • ハンナ型と非ハンナ型で治療反応の出方が異なることがあり、病型を区別せずにICSIの変化だけで薬剤の有効性を判断しない。

出典

  1. 1.The interstitial cystitis symptom index and problem index(Urology・1997)Europe PMCの抄録(PMID 9146003)を逐語確認した。目的は「to develop 2 brief self-administered indices for measuring lower urinary tract symptoms and their impact in patients with interstitial cystitis (IC)」。3つの大規模泌尿器科施設で診断された間質性膀胱炎患者45例と、婦人科クリニックで募集した健常対照67例を対象に、フォーカスグループでの検討を経て質問項目を改訂・短縮し妥当性を検証した。結果は「Psychometric performance of both instruments is good, with the symptom index demonstrating excellent ability to discriminate characteristics between patients and controls.」と結論し、新規治療の臨床試験で信頼できる転帰指標として有用であるべきとしている。閲覧 2026-09-16
  2. 2.Psychometric validation of the O'Leary-Sant interstitial cystitis symptom index in a clinical trial of pentosan polysulfate sodium(Urology・2001)Europe PMCの抄録(PMID 11378052)を逐語確認した。「The ICSI contains 4 items that measure urgency and frequency of urination, nighttime urination, and pain or burning. The ICSI index score is the sum of the item scores (range: 0-20).」ペントサンポリ硫酸ナトリウム(1日300・600・900 mg)の無作為化二重盲検試験に参加した患者376例のデータでICSIの心理測定特性(変動性、再検査信頼性、内的整合性、構成概念妥当性、反応性)を評価し、良好な結果を確認した。患者による症状改善の自己評価(PORIS)が75%改善と回答した群でICSIスコアの平均48%減少、100%改善と回答した群で平均77%減少を報告している。閲覧 2026-09-16
  3. 3.The O'Leary-Sant Interstitial Cystitis Symptom Index is a clinically useful indicator of treatment outcome in patients with interstitial cystitis/bladder pain syndrome with Hunner lesions: A post hoc analysis of the Japanese phase III trial of KRP-116D, 50% dimethyl sulfoxide solution(International Journal of Urology・2022)Europe PMCの全文XML(PMC9300131)で次を逐語確認した。国内第III相DMSO(KRP-116D)試験(ハンナ型・非ハンナ型を含むICSI 9点以上の患者、KRP-116D群49例・プラセボ群47例、2週間隔で6回投与、12週評価)の事後解析で、日本語版ICSI・ICPIは2007年版日本間質性膀胱炎診療ガイドラインで言語的妥当性が検証されたものを用いた。「Global response assessment was closely correlated with subjective outcomes including O'Leary-Sant Interstitial Cystitis Symptom Index...but was less correlated with voiding variables including micturition frequency, voided volume, and maximum voided volume.」ROC解析でICSIのカットオフ値は-5(感度81.3%・特異度83.3%)であり、結論として「A five-point reduction in O'Leary-Sant Interstitial Cystitis Symptom Index is a clinically meaningful indicator for assessing patient satisfaction with KRP-116D treatment in patients with Hunner-type interstitial cystitis.」としている。効果はハンナ型でのみ確認され非ハンナ型では確認されなかった。閲覧 2026-09-16