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移動能力指数

Locomotor Capabilities Index

別名
LCILCI-5
臓器系
運動器
科目
Rehabilitation
トピック
リハビリテーション 02:リハビリテーションにおける機能評価:移動能力・筋力・標準化スケール

🧠 全体像:LCI(Locomotor Capabilities Index、)は、を装着した本人が「この動作をで行えるか」を自分で回答する自己記入式の移動能力尺度である。臨床家が実際に動作を観察して採点するAMP(とは評価の立場が逆であり、両者はしばしば並べて語られるが「誰が何を根拠に点数をつけるか」が根本的に異なる。な屋内移動を問う基本活動尺度と、床からの動作や悪天候下の歩行など難度の高い動作を問う上級活動尺度、それぞれ7項目・計14項目からなる。

目的と適用場面

内容
目的 を装着したが、移動に関連する14の動作をどこまで行えるかを本人の自己申告で数値化する
対象 の装着に至った訓練を受けている、または受け終えた患者
使う場面 訓練中の目標設定、訓練前後・退院後での経過モニタリング、追加訓練の要否や部品調整の判断材料
評価しないもの 実際の遂行能力そのもの(AMPの領域)、米国の保険償還区分(の領域)、の質(の領域)

💡 自己記入・面接聴取・電話聴取のいずれでも実施でき、所要時間は約5分と短い1。原版LCIは、使用状況を多面的に追跡するために考案されたProsthetic Profile of the Amputee(PPA)質問紙の一部として作られたものである1

構成要素と配点

14項目はいずれも「を装着した状態で、次の動作を行えますか」と尋ねる形式で統一されており、基本活動・上級活動の2つの7項目尺度に分かれる。・画像所見は一切用いない1

⭐ 回答段階は全14項目で共通の1つの尺度を使う。項目ごとに配点基準が異なるなどとは違い、尺度の意味を1回定義すれば、あとは項目名を置き換えるだけで済む構造である。

原版LCI(4段階配点)

点数 回答
0 不可能
1 介助者の助けがあれば可能
2 見守りがあれば可能
3 独力で可能

LCI-5(改訂版・5段階配点)

原版の最「独力で可能」を、補助具の要否で2段階に分割したものがLCI-5である2

点数 回答
0 不可能
1 介助者の助けがあれば可能
2 見守りがあれば可能
3 補助具を使って独力で可能
4 補助具なしで独力で可能

基本活動(日常的な屋内移動が中心)

項目 内容
1 椅子から立ち上がる
2 屋内を歩く
3 屋外の平坦な地面を歩く
4 手すりを使ってを上る
5 手すりを使ってを下りる
6 歩道の縁石を上る
7 歩道の縁石を下りる

基本活動尺度の満点は、原版で21点(7項目×3点)、LCI-5で28点(7項目×4点)である1

上級活動(床からの動作・不整地・二重課題が中心)

項目 内容
1 を装着し立位のまま床の物を拾い上げる
2 床から立ち上がる(転倒した場合など)
3 屋外の不整地(芝生・砂利・傾斜など)を歩く
4 悪天候(雪・雨・凍結路面など)の屋外を歩く
5 手すりなしで数段のを上る
6 手すりなしで数段のを下りる
7 物を持ちながら歩く

上級活動尺度の満点も、原版21点・LCI-5で28点である。合計点は原版で0〜42点、LCI-5で0〜56点となり、版によって満点が異なる13

解釈とカットオフ

点数が高いほどを用いた移動能力が高く、介助への依存度が低いことを意味する。統一された重症度は設定されておらず、経過を追う指標として使うのが基本である。

使い方 内容
経過追跡 訓練開始時・終了時・退院後で反復測定し、変化量を見る
目標設定 尺度・項目単位で「次に何ができるようになりたいか」を患者と共有する材料にする
リスクの目安 上級活動尺度が6点以下の患者は、退院後の年単位の経過でを使わなくなるリスクが高いという報告がある1

⭐ 上記「6点以下」は原版・LCI-5のどちらの配点かを明示していない二次的な言及であり、単独の閾値として機械的に運用するより、尺度得点が低い患者ほど注意深いを要するという方向性で読む。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 自己申告であり、実際の遂行能力を観察した結果ではない。 「できると思う」と「実際にできる」は乖離しうる。臨床家が動作を観察して採点するAMPとは評価の立場が逆であり、LCIの点数だけでや訓練終了の可否を単独で決めない。

⚠️ がある。 原版LCIは高機能な患者でが出やすく、これを軽減する目的でLCI-5が作られた。LCI-5でもは原版の半分程度に減るにとどまり、完全には解消しない2

⚠️ 原版とLCI-5を取り違えない。 満点が原版42点・LCI-5で56点と異なるため、経過を追う際は同一版を一貫して使う。回答段階の意味も、原版の「3=独力で可能」がLCI-5では「3=補助具ありで独力」「4=補助具なしで独力」に分かれており、単純に読み替えられない。

⚠️ を装着している患者が対象。 の装着に至っていない患者や、の適応そのものを判断する場面には使わない。対象はに限られ、上肢切断や他疾患による移動障害での使用は検証されていない。

⚠️ 後年のでは、LCI-5の回答段階のうち「介助者の助けがあれば可能」と「見守りがあれば可能」を1段階に統合し、適合の悪い4項目を除いた10項目版(LCI10-4)が提案されている4。臨床の現場で広く置き換わっているわけではないが、LCI-5自体も心理測定学的な検討が継続中の尺度であることを示しており、版の違いに敏感である必要がある。

⚠️ とは別の枠組みである。 AMPの点数はへの対応づけが確立しているのに対し、LCIは患者の自己申告尺度であり、の判定根拠として直接使う位置づけにはない。

まとめ

  • LCIは、を装着したが移動関連の14動作をどこまで行えるかを自己申告で採点する尺度で、基本活動・上級活動の2つの7項目尺度からなる。
  • 原版は0(不可能)〜3(独力で可能)の4段階配点で合計0〜42点、改訂版LCI-5は最段階を補助具の要否で2分割した0〜4の5段階配点で合計0〜56点であり、版によって満点が異なる
  • 点数が高いほどでの移動能力が高く介助依存が低い。統一はなく、経過追跡・目標設定に用いる。上級活動尺度が6点以下の患者はの非使用リスクが高いという報告がある。
  • 自己申告のため実際の遂行能力とは乖離しうる。臨床家が動作を観察して採点するAMP、米国の保険償還区分であるとは評価の立場・目的が異なり、LCIの点数だけでや訓練終了を単独で決めない。

出典

  1. 1.The Locomotor Capabilities Index; validity and reliability of the Swedish version in adults with lower limb amputation(Health and Quality of Life Outcomes・2009)原版LCI(4段階配点)を用いた妥当性・信頼性検証研究。14項目が0(不可能)〜3(独力で可能)の4段階で採点され、基本活動・上級活動の各下位尺度が0〜21点、合計0〜42点となることを本文で確認した閲覧 2026-08-02
  2. 2.Reliability, Validity, and Responsiveness of the Locomotor Capabilities Index in Adults With Lower-Limb Amputation Undergoing Prosthetic Training(Archives of Physical Medicine and Rehabilitation・2004)原版LCIの最上位段階を2段階に分割した5段階版LCI-5を考案し、原版と並行して検証した原著。LCI-5が原版より天井効果が低く、リハビリテーション期間中の効果量が大きいことをアブストラクトで確認した閲覧 2026-08-02
  3. 3.Rasch analysis of the Locomotor Capabilities Index-5 in people with lower limb amputation(Prosthetics and Orthotics International・2007)LCI-5にRasch分析を適用し、回答段階のうち「介助者が助ければ可能」と「見守りがあれば可能」の統合、および不適合4項目の除外により10項目版(LCI10-4)を提案したことをアブストラクトで確認した閲覧 2026-08-02
  4. 4.Toolbox of Outcome Measures, Version 2(British Association of Chartered Physiotherapists in Amputee Rehabilitation (BACPAR)・2014)LCI-5の質問紙原文(全14項目の文言、基本活動・上級活動の下位尺度構成、0〜4点の配点、下位尺度満点28点・合計満点56点)を実際の質問紙フォームとして掲載しており、項目構成と配点をここから直接確認した。原版LCIがProsthetic Profile of the Amputee質問紙の一部であること、上級活動下位尺度が6点以下の患者は退院後に義肢を使わなくなるリスクが報告されていることにも言及している(後者は同文書内の二次的な言及で、原典には未到達)閲覧 2026-08-02