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MOXFQ

Manchester-Oxford Foot Questionnaire

臓器系
運動器
科目
Traumatology and OrthopedicsInternal Medicine
トピック
外傷学 32:足関節捻挫の診察・治療と足関節骨折の合併症内科学 S-49:変形性関節症・関節症・線維筋痛症
適用疾患
変形性足関節症

🧠 全体像:MOXFQは、AOFAS後足部スコアのように診察者が採点するのではなく、患者自身が記入する足・疾患専用の尺度である。歩行・立位、疼痛、交流という3つのドメインを16項目で問い、各ドメインを0〜100点(高いほど重症)に変換する。手術のを測るために開発されたが、その後はの対の比較試験など、足・疾患全般のとして使われている1。

目的と適用場面

内容
目的 足・疾患(手術を含む)のを歩行・疼痛・交流の3側面から測定する
対象 矯正手術、に対する・など、足・の手術やその他の治療を受ける患者
使う場面 術前後のの比較、の2
評価しないもの 診察所見・画像所見(AOFAS後足部スコアのアライメント項目のような評価は含まない)

手術を対象に開発された「足専用版」と、それ以外の足・疾患向けの「足・版」の2バージョンがあり、に応じて使い分ける3。

構成要素と配点

16項目を3ドメインに分け、各項目を5段階Likert尺度(0〜4点、4が最も重症)で回答する3。

歩行・立位(7項目)

0点 1点 2点 3点 4点
制限なし 軽度の制限 中等度の制限 高度の制限 最大限の制限

疼痛(5項目)

0点 1点 2点 3点 4点
制限なし 軽度の制限 中等度の制限 高度の制限 最大限の制限

交流(4項目)

0点 1点 2点 3点 4点
制限なし 軽度の制限 中等度の制限 高度の制限 最大限の制限

各ドメインの粗点(歩行・立位0〜28、疼痛0〜20、交流0〜16)は、そのドメインの該当項目を合算したのち0〜100の指標に変換する(100が最も重症)3。3ドメインとも単一次元性を示し、内的も良好である1。

⭐ 交流ドメインは、外見上の見た目を気にする気持ちなど、足の疾患特有の心理社会的側面を含む点がAOFAS後足部スコアとの大きな違いである。

解釈とカットオフ

671例を対象とした因子分析では、3ドメインの背後に単一の共通因子があり分散の74.7%を説明したことから、3ドメインを合算した単一のが導出され、内的α=0.93、SF-36の疼痛・との相関r≥0.5(p<0.001)でも確認されている4。

💡 個別の3ドメイン得点とMOXFQ-Indexは、目的に応じて使い分ける。歩行・立位ドメイン単独がとして使われた例では、303例の対ので術後52週の変化量を群間比較している(補正後の群間差−5.6点、95%CI −12.5〜1.4で有意差なし)2。MOXFQ-Indexは3側面をまとめて1つの数値で追いたい場合や、統計的比較の回数を減らしての影響を抑えたい場合に用いる4。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 足専用版と足・版を混同しない。 手術のために開発された足専用版を、それ以外の疾患にそのまま流用すると項目のがずれる可能性がある3。

⚠️ 患者の自己申告のみに基づく尺度であり、AOFAS後足部スコアのような評価(アライメント、可動域、安定性)は含まれない。画像所見や診察所見の代わりにはならない。

⚠️ 各ドメインの粗点の上限(歩行・立位28、疼痛20、交流16)が異なるため、0〜100への変換前の粗点同士を単純に比較してはならない。

⚠️ 経時比較・群間比較を行うときは、個別ドメイン(例:歩行・立位ドメインのみ)とMOXFQ-Indexのどちらをにしているかを確認する。両者は同じから算出されるが意味が異なる。

まとめ

  • MOXFQは、歩行・立位(7項目)・疼痛(5項目)・交流(4項目)の16項目からなる尺度で、各ドメインを0〜100点(高いほど重症)に変換する。
  • 手術向けの足専用版と、それ以外の足・疾患向けの足・版がある。
  • 3ドメインを合算したMOXFQ-Indexが要約指標としてを確認されているが、個別ドメイン(特に歩行・立位)がとして単独で使われることもある。
  • 評価は含まれない患者報告尺度であり、AOFAS後足部スコアのような診察所見の代わりにはならない。

出典

  1. 1.A patient-based questionnaire to assess outcomes of foot surgery: validation in the context of surgery for hallux valgus(Quality of Life Research・2006)Europe PMC経由で抄録を閲覧した。既存の足の疼痛・障害質問票(Manchester Foot Pain and Disability Questionnaire)を母趾外反変形矯正手術のアウトカム指標として使えるよう改変する研究で、患者面談を経て20項目の候補版を作成し、100例(138件の手術)を対象にSF-36とAOFAS母趾臨床尺度に対する因子構造・次元性・内的信頼性・構成概念妥当性・反応性を解析した結果、最終的に「歩行・立位」(7項目)・「疼痛」(5項目)・「社会的交流」(4項目)の3ドメイン・計16項目からなるManchester-Oxford Foot Questionnaire(MOXFQ)に至ったこと、3ドメインとも良好な測定特性を持ち単一次元性を示したことを確認した。閲覧 2026-09-05
  2. 2.Total Ankle Replacement Versus Arthrodesis for End-Stage Ankle Osteoarthritis: A Randomized Controlled Trial(Annals of Internal Medicine・2022)英国の17施設で行われた多施設・並行群間・非盲検の無作為化比較試験で、50〜85歳の末期足関節変形性関節症患者303例を人工足関節置換術と足関節固定術に割り付けたこと、平均年齢68歳・71%が男性であったこと、主要評価項目である術後52週のMOXFQ歩行・立位ドメインの変化量が両群とも改善し、補正後の群間差が−5.6(95%CI −12.5〜1.4)で置換術が優ったものの臨床的にも統計学的にも有意とは判断されなかったこと、有害事象数が同等(109対104)である一方で置換術では創治癒の問題が多く固定術では血栓塞栓症と偽関節が多かったこと、固定術の症候性偽関節率が7%であったこと、事後解析では固定型ベアリングの置換術が固定術に優る可能性が示唆されたこと(−11.1、95%CI −19.3〜−2.9)、限界として52週までのデータであることと実用的試験ゆえのインプラント・術式の不均一性を挙げていることを確認した(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)閲覧 2026-09-02
  3. 3.The Manchester-Oxford Foot Questionnaire (MOxFQ)(Oxford University Innovation・2026)本質問票の権利を管理するOxford University Innovationの公式ページを閲覧した。回答形式が「制限なし」から「最大限の制限」までの5段階Likert尺度であること、各ドメインの粗点は該当項目の回答を合算して算出し、0〜100の指標に変換すること(100が最も重症)、母趾外反変形の臨床試験には足専用版、それ以外の足・足関節疾患には足・足関節版の使用が推奨されていることを確認した。閲覧 2026-09-05
  4. 4.The Manchester-Oxford Foot Questionnaire (MOXFQ): development and validation of a summary index score(Bone & Joint Research・2013)Europe PMC経由で抄録を閲覧した。足・足関節の手術前患者671例にMOXFQとSF-36を施行し、疼痛・歩行/立位・社会的交流の3ドメインのデータに高次因子分析をかけたところ単一因子が分散の74.7%を説明したこと、新たに導出した要約指標(MOXFQ-Index)が内的信頼性α=0.93で、SF-36の関連ドメイン(疼痛・機能)と少なくとも中等度の相関(r≥0.5、p<0.001)を示し妥当であったこと、この要約指標が統計的比較の回数を減らし偶然の影響を抑える利点を持つと結論していることを確認した。閲覧 2026-09-05