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SCORE2・SCORE2-OP

SCORE2 and SCORE2-OP

別名
SCORE2SCORE2-OP
臓器系
循環器
科目
Cardiology
トピック
循環器内科 A-03:心血管リスク因子と一次・二次予防
構成:検査値
脂質検査
適用疾患
アテローム性動脈硬化症

🧠 全体像は、による心血管疾患がまだない「見かけ上健康な人」を対象に、10年以内のを少数のだけから推計するツールである。従来のSCOREとの決定的な違いは、イベントだけでなくの心筋梗塞・脳卒中も含めた実際の疾病負荷を推計する点にある。もう一つの軸として、40〜69歳を対象とすると、70歳以上を対象とする別モデルに分かれ、年齢によって使う式もリスクの読み方()も変わる。地域ごとに心血管死亡率が大きく異なるため、4つのリスク領域にされた別々のチャートを使う設計になっている点も、単一の点数表で完結する他のスコアとは異なる。

目的と適用場面

SCORE2 SCORE2-OP
対象年齢 40〜69歳 70歳以上
推計する内容 10年間の心血管死・の複合リスク 同左(5年リスクも算出可能)

💡 の単純な延長ではなく、高齢者集団のデータから別途開発・検証されたモデルである1

内容
目的 対象者の心血管リスクを層別化し、介入・薬物療法の強度を決める
対象 確立した・糖尿病・重篤な併存症のない成人
使う場面 の初診時評価、治療強度の判断、数年おきの再評価
評価しないもの 既にリスクが確定している集団(既知ASCVD・糖尿病・CKD・)の個別リスク2

構成要素と配点

⭐ 加算式の点数表ではなく、年齢との作用を含むでリスクを算出する。手計算はせず、地域別のリスクチャートまたはの計算ツールを用いる。

反映する内容 リスクへの影響
年齢 曝露期間の長さ 高いほど増加。他の全との作用があり、同じ危険因子でも若年ほど相対的な影響が大きい
性別 同条件では男性の方が女性よりリスクが高い
喫煙 の促進 現喫煙者は非喫煙者よりリスクが高い
血管壁へのな負荷 高いほど増加
で算出) の総量。詳細は脂質検査を参照 高いほど増加3

⭐ 実際の使い方は2段階。まず居住地域(または出身地域)から低リスク・・高リスク・非常に高いリスクの4つののどれを使うかを選び、次にそのチャート内で性別・喫煙の有無・年齢帯の表を選び、が交わるセルを読む。地域分類はWHOの(人口10万対)に基づき、低リスク地域は100未満、地域は100〜150未満、高リスク地域は150〜300未満、非常に高いリスク地域は300以上で区切られている3

解釈とカットオフ

は年齢層で異なる。全年齢共通の一律の数値は無い。2

年齢層 低〜 高リスク 非常に高いリスク
50歳未満 2.5%未満 2.5〜7.5%未満 7.5%以上
50〜69歳( 5%未満 5〜10%未満 10%以上
70歳以上( 7.5%未満 7.5〜15%未満 15%以上

💡 年齢は本来連続的なであり、この3区分は境界で不連続にジャンプする。年齢区分の境目に近い患者(例:49歳と51歳)では、区分をまたいだ途端にリスクカテゴリが変わって見えることがあるため、常識的な柔軟性を持って適用する。

⚠️ 70歳以上では、で非常に高いリスクと判定されても、の新規導入はClass IIb(考慮してもよい)にとどまる。点数だけを根拠に一律で薬物療法を開始しない2

💡 点数がリスクカテゴリの境界に近い患者でも、禁煙だけで薬を使わずに低いカテゴリへ移れることがある。治療強化の前にな危険因子の是正を検討する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 既知の、糖尿病、などの遺伝性・稀な、妊婦には適用しない。 これらの集団は年齢・血圧・の値によらず既に高リスク〜非常に高いリスク相当として扱われ、/ではなくそれぞれの病態別の基準で管理する2

⚠️ 地域が前提。 4つのリスク領域はWHOの心血管死亡率に基づく欧州(および周辺国)のクラスタリングであり、日本を含む対象地域外の集団にそのまま当てはめる根拠は無い。国内で別途・検証された指標があれば、それを優先する。

⚠️ は別々に開発されたモデルであり、69歳と70歳で急に別の式に切り替わる。年齢区分の境目では機械的な適用ではなく臨床的な判断を加える。

⚠️ あくまでの対象者向けであり、既に心血管疾患を発症した患者のリスク評価には使わない。

まとめ

  • (40〜69歳)と(70歳以上)は、見かけ上健康な人のリスクを推計する別々のモデルである。
  • 従来のSCOREと異なり、イベントだけでなく非の心筋梗塞・脳卒中も含めた10年リスクを推計する。
  • は年齢・性別・喫煙・で、加算式ではなく年齢との作用を含むで算出する。
  • WHOの心血管死亡率に基づく4つのされており、居住地域に応じたチャートを選ぶ必要がある。
  • は年齢層(50歳未満/50〜69歳/70歳以上)ごとに異なり、一律の数値ではない。
  • 既知のASCVD・糖尿病・CKD・・妊婦には適用せず、これらは既に高リスクとして別枠で管理する。
  • 地域が前提のため、日本を含む非対象地域への機械的な当てはめには注意する。

出典

  1. 1.2021 ESC Guidelines on cardiovascular disease prevention in clinical practice(European Society of Cardiology・2021)SCORE2が40〜69歳、SCORE2-OPが70歳以上を対象に致死性・非致死性心血管イベントの10年リスクを推計すること、年齢層別のリスクカテゴリカットオフ(50歳未満は2.5%未満/2.5〜7.5%未満/7.5%以上、50〜69歳は5%未満/5〜10%未満/10%以上、70歳以上は7.5%未満/7.5〜15%未満/15%以上)、既知のASCVD・糖尿病・家族性高コレステロール血症等の遺伝性脂質異常・慢性腎臓病・妊婦には適用しないこと、年齢・性別・喫煙・収縮期血圧・非HDLコレステロールを入力変数としWHOの心血管死亡率に基づく4つの地域別リスク較正チャートを用いること、70歳以上では非常に高いリスクでも脂質低下薬導入の推奨度はClass IIbにとどまることを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.SCORE2 risk prediction algorithms: new models to estimate 10-year risk of cardiovascular disease in Europe(SCORE2 working group and ESC Cardiovascular risk collaboration (Eur Heart J)・2021)SCORE2が年齢・性別・喫煙・収縮期血圧・総コレステロールとHDLコレステロール(非HDLコレステロールとして統合)を予測変数とし、致死性心血管死のみを推計していた旧SCOREを置き換えて心筋梗塞・脳卒中の致死性・非致死性イベントを合わせた10年リスクを推計するモデルであること、既知の心血管疾患・糖尿病の既往がある人は開発コホートの対象外であること、4つの地域は年齢・性別標準化心血管死亡率(人口10万対で低リスク100未満・中リスク100〜150未満・高リスク150〜300未満・非常に高いリスク300以上)で分類されることを確認した。閲覧 2026-08-04
  3. 3.SCORE2-OP risk prediction algorithms: estimating incident cardiovascular event risk in older persons in four geographical risk regions(SCORE2-OP working group and ESC Cardiovascular risk collaboration (Eur Heart J)・2021)SCORE2-OPが70歳以上を対象に、心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の複合を主要評価項目として5年および10年リスクを推計する、SCORE2とは別に開発されたモデルであり、SCORE2と同じ4つの地域リスク較正の枠組みを用いること、既知の心血管疾患(冠動脈疾患・脳卒中・末梢動脈疾患)がある人は解析から除外されていることを確認した。閲覧 2026-08-04