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Symptoms · Published

羽ばたき振戦

Asterixis

臓器系
神経肝胆膵
科目
Neurology
トピック
神経学 G1-30:アルコール使用に伴う神経学的合併症
関連疾患
肝硬変

🧠 全体像:名称に「振戦」とあるが、は振戦ではない。姿勢を保っている筋への神経出力が一過性に途切れ、で手が落ち、また戻る——収縮の反復ではなく収縮の脱落であり、に分類される。この機序を押さえると所見の性質がそのまま説明できる。律動的でなく、左右も同期せず、姿勢を保たせなければ出ない。臨床上の意味はほぼ一つで、が起きているというである。分類上の位置づけは振戦を参照する。

誘発と観察

上肢を前方へ挙上させ、手関節をし手指を開いた姿勢を20〜30秒保たせる。不規則な間隔で手が落ちては戻る動きが出れば陽性である。⭐ 保持を続けさせることが要点で、数秒で切り上げると出現を捉えられない。舌の突出保持、保持、でも同じ現象を誘発でき、上肢が使えない患者で代用になる。

⚠️ 左右で明らかに差がある、あるいはだけに出るでは説明しにくい。対側の視床・・中脳の構造的病変を疑い、画像評価に進む。

原因

代表
肝性脳症 肝硬変の。消化管出血・感染・便秘・脱水・電解質異常・鎮静薬が誘因になる
高度腎不全
、過剰な酸素投与
薬剤 フェニトイン、バルプロ酸、カルバマゼピン、
その他の代謝異常 低血糖、

💡 原因群がすべて「びまん性に脳機能が抑えられる状態」で揃っている。だからを見たら、単一疾患を当てにいくのではなく、の乱れといった脳症の他の徴候と合わせて全体を評価する。

肝性脳症での位置づけ

の中等症(・傾眠が出る段階)で最も捉えやすく、意識が保たれた軽症では出にくく、昏睡まで進むと姿勢を保てないため消える。⭐ つまり重症度の途中でしか出ない所見であり、あるかないかを重症度の物差しに使えない。

⚠️ がないことは肝性脳症の否定にならない。同様に、アンモニア値だけで診断や重症度を決めない。診断は臨床像で行い、見つけたら誘因の検索へ直ちに進む。

まとめ

  • は振戦ではなく、姿勢保持筋の一過性脱力=である。
  • 非律動性で左右。手関節位を20〜30秒保たせて誘発する。
  • 原因は肝性脳症、、薬剤、低血糖・電解質異常。いずれもびまん性の脳機能抑制。
  • 性なら代謝性ではなく対側の構造的病変を疑う。
  • 肝性脳症では中等症で最も出やすく、軽症と昏睡では出ない。有無を重症度の指標にしない。