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Symptoms · Published

振戦

Tremor

臓器系
神経内分泌・代謝
科目
NeurologyNeuroanatomyInternal Medicine
トピック
神経内科 G1-28:パーキンソン病の診断神経解剖学 22:錐体外路系(大脳基底核との関連)内科学 L-29:甲状腺機能亢進症
関連疾患
アルコール使用障害ウィルソン病ジストニアセロトニン症候群パーキンソン病バセドウ病色素性乾皮症多発性硬化症中毒性腺腫中毒性多結節性甲状腺腫本態性振戦免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群
起因薬
アスパルトインスリンアセトヒドロキサム酸アミオダロンイソファン(NPH)インスリンイソプレナリンエピネフリンエフェドリングラルギンインスリングルリシンサルブタモールサルメテロールシクロスポリンAシナリジンシルタカブタゲン オートルユーセルタクロリムステオフィリンデグルデクインスリンデテミルインスリンテルブタリントラニルシプロミントリメタジジンバルプロ酸ハロペリドールフェノテロールブリナツモマブフルナリジンボツリヌス免疫グロブリン(ヒト)ホルモテロールミグルスタットメキシレチンリスプロインスリンリチウムレギュラーインスリンレボチロキシン

🧠 全体像:振戦は拮抗する筋がに収縮して生じる律動的な不である。振幅や部位から入ると分類がまとまらない。実務の入口はどの状況で出るか——安静にしているときか、姿勢を保つときか、目標に手を近づけるときか——の一点で、これがそのまま責任系(大脳基底核・生理的振戦の増強・小脳)に対応する。診察室でここを分けてしまえば、残るのは周波数・左右差・飲酒への反応・家族歴・で候補を絞る作業だけになる。

出現する状況で分ける

診察は3手技で足りる。膝の上に手を置かせて完全に支えた状態を見る、上肢を前方へ挙上して保持させる、をさせる。この順序がそのまま分類になる。

分類 誘発される状況 周波数 代表
に抗さず支えた肢で出る。動作開始で減る 4〜6 Hz パーキンソン病をはじめとする
上肢を前方へ挙上して保持させると出る。で増強しない 6〜12 Hz 、甲状腺機能亢進症、薬剤性、、不安・
目標に近づくほど振幅が増す。失調・を伴う 3〜5 Hz の病変

病歴と診察で絞る

の大半との大半は、次の2つの鑑別に集約される。

パーキンソン病の
出るとき 姿勢保持・動作時 安静時。動作を始めると軽減する
左右差 両側性でほぼ対称 片側から始まり、数年かけて対側へ及ぶ
周波数 6〜12 Hz 4〜6 Hz
部位 上肢に加え頭部・声にも及ぶ 上肢遠位が主。頭部はまれ
少量の飲酒 一時的に軽減する 変わらない
家族歴 あることが多い 通常ない
随伴所見 伴わない を伴う

⭐ 外来で最も効率のよい2問は「お酒を飲むと軽くなりますか」と「どちらの手から始まりましたか」である。表の他項目より鑑別力が高く、しかも短時間で聞ける。

⚠️ 振戦だけではと呼べない。 現行の診断枠組みではが必須で、そこへまたはが加わって初めてとなる。振戦を見た時点で診断を決めず、反復運動における速度・振幅のを必ず確認する。

⚠️ 40歳未満で発症した原因不明の振戦ではを除外する。 血清、24時間尿中、角膜のを確認する。治療可能な疾患を見落とさないための手順で、若年発症というだけで適応になる。

薬剤性・代謝性

を見たら、鑑別を広げる前にまずと甲状腺機能を確認する。中止・是正だけで消える群がここに集まっているためである。

代表 出方
β刺激薬・ など 生理的振戦の増強。細かく速い
・抗うつ薬 、バルプロ酸、SSRI、三環系 ではになる
抗精神病薬、 。左右対称のことが多い
内分泌・代謝 甲状腺機能亢進症、低血糖、 交感神経亢進による。発汗・頻脈・体重減少を伴う
離脱 アルコール、ベンゾジアゼピン 最終摂取から数時間〜48時間で出現し、自律神経症状を伴う

💡 甲状腺機能亢進症の振戦はβ遮断薬で速やかに軽くなる。原因治療の効果が出るまでの橋渡しになるだけでなく、振戦と頻脈の程度そのものが治療反応の目安として使える。

振戦と紛らわしいもの

⚠️ は振戦ではない。 姿勢を保つ筋の活動が一過性に途切れるであり、律動性がなく左右も同期しない。機序も原因も別なのでで扱う。名称に引かれてを振戦の鑑別へ混ぜない。

も律動性と誘発条件が振戦と違う。筋の不という用語群の整理は痙攣そのものの消失は麻痺が扱う。

まとめ

  • 振戦はまず出現する状況で分ける。安静時=大脳基底核、姿勢時=生理的振戦の増強と本態性、企図時=小脳系と対応し、3手技がそのまま分類になる。
  • とパーキンソン病は、飲酒での軽減と片側発症の2点で大半が分かれる。
  • 振戦だけではと言えない。の確認が必須である。
  • ではと甲状腺機能を先に確認する。中止・是正で消える群が多い。
  • 40歳未満発症の原因不明の振戦ではを除外する。
  • は振戦ではなくで、別に扱う。