生物物理学

生物物理学 · 18.05

フィックの第一法則

Fick’s first law

🧠 のは定常状態のを記述する。 JJは濃度勾配に比例し、DDを比例定数とする。

濃度勾配と流束

負号はが濃度勾配と反対向きであることを示す。Dが一定、一次元、定常状態なら、厚さLの膜を通るはおおよそD(c_1-c_2)/Lとなる。

フィックの第一法則を表す式

J=−DdcdxJ=-D\frac{dc}{dx}

JJは、DDは、dc/dxdc/dxは濃度勾配である。負号が高濃度から低濃度への向きを表す。

定常拡散の方向

負号は高濃度から低濃度へ流れることを示す。

flowchart TD
  A["濃度勾配 $dc/dx$"] --> B
  B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='thermal motion'>熱運動</span>する粒子数に偏り"] --> C
  C["高濃度側から低濃度側へ正味移動"] --> D
  D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='flux'>流束</span> $J=-D\,dc/dx$"] --> E
  E["面積を掛けて総輸送量へ"]

膜輸送への適用

密度というな量に、が表すと抵抗を組み込んだものがのである。と分配を透過係数へまとめれば、同じ考え方を膜を介するイオン輸送へ適用できる。

膜面積を掛ければ総輸送量を求められる。反応や結合が同時に起こる組織、Dが位置依存する媒質では、境界条件と生成消滅項を含めて扱う。

まとめ

物質・熱の輸送則は、勾配、輸送係数、ならびに連続体近似の適用範囲を分けて解釈する。12

  • 定常状態で一定の濃度勾配があるときのを記述する。JJは勾配に比例し、DDを比例定数とする。
  • 負号は高濃度から低濃度へ流れることを示す。
  • 膜面積を掛ければ総輸送量を求められる。

出典

  1. 1.Revised Formulation of Fick's, Fourier's, and Newton's Laws for Spatially Varying Linear Transport Coefficients(ACS Omega・2019)拡散・熱伝導・粘性流の線形輸送則と、輸送係数が空間変化する場合の注意閲覧 2026-08-21
  2. 2.The Stokes-Einstein-Sutherland Equation at the Nanoscale Revisited(Small・2024)拡散係数、粒子径、粘性、温度を結ぶStokes–Einstein関係と適用限界閲覧 2026-08-21