生物物理学

生物物理学 · 24.11

モータータンパク質の連続運動性(processivity)・力・移動距離(working distance)

Processivity, force range, working distance of motor proteins

🧠 の機能は、1歩の大きさだけでなく、解離までに何歩進むか・どの負荷まで動けるかで定量する。

運動を表す三つの尺度

尺度 定義 典型的な単位
1回の化学力学周期で進む距離 nm
線維から解離するまでの歩数・距離 steps、nm〜µm
平均速度が0になる逆向き負荷 pN

1ステップで行う力学的仕事は W=FdW=Fd で見積もれる。これは単分子力学と同じpN・nmの尺度であり、1 pN nm=10−21 J1\ \mathrm{pN,nm}=10^{-21}\ \mathrm J である。

連続運動性を決める要因

は、1周期のうちモーターが線維へ強く結合している時間の割合である。二量体では両頭部のATPase周期が機械的・化学的にゲートされ、少なくとも一方が結合した状態を保ちやすい。1 2

flowchart TD
  A["一方の頭部が微小管へ結合"] --> B["ATP依存的に他方の頭部が前進"]
  B --> C["前方の頭部が結合"]
  C --> D["後方の頭部が解離"]
  D --> A

一方、筋ミオシンIIは低いをもち、1分子では解離しやすい。多数の分子が並列に働くことで、常に一部がアクチンへ結合して張力を維持する。これはモーターの種類に応じた機能設計であり、低いは機能不全ではない。

負荷と運動速度

逆向き負荷が増えると一般に前進確率と速度は低下し、で平均速度が0になる。さらに大きな負荷ではが起こりうるが、曲線形状とはモーター種、ヌクレオチド条件、負荷方向で異なる。この負荷依存性は、筋全体の力–速度関係へ階層的につながる。

まとめ

  • ・・は、分子モーターの異なる性能を表す。
  • 高いには、と複数頭部の協調が重要である。
  • 筋ミオシンIIは多数分子の協働に適した低モーターである。

出典

  1. 1.Kinesin's processivity results from mechanical and chemical coordination between the ATP hydrolysis cycles of the two motor domains(Proceedings of the National Academy of Sciences・1999)キネシン二頭部の化学力学的協調による高い連続運動性閲覧 2026-08-21
  2. 2.Kinesin processivity is gated by phosphate release(Proceedings of the National Academy of Sciences・2014)リン酸放出がキネシンの解離と連続運動性を制御すること閲覧 2026-08-21