生物物理学

生物物理学 · 24.12

骨格筋ミオシン(myosin)のクロスブリッジ周期(cross-bridge cycle)

Cross-bridge cycle of skeletal-muscle myosin

応用トピック
死後早期の変化

🧠 は、Ca²⁺で許可されたアクチン–ミオシン相互作用を、ATPの結合・加水分解・生成物放出によって一方向の力発生へ変える。

Ca²⁺による収縮の許可

静止時にはがアクチン上のミオシン結合部位を覆う。Ca²⁺が(troponin C)へ結合するとが移動し、が結合できるようになる。この調節は周期を駆動するATPとは別の段階である。

ATPase周期と力発生

flowchart TD
  A["ATP結合<br>ミオシンがアクチンから解離"] --> B["ATP加水分解<br>頭部が起き上がる"]
  B --> C["ミオシン–ADP–Piがアクチンへ弱く結合"]
  C --> D["Pi放出<br>強結合と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='power stroke'>パワーストローク</span>"]
  D --> E["ADP放出<br>硬直状態"]
  E --> A

はレバーアームのでアクチンへ力を及ぼす段階である。古典図ではPi放出と結び付けるが、力発生とPi放出の厳密な時間順序や複数の機械過程には議論が残る。ATPのはミオシンの分子構造を介して力学仕事へ結合される。1 2

ATP+H2O→ADP+Pi,ΔG<0\mathrm{ATP}+H_2O\rightarrow \mathrm{ADP}+P_i,\qquad \Delta G<0

ここで負の ΔG\Delta G の一部が力学仕事へ変換され、残りは熱としてする。

ATP欠乏と硬直

ATP結合はアクトミオシンを解離させるために必要である。ATPが枯渇すると強結合状態から抜けられず、が生じる。「ATPが収縮を起こす」だけでなく、「ATPが解離を可能にする」点が重要である。

多数の周期がどう筋節短縮になるかは、細胞内Ca²⁺が残る効果はとにつながる。

まとめ

  • Ca²⁺はアクチン上の結合部位を露出させ、収縮を許可する。
  • が力を発生し、ATP結合がミオシンを解離させる。Pi放出との厳密な順序は単純化に注意する。
  • ATP欠乏では強結合状態が続き、が起こる。

出典

  1. 1.Regulation of contraction in striated muscle(Physiological Reviews・2000)Ca²⁺–トロポニン–トロポミオシンによる横紋筋収縮調節閲覧 2026-08-21
  2. 2.Blebbistatin Effects Expose Hidden Secrets in the Force-Generating Cycle of Actin and Myosin(Biophysical Journal・2018)アクトミオシン周期でPi放出と力発生の順序が単純な一段階でないこと閲覧 2026-08-21