生物物理学

生物物理学 · 25.05

医療における質量分析:プロテオミクス(proteomics)・診断・iKnife

Mass spectrometry in medicine — proteomics, diagnostics, iKnife

検査値
アシルカルニチン分析

🧠 医療におけるは、分子の m/zm/z とパターンを、タンパク質同定・代謝疾患スクリーニング・術中組織判別へ変換する分析系である。

プロテオミクス

では、タンパク質をペプチドへ消化し、質量との断片スペクトルをデータベースと照合して同定する。ピーク強度や標識、内部標準を用いれば相対・絶対定量もできるが、前処理、欠測、同定誤り率、バッチ効果の管理が必要である。1

この解析の前段ではESIまたはMALDIで分子をし、TOFなどの器で分離する。

診断・スクリーニングへの応用

では、MS/MSによりアミノ酸やを一斉測定し、代謝異常の候補を抽出する。臨床微生物検査ではによるスペクトルパターンを参照データベースと比較し、培養した微生物の同定を補助できる。

応用 主な入力 出力と役割
組織・体液由来ペプチド タンパク質の同定・定量
代謝異常の候補抽出
微生物同定 培養コロニー 参照スペクトルとの類似度
iKnife 煙 術中組織の化学プロファイル

iKnifeによる術中判別

iKnifeは、で生じるをリアルタイムにし、主にを学習済み参照データと比較する。切離中の組織分類を迅速に支援する技術であり、を単独で置き換えるものではない。2

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='electrosurgery'>電気手術</span>で組織<span class='jp-term jp-term-diagram' title='aerosol'>エアロゾル</span>発生"] --> B["吸引して<span class='jp-term jp-term-diagram' title='ionization'>イオン化</span>"]
  B --> C["質量スペクトルを取得"]
  C --> D["検証済み参照データと比較"]
  D --> E["術中の組織判別を支援"]

臨床解釈と品質管理

スペクトル一致だけで診断は確定しない。・前処理、内部標準、装置、データベースの代表性、判定閾値、偽陽性・偽陰性を含む分析系全体の検証が必要である。

まとめ

  • MS/MSの断片スペクトルは、タンパク質や代謝物の同定・定量に使われる。
  • 、微生物同定、iKnifeは入力試料と判定目的が異なる。
  • 臨床利用には前処理・・参照データ・判定性能を含むが不可欠である。

出典

  1. 1.Mass-spectrometry-based proteomics: from single cells to clinical applications(Nature・2025)質量分析プロテオミクスの同定・定量と臨床応用への展開閲覧 2026-08-21
  2. 2.Intraoperative tissue identification using rapid evaporative ionization mass spectrometry(Science Translational Medicine・2013)REIMSによる電気手術煙の質量スペクトルからの術中組織分類閲覧 2026-08-21