Biophysics

Biophysics · 06.08

Boltzmann分布の応用I:Nernstの式

Applications of the Boltzmann-distribution I. : Nernst equation

🧠 は、膜を挟むが1種類のイオンについて釣り合うを与える。

濃度差と電位差の釣り合い

濃度勾配はイオンを高濃度側から低濃度側へ拡散させ、膜を隔てたはイオンの電荷に応じて逆向きまたは同じ向きに力を加える。両者が釣り合い、が膜の両側で等しくなるとは0になる。

flowchart TD
  A["濃度勾配が拡散を駆動"]
  B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='charge separation'>電荷分離</span>で電位勾配形成"]
  C["両者が釣り合い<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Nernst'>ネルンスト</span>電位(Nernst potential)"]
  A --> B
  B --> C

Nernstの式

Eion=RTzFln ⁣([ion]out[ion]in)E_{\mathrm{ion}}=\frac{RT}{zF}\ln\!\left(\frac{[\mathrm{ion}]_{\mathrm{out}}}{[\mathrm{ion}]_{\mathrm{in}}}\right)

zzは価数、FFはFaraday定数。濃度の内外と符号を一貫させる。

単一イオン平衡電位の解釈

をまとめたが膜の両側で等しいとが0になる。濃度比の対数項はBoltzmann分布から導かれる。

  • ではz<0z<0
  • 絶対温度TTが上がると、同じ濃度比に対するの絶対値は大きくなる。
  • 式は対象イオンが膜を透過でき、活量を濃度で近似できる平衡状態を仮定する。
  • Nernst電位は単一イオンのであり、複数イオンが関与する実際の膜電位とは一般に一致しない。

生体・医学での解釈

K⁺、Na⁺、Cl⁻それぞれのを求め、がどのイオンのへ近いかを透過性と対応させる基礎になる。

まとめ

  • の式は、膜を挟むが1種類のイオンについて釣り合うを与える。
  • 濃度比の向きと価数zzが電位の符号を決め、では符号が反転する。
  • 単一イオンのと、複数イオンから決まる実際の膜電位を区別する。