組織病理学

組織病理学 · H1-057

肉芽組織

Granulation tissue (HE)

🧠 全体像:は創傷治癒のに形成される、、線維芽細胞、疎な、炎症細胞からなる組織である。肉芽腫とは別の概念で、やがての多い瘢痕へ成熟する。

創傷治癒の流れ

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='tissue injury'>組織損傷</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='blood clot'>血餅</span>形成"] --> B["好中球による初期清掃"]
    B --> C["マクロファージが壊死物を除去し<span class='jp-term jp-term-diagram' title='growth factor'>増殖因子</span>を放出"]
    C --> D["血管新生"]
    C --> E["線維芽細胞の遊走・増殖"]
    D --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Granulation tissue'>肉芽組織</span>"]
    E --> F
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='extracellular matrix'>細胞外基質</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='collagen fiber'>膠原線維</span>の沈着"]
    G --> H["血管密度と細胞数が低下"]
    H --> I["成熟瘢痕"]

再上皮化

創傷辺縁の上皮細胞は、との表面を移動して薄い上皮層を作り、その後に増殖・分化して被覆を回復する1。狭い切開創では両側のから速やかに連続するが、が大きい創ではと創収縮への依存が大きくなる。初期の反応は、壊死物除去と修復を調節するマクロファージ優位へ移行する2。

HE標本の要点

所見 読み方
腫大した内皮細胞で囲まれる薄壁血管
線維芽細胞 血管間に並ぶ
疎な浮腫性基質 初期の軟らかい
マクロファージ 壊死物除去と修復調節を担う
時間とともに増え、瘢痕が強固になる

肉芽組織と肉芽腫

項目 肉芽腫
主な役割 持続性刺激の隔離
主細胞 内皮細胞、線維芽細胞、マクロファージ 、巨細胞、リンパ球
代表的状況 創傷治癒 結核、、

治癒時期は創の大きさ、感染、血流、などで変わるため3、「第2週」「1か月」をな境界とはしない。

まとめ

  • は血管新生と線維芽細胞増殖が目立つ修復組織である。
  • 上皮の移動・増殖によると、・が並行して進む。
  • 成熟とともに血管・細胞が減り、主体の瘢痕になる。

出典

  1. 1.Wound Healing: A Cellular Perspective(Physiological Reviews・2019)創傷治癒は止血・炎症・増殖(growth)・再上皮化・リモデリングという相を、複数の細胞種が空間的・時間的に同期して進める過程である。皮膚には非損傷時には単能性だが損傷後に多能性となる幹細胞の亜集団が存在し、力学的環境・酸素濃度・ケモカイン・細胞外基質・増殖因子の変化が治癒の進行を左右する閲覧 2026-08-24
  2. 2.Inflammation and wound healing: the role of the macrophage(Expert Reviews in Molecular Medicine・2011)マクロファージは創傷における主要な炎症細胞で、生体防御、炎症の促進と収束、アポトーシス細胞の除去、細胞増殖と組織再建の支持を担う。治癒創内では複数の表現型をとり、各段階への影響は表現型で異なる。条件によっては過剰な炎症や線維化を招き、機能異常は難治性創の病態の一部をなす閲覧 2026-08-24
  3. 3.Factors affecting wound healing(Journal of Dental Research・2010)創傷治癒は止血・炎症・増殖・リモデリングの4相が正しい順序と時間幅で進む必要があり、酸素供給、感染、年齢と性ホルモン、ストレス、糖尿病、肥満、薬剤、アルコール、栄養状態などがどれかの相を妨げると治癒が遅延・障害されるため、治癒の時間経過は一律ではない閲覧 2026-08-24