組織病理学

組織病理学 · H1-058

肺サルコイドーシス

Sarcoidosis (HE) - LUNG

描出疾患
サルコイドーシス

🧠 全体像:(sarcoidosis)は原因不明の全身性で、肺ではリンパ路に沿って境界明瞭な非性を形成する。組織像は重要だが、感染症やを除外して診断する1。

分布と構成

項目 所見
分布 周囲、、などリンパ路沿い
肉芽腫 が密に集まり、周囲リンパ球が比較的少ない
巨細胞 を伴う
壊死 通常は目立つを欠く
、を含むことがある

とはに特異的ではなく、認めなくても除外できない2。

💡 少量の壊死は否定材料にならない。 の肉芽腫もごく少量の壊死を示すことがあり、それを超える壊死があれば感染など非サルコイド病因を強く疑う、という強弱の問題である3。

診断の考え方

flowchart TD
    A["非<span class='jp-term jp-term-diagram' title='caseating necrotizing granuloma'>乾酪壊死性肉芽腫</span>"] --> B["臨床・画像分布が整合"]
    B --> C["抗酸菌・真菌など感染症を検索"]
    C --> D["曝露歴と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='polarized light'>偏光</span>観察などで異物を検索"]
    D --> E["薬剤・免疫不全関連病変を検討"]
    E --> F["他原因を除外して<span class='jp-term jp-term-diagram' title='sarcoidosis'>サルコイドーシス</span>を支持"]

鑑別

疾患 鑑別点
結核 、抗酸菌検査、培養・核酸検査
真菌症 、抗原検査、培養
気道中心性の疎な肉芽腫と間質性炎症
異物を中心とする

💡 まず感染を外す。 肺で遭遇する肉芽腫の大半は抗酸菌または真菌感染によるもので、の主な原因は、()、、hot tub lung、、タルク肉芽腫症である4。

まとめ

  • 肺はリンパ路沿いの非が典型である。
  • 「裸の肉芽腫」と呼ばれるほど周囲リンパ球が少ないことがある。
  • 組織像だけで確定せず、感染症とを除外する。肉芽腫それ自体は非特異的で、精査を尽くしても分類不能のまま残る肉芽腫が相当数ある3。

出典

  1. 1.Diagnosis and Detection of Sarcoidosis: An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline(American Thoracic Society・2020)サルコイドーシスの診断は標準化されておらず、(1)矛盾しない臨床像、(2)1つ以上の組織標本での非壊死性肉芽腫性炎症、(3)他の肉芽腫性疾患の除外、という3つの主要基準に基づく。各基準を満たしたかを判定する普遍的な指標は無いため、サルコイドーシスの診断は決して完全には確実にならない閲覧 2026-08-24
  2. 2.Asteroid bodies and calcium oxalate crystals: two infrequent findings in fine-needle aspirates of parotid sarcoidosis(Diagnostic Cytopathology・1992)耳下腺サルコイドーシス3例の穿刺吸引細胞診で、1例に多核巨細胞内の星状体、1例にシュウ酸カルシウム結晶を認めた。これらはサルコイドーシスに病因特異的(pathognomonic)ではなく、シュウ酸カルシウム結晶を伴う肉芽腫は異物肉芽腫と鑑別を要する。大半の症例でサルコイドーシスの診断は除外によってなされる閲覧 2026-08-24
  3. 3.Pathology of sarcoidosis(Seminars in Respiratory and Critical Care Medicine・2007)サルコイドーシスの肉芽腫は非特異的病変であり、原因物質が同定されない限りそれ自体ではサルコイドーシスとも他のいかなる特定疾患とも診断できない。除外すべきは抗酸菌・真菌・寄生虫感染、慢性ベリリウム症などの塵肺、過敏性肺炎、Wegener肉芽腫症で、精査後も相当数の肉芽腫が分類不能のまま残る。サルコイドーシスの肉芽腫はごく少量の巣状壊死を示すことがあるが、それを超える壊死があれば感染など非サルコイド病因を強く疑う閲覧 2026-08-24
  4. 4.Granulomatous lung disease: an approach to the differential diagnosis(Archives of Pathology & Laboratory Medicine・2010)肺で見られる肉芽腫の大半は抗酸菌または真菌感染によるもので、診断には組織反応の型と特殊染色による微生物形態の判定が要る。非感染性の主な原因はサルコイドーシス、Wegener肉芽腫症、過敏性肺炎、hot tub lung、誤嚥性肺炎、タルク肉芽腫症である閲覧 2026-08-24