組織病理学

組織病理学 · H1-060

鼻茸

Polypus nasi (HE)

描出疾患
慢性副鼻腔炎

🧠 全体像:は、を背景に粘膜が浮腫性に突出した非腫瘍性病変である。疎で浮腫性の間質、炎症細胞、粘液腺・血管、を確認する。

組織像

構造 所見
表面 。刺激でびらんやを伴いうる
間質 疎で著明な浮腫、は少ない
炎症細胞 好酸球、リンパ球、形質細胞など
腺 粘液腺の増生・拡張と粘液貯留
血管 薄壁毛細血管が散在
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chronic rhinosinusitis'>慢性鼻副鼻腔炎</span>"] --> B["粘膜の持続性炎症"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='increased vascular permeability'>血管透過性亢進</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='interstitial edema'>間質浮腫</span>"]
    B --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='inflammatory cell infiltration'>炎症細胞浸潤</span>"]
    B --> E["粘液腺増生・粘液貯留"]
    C --> F["粘膜がポリープ状に突出"]
    D --> F
    E --> F

病型の幅

背景 傾向
・アレルギー関連 好酸球が目立ちやすい
非・感染関連 となることがある1
と喘息を伴い、再発しやすい2

のすべてを単純なアレルギー反応とみなさない。片側性、、破壊性の病変では腫瘍性病変を除外する。EPOS2020はをまず一次性と二次性に分け、そのうえで解剖学的な広がりから限局性(多くは片側性)とびまん性(多くは両側性)に区分する枠組みを採っており、片側性かどうかは分類の入口にあたる3。

💡 「=好酸球性」は人種・地域で崩れる。 ベルギー人の26例は(好酸球カチオン性蛋白/比が2超)だったのに対し、華南の29例は好中球性に偏っていた(同比0.25)。症状・・内視鏡所見は同等でも、組織の炎症型はこれだけ違う1。のは喘息患者で7.15%、重症喘息で14.89%、例で9.69%と報告されている2。

まとめ

  • は慢性炎症に伴う非腫瘍性の浮腫性粘膜突出である。
  • 浮腫性間質、好酸球などの炎症細胞、腺増生、粘液を読む。
  • 炎症型は一様ではなく、でない症例もある。

出典

  1. 1.Different types of T-effector cells orchestrate mucosal inflammation in chronic sinus disease(Journal of Allergy and Clinical Immunology・2008)鼻茸を伴う慢性鼻副鼻腔炎の好酸球優位は白人(ベルギー人)では見られるがアジア人(華南)では見られない。ベルギー人鼻茸26例の組織は好酸球性炎症(好酸球カチオン性蛋白/ミエロペルオキシダーゼ比が2超)を示したのに対し、華南の鼻茸29例は好中球性炎症に偏っていた(同比0.25)。症状・CT・鼻内視鏡所見は両群で同等だったが、喘息合併は白人で有意に高かった閲覧 2026-08-24
  2. 2.Prevalence of aspirin-exacerbated respiratory disease among asthmatic patients: A meta-analysis of the literature(Journal of Allergy and Clinical Immunology・2015)アスピリン増悪呼吸器疾患は成人発症喘息、鼻茸、慢性鼻副鼻腔炎、アスピリン過敏で構成される。27研究のメタ解析で、喘息患者全体における有病率は7.15%(95%CI 5.26〜9.03%)、重症喘息では14.89%(6.48〜23.29%)、鼻茸例では9.69%(2.16〜17.22%)、慢性鼻副鼻腔炎例では8.7%(-1.02〜18.34%)であった閲覧 2026-08-24
  3. 3.European Position Paper on Rhinosinusitis and Nasal Polyps 2020(Rhinology・2020)EPOS2020はEPOS2012の改訂版で、慢性鼻副鼻腔炎を一次性(primary)と二次性(secondary)に分け、さらに解剖学的な広がりから限局性(localized)とびまん性(diffuse)に区分する新しい分類を提唱した。アスピリン増悪呼吸器疾患、アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎、免疫不全、嚢胞性線維症、上気道と下気道の関係に独立した章を置いている閲覧 2026-08-24