組織病理学

組織病理学 · H2-007B

反応性濾胞過形成の組織像

HEMATOLOGY 2 HISTOLOGY SLIDES

🧠 全体像:では、抗原刺激を受けたリンパ節に多数の二次濾胞が形成される。内の、、と、その外側の・を位置関係で理解する。

リンパ節内の配置

区域 主な細胞・構造
暗調部 増殖する
明調部 選択を受ける、
全体 高い分裂活性、核物貪食マクロファージ
小型のB細胞
主にT細胞
門・被膜 血管・リンパ管の出入口と
flowchart TD
    A["リンパ節構築を低倍率で確認"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='anisocytosis'>大小不同</span>の二次濾胞"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='germinal center'>胚中心</span>の極性"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Centroblasts'>中心芽細胞</span>と<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Centrocytes'>中心細胞</span>"]
    C --> E["核<span class='jp-term jp-term-diagram' title='fragmentation'>破砕</span>物貪食マクロファージ"]
    B --> F["保たれた<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mantle zone'>マントル帯</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='reactive follicular hyperplasia'>反応性濾胞過形成</span>を支持"]

診断上の注意

  • 分裂像が多くても、では生理的な高増殖を反映しうる1。
  • 核物貪食マクロファージは貪食したにより「」を作る。
  • のB細胞は通常BCL2陰性で、は高値かつ極性を示す。や内T細胞のBCL2陽性を、の陽性と誤認しない2。
  • 形態が非典型なら、、遺伝学的検査を追加する3。

💡 の「向き」は直感と逆である。 各症例で最も増殖の低い濾胞をMIB-1()で測ると、反応性では30.5〜86.8%(平均64.9%)と高く、では0.5〜59%(平均15.6%)で80%超が25%未満だった。濾胞が高増殖であることはむしろ反応性を支持する。ただし逆は成り立たず、低いはリンパ腫を示唆するが、高いはリンパ腫を除外しない1。

⚠️ 分子検査の陰性は除外にならない。 同じ検討でによるの検出率はbcl-2座位32%、IgH座位44%、いずれか61%にとどまった。免疫染色が判断に迷うとき分子検査は確定側には効くが、陰性でリンパ腫を否定しない1。

詳細な比較は で確認する。

まとめ

  • 、、の区画を保つことが反応性を支持する。
  • ・極性・核物貪食マクロファージが重要である。
  • 高い分裂活性だけで悪性リンパ腫と判断しない1。

出典

  1. 1.A comparative study of the value of immunohistochemistry and the polymerase chain reaction in the diagnosis of follicular lymphoma(Histopathology・1995)濾胞性リンパ腫41例と反応性リンパ節15例・扁桃5例の比較で、各症例の最も増殖の低い濾胞をMIB-1で測ると反応性では30.5〜86.8%(平均64.9%)だったのに対しリンパ腫では0.5〜59%(平均15.6%)で80%超が25%未満だったこと、反応性の濾胞中心細胞はすべてbcl-2蛋白陰性かつκ/λポリタイプであったこと、bcl-2蛋白が濾胞性リンパ腫の濾胞中心細胞の97%で陽性・モノクローナルな軽鎖が83%で検出されたこと、PCRによるbcl-2座位/IgH座位の遺伝子再構成検出はそれぞれ32%・44%(いずれか61%)にとどまり陰性でも診断を除外できないこと、低い増殖分画はリンパ腫を示唆するが高い増殖分画はリンパ腫を除外しないことを確認した閲覧 2026-08-24
  2. 2.Bcl-2 oncoprotein is widespread in lymphoid tissue and lymphomas but its differential expression in benign versus malignant follicles and monocytoid B-cell proliferations is of diagnostic value(APMIS・1995)反応性リンパ組織ではBcl-2免疫染色の陽性が広範に分布し、胚中心の周囲(マントル帯)・胚中心内に散在する細胞・T細胞領域全般が陽性となる一方、明確に陰性となるのは胚中心細胞の大多数であり、この陰性パターンは強い(florid)過形成でも保たれること、対照的に濾胞性リンパ腫細胞は一貫してBcl-2陽性であることを確認した閲覧 2026-08-24
  3. 3.Benign lymphadenopathies(Modern Pathology・2013)良性リンパ節腫大は悪性リンパ腫と紛らわしいことが多く、反応性濾胞過形成の大半は診断が容易だが一部は濾胞性リンパ腫と紛れること、両者の区別には形態・免疫組織化学(とくにbcl-2染色の評価)・分子所見が有用で難しい症例ではB細胞クローン性やt(14;18)の分子学的証明が助けになること、傍皮質・濾胞間の反応性過形成(EBV伝染性単核症など)もホジキンリンパ腫・T細胞リンパ腫と紛れうること、広範な壊死を伴うリンパ節(菊池病など)も非ホジキンリンパ腫と紛れうることを確認した閲覧 2026-08-24