Histopathology

Histopathology · H1-016

肺結核の乾酪壊死(肉眼標本)

Caseatio tuberculosa lympholandulae

描出疾患
結核
疾患
肺膿瘍

🧠 全体像:結核性の肉眼像は、肺実質内の黄白色から灰白色の「チーズ様」壊死である。標本では、多発する白色結節と大きな壊死巣を探し、石灰化やへ進む時間軸を考える。

標本の要点

項目 所見
臓器
標本 固定された肺の肉眼標本
病変 結核性
黄白色から灰白色
多発結節または融合性の病変
転帰 線維化、石灰化、融解・排出による

発症機序

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Mycobacterium tuberculosis'>結核菌</span>感染"] --> B["Th1細胞と活性化マクロファージによる<span class='jp-term jp-term-diagram' title='granuloma formation'>肉芽腫形成</span>"]
    B --> C["中心部に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='caseous necrosis'>乾酪壊死</span>"]
    C --> D["壊死物質が残存"]
    D --> E["線維化・石灰化"]
    C --> F["気道へ壊死物質が排出"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='cavitation'>空洞形成</span>"]

は細胞輪郭を失った壊死で、肉眼的に乾いたチーズ様に見える。周囲の腫は感染を局所化するが、生存菌を完全に排除するとは限らない。

肉眼標本の読み方

1.肺であることを確認する

気管支との肺実質を確認し、が気道・内でどのように分布するかを見る。

2.壊死巣を探す

  • 小型の灰白色結節が散在する。
  • 一部は融合して、より大きな黄白色壊死巣を作る。
  • 硬い白色部は、古い病変の線維化・を反映しうる。

3.空洞化の有無を見る

壊死物質が気管支へ排出されると空洞を形成する。空洞は菌を気道内へ排出しやすくし、感染伝播と気管支播種に関係する。

⚠️ 肉眼像やだけで結核を確定しない。真菌感染なども類似する壊死性腫を形成するため、組織像、抗酸菌検査、、培養を組み合わせる。

組織像との対応

肉眼像 組織像
黄白色壊死 無構造・細
壊死巣の縁
周囲の灰白色硬化 線維化
硬い白色粒

リンパ節における組織学的な壊死性腫は H1-013: で確認する。

鑑別

鑑別点
類似する結節・空洞を形成し、や培養で菌体を確認する
膿性内容とが主体で、が強い
原発性肺癌 不整な腫瘤を形成しうるが、組織学的な腫瘍細胞を認める
結節 硬いが主体で、典型的なを欠く

まとめ

  • 肺結核は、黄白色から灰白色の結節・融合性病変として見える。
  • 古い病変は線維化・石灰化し、壊死物質が排出されると空洞を形成する。
  • 肉眼標本では気管支との位置関係と病変分布も確認する。
  • は結核に特異的ではなく、微生物学的検査で確定する。