Histopathology

Histopathology · H2-010

慢性リンパ性白血病(MGG染色、末梢血)

CLL (MGG) – BLOOD SMEAR

描出疾患
慢性リンパ性白血病

🧠 全体像リンパ腫(chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma:CLL/SLL)は、CD5・CD23をする小型成熟B細胞の同一腫瘍である。末梢血に特徴的クローン性B細胞が5 × 10⁹/L以上、3か月以上持続すればCLL、主にリンパ節・脾などを侵し末梢血が基準未満ならSLLと呼ぶ。

末梢血塗抹の所見

細胞・所見 形態
CL 小型、細胞質に乏しい、円形核、粗く凝集したクロマチン
核小体 通常は目立たない
塗抹時に脆弱な腫瘍細胞が壊れた裸核状物
前リンパ球 より大型で明瞭な核小体をもち、少数混在しうる
好中球 大きさ・染色性を比較する内部の目安

はCLLで目立つが特異的ではない。形態に加え、絶対B細胞数とで確認する。

CLLとSLL

flowchart TD
    A["同じクローン性小型B細胞腫瘍"] --> B["末梢血B細胞を評価"]
    B --> C["5 × 10⁹/L以上"]
    C --> D["3か月以上持続:CLL"]
    B --> E["5 × 10⁹/L未満"]
    E --> F["リンパ節・脾などの組織病変あり"]
    F --> G["SLL"]
    E --> H["組織病変なし"]
    H --> I["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='monoclonal B-cell lymphocytosis'>単クローン性B細胞リンパ球増加症</span>を検討"]

CLLとSLLは別々の癌ではなく、病変分布の異なる同一疾患である。SLLのリンパ節では小型リンパ球が構築を置換し、より明るい(proliferation center)が散在する。

免疫表現型

マーカー 典型的所見
CD19 陽性
CD20 弱陽性
CD5 異常
CD23 陽性または可変
・軽鎖 弱い単クローン性
LEF1 陽性となることが多い
cyclin D1・SOX11 通常陰性

CD5陽性B細胞腫瘍ではも鑑別する。cyclin D1、SOX11、CCND1 再構成などを用い、CD5だけでCLLと断定しない。

病態と臨床像

CLL/SLLは主に高齢者に生じ、診断年齢の中央値は60歳より高い。若年成人にも起こりうるため、年齢だけで除外しない。

BCL2を含むの亢進は腫瘍細胞の蓄積に関与するが、CLLを単一のBCL2だけで説明しない。del(13q)、trisomy 12、del(11q)del(17p)TP53 異常、IGHV変異状態などが病態・予後・に関わる。

所見 機序
白血球増加・リンパ球増加 末梢血中の腫瘍B細胞増加
全身性リンパ節腫脹 リンパ節浸潤
肝脾腫 への浸潤
貧血・血小板減少 骨髄置換または自己免疫
・治療関連免疫抑制

治療の安全性

無症候で安定した早期CLLは経過観察が標準であり、診断だけを理由に直ちに治療しない。症候性・進行性病変ではや、(venetoclax)と抗CD20抗体の時間限定併用などを病態に応じて選ぶ。多くの患者では化学療法を用いない初回治療が優先され、特に TP53 異常例では化学免疫療法へ依存しない。

⚠️ 開始時はでは出血・心房細動など、抗CD20抗体ではに注意する。

まとめ

  • CLL/SLLは同一の小型成熟B細胞腫瘍で、分布により名称が変わる。
  • CLLでは末梢血クローン性B細胞5 × 10⁹/L以上が3か月以上持続することを確認する。
  • 小型成熟リンパ球とを認めるが、形態だけでは確定しない。
  • CD5・CD23と弱いCD20・表面Igを確認し、無症候例は経過観察する。