Histopathology

Histopathology · H2-090A

浸潤性小葉癌

Invasive lobular carcinoma

描出疾患
乳癌

🧠 全体像の中で2番目に多い組織型で、の機能喪失により腫瘍細胞が結合せず、間質をに浸潤する特徴的な形態を示す。

形態の特徴

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='E-cadherin'>E-カドヘリン</span>機能喪失"] --> B["腫瘍細胞間の接着が失われる"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='single-file'>単列</span>(一列縦隊)に間質を浸潤"]
    C --> D["残存<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lactiferous ducts'>乳管</span>を取り囲む標的(bull's eye)パターン"]
    B --> E["境界不明瞭で触知しにくい腫瘤"]
所見 解釈
脂肪組織への浸潤 基底膜を越えた浸潤を示す
残存に取り囲む配列
非腫瘍性腺 周囲の正常構造との対比に用いる
「一列縦隊」 に配列する非接着性腫瘍細胞
断端評価のための標本処理を示す

腫瘍細胞は均一で細胞質に乏しく、・鎖状に配列するため、に乏しい場合は触知しにくく、画像でも過小評価されやすい。

臨床的特徴

50歳以降の女性に多く、遺伝子変異とを背景とする点は他のと共通する。ILCはに比べ多中心性・両側性の頻度が高く、ほぼすべてがエストロゲン・陽性である。転移は肺・骨・肝など通常の乳癌の好発部位に加え、髄膜・脳脊髄液、漿膜面、消化管、卵巣、子宮、骨髄などな部位にも生じうる点が診断・経過観察上の注意点である。

⚠️ 画像上の腫瘤径がILCでは過小評価されやすいため、切除範囲や断端評価には注意する。の墨染は断端のを判定するための基本手技である。

背景にしばしば(lobular carcinoma in situ:LCIS)を伴う。との対比は、組織型全般の分類は乳腺の悪性腫瘍、疫学・病期・診断は乳癌の疫学・病因・組織型・病期・症状・診断を参照する。

まとめ

  • ILCは喪失による非接着性細胞の浸潤を特徴とする。
  • 標的パターンと一列縦隊パターンがである。
  • 多中心性・両側性が多く、ほぼ全例が陽性である。
  • 卵巣・子宮・髄膜など部位への転移に注意する。