Histopathology

Histopathology · H2-090B

子宮内膜増殖症(異型なし)の組織像

Typical simple hyperplasia

🧠 全体像(異型なし)(endometrial hyperplasia without atypia)は、プロゲステロンに拮抗されない持続的エストロゲン刺激により腺が過剰増殖する病変で、腺・間質比と細胞異型の有無で異型増殖症・EINと区別する。

原因となるエストロゲン過剰状態

原因 機序
周辺に多い) 黄体形成がなくプロゲステロンによる拮抗を欠く
エストロゲン単独療法の長期投与 併用なしの外因性エストロゲン
エストロゲン産生卵巣病変 多嚢胞性卵巣、など
肥満 脂肪組織が末梢でステロイド前駆体をエストロゲンへ変換する
flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='unopposed estrogen stimulation'>拮抗されないエストロゲン刺激</span>"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endometrial gland'>子宮内膜腺</span>の過剰増殖"]
    B --> C["異型なし増殖症"]
    B --> D["細胞異型を伴う増殖"]
    D --> E["EIN・異型増殖症"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='endometrioid carcinoma'>類内膜癌</span>(20〜50%で進展)"]
    C -->|"1〜3%で進展"| F

組織像の鑑別点

所見 異型なし増殖症 EIN・異型増殖症
間質量 豊富な子宮内膜間質を保つ 間質が減少し腺が密集する
腺・間質比 おおむね1:1以下を保つ 1:1を超えて腺優位になる
腺の形態 に拡張した不整腺 複雑な出芽・分岐を示す腺
上皮 型の円柱上皮、化生を伴いうる 周囲内膜と異なる細胞異型を示す上皮

は良性の化生変化であり、それ自体は異型増殖症を意味しない。

悪性化リスクと対応

異型なし増殖症は悪性化リスクが低い(1〜3%)が、無治療放置の対象ではなく、原因是正と治療、追跡内膜採取で管理する。EIN・異型増殖症は同時併存癌を高率に伴い、進展リスクも高い(20〜50%)ため、が原則となる。

旧分類名からの用語整理は(旧、進展したの詳細は子宮内膜子宮内膜、疾患全般は/内膜増殖症/を参照する。

まとめ

  • 異型なし増殖症の主因はである。
  • 腺・間質比を保ち、細胞異型がないことがEIN・異型増殖症との鑑別点である。
  • 化生は良性変化であり悪性化を意味しない。
  • 悪性化率は異型なしで1〜3%、EIN・異型増殖症で20〜50%と大きく異なる。