Pathology

Pathology · C/78

乳腺の悪性腫瘍

Malignant tumors of the breast

応用トピック
乳癌乳癌の疫学・病因・組織型・病期・症状・診断悪性乳腺腫瘍(症状・診断・治療)乳癌の診断と治療
疾患
乳癌

🧠 全体像乳癌基底膜を貫通するかどうか(DCIS・LCIS)と浸潤性に分かれ、この一線が予後を大きく左右する。DCISは石灰化+、LCISは両側性・多巣性+喪失という別々の顔を持つが、いずれも浸潤への足がかりである点は共通する。予後は「サイズ・リンパ節・遠隔転移・グレード・組織型・・HER2」という多因子で決まり、単一の型だけでは決まらない。

概要

  • 乳癌 = 女性の癌死の第2位(肺に次ぐ)。
  • 症例の75%50歳超の女性、40歳未満はわずか5%

危険因子

  • 年齢:30歳以降にリスク増加。
  • 遺伝
    • 遺伝性(5〜10%)BRCA1(50%)BRCA2(1/3)DNA修復に関わる(2ヒット説)。
    • HER2/NEUの(EGF受容体ファミリー)。
  • 良性乳腺疾患LCIS
  • 外因性エストロゲン(短期の)。
  • 地理的:北米+北欧で増加。
  • 初産年齢が高い
  • 肥満+

発生機序

遺伝子変化

  • 最もよく特徴づけられる:HER2/NEUの(EGF受容体ファミリー)。
  • p53+RB変異。
  • ERがプロモーターのにより不活化。

ホルモンの影響

  • エストロゲンが正常・癌細胞の産生を刺激 → ER+PRと相互作用 →
  • がエストロゲンを増加 → 閉経後女性の乳癌増加。

形態

  • 左乳房 > 右がわずかに多い。
  • 外上四分円が好発部位。
  • 基底膜貫通に基づき浸潤性に分類。

A)非浸潤性(上皮内)癌

(DCIS / 導管内癌)

  • 腫瘍が導管に限局
  • 片側性、閉経前後。
  • :切断面から状の壊死物質が滲出。
  • しばしば石灰化を伴う(で検出)。
  • 大導管の病変 → 乳頭分泌

  • 湿疹に似た乳頭のびらん(粗糙化、発赤、軽度)。
  • 背景のDCISまたは浸潤癌と関連。
  • 腫瘍細胞が表皮バリアに広がり破壊 → が表面へ滲出。

  • 腫瘍が腺房に限局
  • 閉経前女性
  • なし
  • しばしば両側性+多巣性
  • 約1/3が浸潤癌を発症
  • の喪失(凝集性なし)。

B)浸潤癌

1)

  • 最も多い型、亜分類できない。
  • 通常はDCISを伴う。
  • を生じる → 硬いな腫瘤
  • 組織像:高分化からまで様々。

2)

  • 2/3が隣接LCISを伴う
  • 多中心性+両側性
  • ほぼすべてが(ER/PR陽性)を発現。
  • 細胞は均一で、索・鎖状に配列喪失により一列縦隊)。
  • 正常細胞を取り囲み標的パターンを作る。
  • 転移:髄液、漿膜面、消化管、卵巣、子宮、骨髄(異常な部位)。

3)

  • 境界明瞭、しばしば大きく壊死を伴う。
  • 組織像:大型細胞+乏しい間質+
  • 著明ななし(低分化)。
  • 攻撃性にもかかわらずIDCより予後良好による。

4)膠様(粘液)癌

  • 閉経後女性
  • 境界明瞭、軟らかい・ゼラチン状
  • 組織像:大量の粘液中の小胞巣+索、は少ない。
  • 予後良好

5)

  • 高分化、細胞がに配列。
  • 小さく、硬く、不整な輪郭。
  • を伴う緻密な間質、ER/PR陽性
  • 予後極めて良好、転移は稀。

浸潤癌の徴候

  • ・筋膜への癒着 → 固定
  • 被覆皮膚への癒着 → 皮膚・乳頭の
  • リンパ管病変 →

乳癌の進展

リンパ行性

  • 外側+中央四分円
  • 内側四分円

血行性

  • ほぼあらゆる臓器への遠隔転移。
  • 好発:肺、骨格、肝、副腎、脳

臨床像+予後因子

  • 通常:明瞭で単発、無痛性、可動性の腫瘤(2〜3 cm+転移)。
  • 検診が触知前の腫瘍を検出。

予後因子

  1. サイズ(< 1 cm = 良好)。
  2. リンパ節転移+個数。
  3. 遠隔転移(あれば治癒は稀)。
  4. グレード(管形成+核グレード+、高分化 = 良好)。
  5. 組織型 — 特殊型(、粘液)= 予後良好。
  6. (ER+PR)予後良好(治療に反応)。
  7. = 予後不良。
  8. HER2/NEU = 予後不良(ただしで治療可能)。

TNM病期分類

病期 腫瘍 リンパ節 転移
T0/ 原発なし・in situのみ
T1 ≤ 2 cm N1 = 腋窩1〜3個 M0 = なし
T2 2〜5 cm N2 = 腋窩4〜9個 M1 = 遠隔
T3 > 5 cm N3下/上または腋窩10個以上
T4 任意サイズ+胸壁/皮膚進展

💡 ポイント: 女性の癌死第2位。遺伝性 = BRCA1/BRCA2(DNA修復)。性 = HER2/NEU外上四分円左 > 右DCIS = 導管、石灰化、、→ (湿疹様乳頭病変)。LCIS = 両側性+多巣性、喪失、1/3が浸潤。 = 第1位、の硬い腫瘤。 = 一列縦隊/標的、多中心性/両側性、ER陽性、異常な転移(卵巣、子宮、骨髄)。、予後良好。粘液 = 予後最良。 = リンパ管閉塞。進展:外側 → 腋窩、内側 → 内胸、血行性 → 肺/骨/肝/副腎/脳。予後:サイズ+リンパ節+転移+グレード+型+ER/PR陽性(良好)+HER2(不良だが治療可能)。

まとめ

  • 乳癌は女性の癌死第2位で、症例の75%が50歳超に発症する。
  • 遺伝性(5〜10%)はBRCA1/BRCA2変異、性はHER2/NEUが特徴的。
  • 癌はDCIS(石灰化、と関連)とLCIS(両側性・多巣性、喪失、約1/3が浸潤癌へ進行)に分かれる。
  • が最多、は一列縦隊配列・標的パターンで異常な部位(髄膜、消化管、卵巣)へ転移しうる。
  • ・膠様(粘液)癌・はいずれも予後良好な特殊型。
  • 転移は外側・中央四分円→、内側四分円→
  • 予後因子はサイズ・リンパ節転移・遠隔転移・グレード・組織型・(ER/PR陽性は良好)・HER2(不良だがで治療可能)。