Histopathology

Histopathology · H2-114A

膠芽腫

Glioblastoma

描出疾患
中枢神経系腫瘍(成人・小児)

🧠 全体像は成人で最も頻度の高い原発性で、という2つの所見が診断の核である。の系列の中で最も悪性度が高く、標準治療を行っても生存は15〜18か月にとどまる。

星細胞腫系列とグレード

グレード 主な所見 生存期間の目安
グレード2 びまん性浸潤、まばら、異型最小 10年を超えるが最終的に進行する
グレード3(性) 著明な異型、増加 5〜10年
グレード4( 、高度に細胞性で著明な異型 15〜18か月(手術+後)

⚠️ 現行のWHO分類では、単に「グレード4の系腫瘍」だからといって「」と呼ぶわけではない。はIDH野生型の症例に限定される名称であり、IDH1/2変異を持つグレード4腫は「IDH腫、グレード4」として別の予後(より良好)のまとまりに分類する。成人発症のGBMの大部分は、低グレード病変を経ずに最初からグレード4として発症する(de novo発症)。

flowchart TD
    A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stellate cells'>星細胞</span>由来のグリア系腫瘍"] --> B{"IDH1/2変異の有無"}
    B -->|"変異あり"| C["IDH<span class='jp-term jp-term-diagram' title='mutant'>変異型</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='stellate cells'>星細胞</span>腫(グレード2〜4)"]
    B -->|"野生型(成人に多い)"| D["多くはde novoに<span class='jp-term jp-term-diagram' title='high-grade (aggressive)'>高悪性度</span>で発症"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pseudopalisading necrosis'>偽柵状壊死</span>+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='microvascular proliferation'>微小血管増殖</span>を確認"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='glioblastoma (GBM)'>膠芽腫</span>(IDH野生型、グレード4)"]
    F --> G["手術+<span class='jp-term jp-term-diagram' title='temozolomide'>テモゾロミド</span>併用<span class='jp-term jp-term-diagram' title='chemoradiotherapy'>化学放射線療法</span>"]

標本の所見

所見 解釈
腫瘍細胞が壊死巣の周囲に柵状に密集配列する像。に特徴的な壊死パターンで、腫瘍の急速な増大に血管新生が追いつかず生じるを反映する
内皮細胞・細胞が糸球体様に増殖する所見。腫瘍が壊死・低酸素環境に応じて(VEGFなど)を産生することを反映する

この2所見のいずれか、とくに両方がそろえば、たとえ細胞異型自体が突出していなくてもグレード4の根拠となる。

臨床像

好発年齢は60〜80歳で、成人の中で最も頻度が高いである。痙攣、頭痛、で発症することが多く、画像ではしばしばを越えて対側半球へ連続する「」病変として現れる。標準治療は最大限の安全な摘出に続く併用放射線療法で、それでも生存は15〜18か月にとどまり、再発率も高い。

まとめ

  • は成人で最も頻度の高い原発性で、が診断の核である。
  • 現行分類でははIDH野生型に限定され、IDHグレード4腫は別の予後群として区別する。
  • 多くの症例は低グレード病変を経ずde novoに発症する。
  • 標準治療(手術+併用)でも生存は15〜18か月にとどまる。
  • 腫の他グレードや他のとの比較は中枢・腫瘍、診断・治療の流れはの疫学・診断の外科・薬物治療を参照する。