Medical Microbiology

Medical Microbiology · 5/31

医学微生物学における実験動物の利用

The use of laboratory animals in medical microbiology

🧠 実験動物は「培養できない病原体を増やす」「毒素のを生体で測る」「を作る」という3つの異なる目的で使われる。 目的ごとに動物種と手技がほぼ一対一で決まっているため、「どの動物が」「何を」「どうやって」検出するのかをセットで覚えると整理しやすい。

培養不能病原体の増殖

一部の病原体は人工培地での通常培養が不可能であり、動物やその特殊な部位に接種して増殖させる。

病原体 接種する動物・部位
Clostridium botulinum マウス接種
Mycobacterium leprae マウス接種、または——ヒトより低い体温を好む菌の性質を利用する
Treponema pallidum 内接種

毒素の検出・毒性の生体内測定

試験 動物・手技 検出内容
Römer試験 への皮下接種 Corynebacterium diphtheriaeの毒素産生の検出
Serény試験 ウサギ眼球への接種 Shigella検出——の有無で判定する
(試験名の記載なし) 患者血清をマウスに接種 Clostridium botulinum毒素産生の検出

発熱物質(パイロジェン)の検出:LAL試験

  • LAL(Limulus amebocyte lysate, 血球溶解物)の血球から抽出される試薬。
  • LALはグラム陰性菌の膜成分である内毒素LPS(lipopolysaccharide, と反応する。
  • LAL試験の血液はLPSの存在下で凝固する——このを利用して(パイロジェン)の混入を検出する(検査全般の文脈は1/10も参照)。

異種免疫グロブリンの産生

  • ・ウマ・ウサギなどの動物に抗原を接種して抗体を産生させ、得られるを治療用に用いる(例:血清)。
  • 受動免疫の一形態であり、詳細は1/33を参照。

まとめ

  • 実験動物は「」「」「」という3つの目的で使われる。
  • にはC. botulinum(マウス)、M. leprae)、T. pallidum)が代表例。
  • にはRömer試験(C. diphtheriae)、Serény試験(ウサギ眼球、Shigella)、マウス接種によるC. botulinumがある。
  • LAL試験は血球溶解物とグラム陰性菌のLPSとのを利用し、を検出する。
  • は受動免疫(1/33)としてされる。