Pathophysiology

Pathophysiology · P-1-27

糖尿病の血管機能:レーザードップラー/TcPO2 — 反応性充血

Diabetic vascular function: laser Doppler/TcPO2 — reactive hyperaemia

前提:病態
糖尿病の細小血管合併症糖尿病の大血管合併症

🧠 全体像: 皮膚微小循環は、血流遮断解除後のと、下肢を下垂した際の静脈―細動脈反射で評価できる。糖尿病ではと神経血管調節障害により、正常な・保護的血管収縮が弱くなる。

レーザードップラー血流測定

  • 送光部と受光部を備えたプローブで、反射光の量と周波数を測定する。
  • 移動物体による周波数変化、すなわちドップラー現象を利用し、動く赤血球から血流を算出する。
  • 主に皮膚表層の血流を測定する。
  • 温度上昇に対する著明なや、食後の消化管領域へのなどを評価できる。

経皮酸素分圧

は皮膚表面のO₂分圧を測定し、組織へのO₂到達量を推定する。

  • 極端な低値は細胞生存性の低下を示唆し、壊死を避けるための切断レベルや創傷治癒可能性を検討する材料になりうる。
  • センサーと皮膚の間には、リング内に接触液を満たして密着させる。

⚠️ TcPO₂は単独でを決める検査ではなく、と他の血流評価を合わせて解釈する。

遮断後反応性充血

は、一定時間の動脈遮断後に生じる一過性のである。

flowchart TD
    A["カフを<span class='jp-term jp-term-diagram' title='systolic blood pressure, SBP'>収縮期血圧</span>より高く加圧"] --> B["動脈を2分以上遮断"]
    B --> C["カフ圧を解除"]
    C --> D["血流が<span class='jp-term jp-term-diagram' title='baseline / reference value'>基準値</span>を一過性に上回る"]
    D --> E["皮膚灌流が速やかに<span class='jp-term jp-term-diagram' title='baseline / reference value'>基準値</span>へ戻る"]

糖尿病性ではが低下し、重症例ではほとんど認められないことがある。

  • 血管拡張刺激に対する内皮応答が低下する。
  • NO産生が減少し、NO分解が増加する。
  • が減少し、血管メディエーターが優位になる。

静脈―細動脈反射

静脈―は、下肢下垂に伴う静脈圧上昇に対する局所の保護的血管収縮である。

実施方法

  1. 両下肢をベッド上に置き、下肢灌流を測定する。
  2. 片脚を急に床方向へ下垂させ、静脈圧をさせる。
  3. 動脈側の灌流応答を観察する。
状態 反応 意義
健常 動脈側の流入・灌流が急に低下する 保護的血管収縮により、間質への水分流出を抑える
糖尿病 反応が弱い、または逆転して動脈側の流入・灌流が増加するとされる 微小循環調節が不十分となり、浮腫につながりうる

💡 ここで評価しているのは全身の動脈血圧そのものより、下肢局所の動脈流入・皮膚灌流の変化である。