薬剤ノート一覧へ

Drug Atlas · C5 Antivirals / 抗ウイルス薬

バムラニビマブ

bamlanivimab

分類
Antivirals / 抗ウイルス薬
科目
Pharmacology
トピック
C5: Agents to treat Herpes simplex (HSV), varicella-zoster (VZV), cytomegalovirus (CMV). Anti-influenza agents. Drugs against Corona- and other viruses
承認適応
COVID-19
標的微生物
SARS-CoV-2
副作用
インフュージョンリアクション

🧠 全体像:はEli Lilly社が開発したSpikeで、/と同じ「で有効性を失った」のにある。は他のより一足早く単剤のまま実地投与された時期があり、それゆえに耐性化を最も早く実証してしまったという点で歴史的に重要。全体像・共通の教訓はのノートを参照。

カシリビマブ/イムデビマブとの違い

/ (+)
開発元 Regeneron Eli Lilly
初期の投与形態 当初から2剤併用 単剤でのが先行、後に併用へ移行
耐性化の経過 Omicronで消失 単剤時代にすでにで活性低下が確認され、後にOmicronで完全に消失
現在の位置づけ 使用推奨から除外 使用推奨から除外(単剤・併用とも)

⚠️ 単剤の失敗が「なぜ抗体は2剤併用が基本になったか」を説明する。 単剤では1か所のだけでを失いやすく、実際に単剤は他のより早くへの脆弱性が表面化した。その反省からとの併用へ切り替わったが、Omicronの大量変異の前ではこの対策も及ばなかった。

適応・用法

は2020年11月、軽症〜中等症のCOVID-19で重症化リスクを持つ患者への早期治療薬として単剤でEUAを取得した。しかし株(Beta/Gamma株など)の増加を理由に、は2021年4月16日付でのEUAを取り消した1。以降はとの併用のみが認可されていたが、2022年1月24日時点では、Omicron株に対する活性が著しく低下したことを理由に、この併用を米国のいかなる地域でも認可しないとした2。その後、Lillyの要請(供給終了・全ロット失効)を受けて2023年12月14日、はEUA自体を取り消した3。現在は単剤・併用のいずれも法的に使用できない。

禁忌・注意・副作用

の項を参照。過敏症・に注意する点は群に共通する。

まとめ

  • はEli Lilly社ので、2020年11月に当初は単剤でEUAを取得した。
  • 単剤ゆえに他剤より早く(Beta/Gamma株)への活性低下が確認され、2021年4月16日にのEUAが取り消されて以降はとの併用へ移行した。
  • Omicron株の出現により2022年1月24日にが併用の使用も全米のいかなる地域でも認めないよう制限し、2023年12月14日にはEUA自体が取り消された。
  • 「単剤より2剤併用の方が耐性化に強い」という教訓を残したが、それでも変異の規模によっては及ばないことをOmicronが示した。

出典

  1. 1.Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Revokes Emergency Use Authorization for Monoclonal Antibody Bamlanivimab(U.S. Food and Drug Administration・2021)米国でシークエンスされたウイルスのうちバムラニビマブ単剤に耐性と見込まれる変異株の割合が2021年1月中旬の約5%から3月中旬に約20%へ増加したことを理由に、FDAが2021年4月16日付でバムラニビマブ単剤投与のEUAを取り消し、バムラニビマブ+エテセビマブ併用とREGEN-COV(カシリビマブ+イムデビマブ)を代替として使用可能なままとしたことを確認した閲覧 2026-08-25
  2. 2.Bamlanivimab(StatPearls Publishing(NCBI Bookshelf)・2023)2022年1月24日時点のFDAのファクトシートが「Omicron株の高い頻度のため、バムラニビマブとエテセビマブの併用はOmicron株に対する著しく低下した活性のゆえに米国のいかなる地域でも現在認可されておらず、FDAが別途通知するまでEUA下でCOVID-19の治療にも曝露後予防にも投与してはならない」と記していること、また耐性変異株の出現を理由にFDAが2021年4月にバムラニビマブ単剤のEUAを取り消したことを確認した閲覧 2026-08-25
  3. 3.Revocation of Emergency Use of a Drug Product During the COVID-19 Pandemic; Availability (Federal Register, Vol. 89, No. 48)(U.S. Food and Drug Administration・2023)Lillyが2023年10月23日にFDAへ取り消しを要請し(EUA下で製造・表示された全ロットが失効し、同社が米国での提供を継続しない意向を示したため)、FDAが2023年12月14日付でバムラニビマブ+エテセビマブ併用のEUA(EUA 094)を取り消したことを確認した。閲覧 2026-08-03