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Drug Atlas · B19 Antidiabetics / 糖尿病薬

テネリグリプチン

teneligliptin

分類
Antidiabetics / 糖尿病薬
商品名(日本)
テネリア
科目
Pharmacology
トピック
B19: Oral antidiabetics
承認適応
2型糖尿病

🧠 全体像:テネリグリプチンは日本オリジンので、「連続した5つの環」というユニークな構造により、DPP-4のに複数ので結合し強力かつ選択的なを発揮する。米国では承認されておらず、日本・韓国・インドなどアジア地域を中心に使われる薬である。学習上の要点は、が「腎機能を問わず使える唯一の」ではないという文脈でしばしば引き合いに出される点にある——テネリグリプチンの電子添文にも患者の規定は無いが、その理由・プロファイルはとは異なる。

薬効群の中での位置づけ

薬剤 腎機能別の の特徴
テネリグリプチン 日本の電子添文に患者の項・調整規定なし1 尿中・糞中の双方に排泄され、患者でAUCがの約1.16倍にとどまる1
腎機能を問わず同一用量(がほとんど無く、胆汁・腸管排泄が主体) でほとんど除去されない
・ 腎機能低下時は減量が必要 主に

⭐ 「腎機能を問わず使える」というだけを覚えると、とテネリグリプチンを同じ理由の薬だと誤解する。 はがほとんど無いために調整が要らないのに対し、テネリグリプチンは患者でも血中濃度の上昇が約1.16倍にとどまりで15.6%が除去されるという実測データに基づいて、電子添文が調整規定を置いていない1。「調整規定が無い」という結果は同じでも、その根拠となるはまったく異なる。

機序

flowchart TD
    A["テネリグリプチンを<span class='jp-term jp-term-diagram' title='oral'>経口投与</span>(20 mg 1日1回、不十分なら40 mgへ増量)"] --> B["連続した5つの環構造がDPP-4<span class='jp-term jp-term-diagram' title='active site'>活性部位</span>の複数<span class='jp-term jp-term-diagram' title='amino acid residue'>アミノ酸残基</span>に結合"]
    B --> C["DPP-4活性を強力かつ選択的に阻害(ヒト組換えDPP-4に対するIC50 0.89 nM)"]
    C --> D["活性型GLP-1の分解が抑制され血中濃度が上昇"]
    D --> E["血糖依存性に<span class='jp-term jp-term-diagram' title='insulin secretion'>インスリン分泌</span>を促進・グルカゴン分泌を抑制"]
    E --> F["血糖低下(単独では低血糖を来しにくい)"]

💡 半減期は約24.2時間で、でも蓄積せず7日以内に定常状態へ達する2。1日1回投与で24時間にわたるDPP-4阻害との抑制が維持される設計である。

適応

領域 使いどころ
内分泌・代謝 2型糖尿病。・運動療法で効果不十分な場合に用いる1

⚠️ 米国では承認されていない。 としては・などが米国で承認されているのに対し、テネリグリプチンは日本・韓国・インドなど一部のアジア地域でのみ承認・販売されている薬剤である。

用法・用量

1日1回20 mgをし、効果不十分な場合は経過を十分観察しながら40 mgまで増量できる1。日本の電子添文は患者に対する規定を置いていない(患者のAUCがの約1.16倍、で投与量の15.6%が除去されるというデータに基づく)1。⚠️ では曝露が増加する。 軽度(Child-Pugh 5〜6点)でCmax約1.25倍・AUC約1.46倍、中等度(7〜9点)でCmax約1.38倍・AUC約1.59倍に上昇し、高度患者での臨床経験は無い1。

禁忌・注意

  • 禁忌:①本剤成分への過敏症の既往、②重症・糖尿病性昏睡または前昏睡・1型糖尿病、③・手術前後・重篤な外傷1
  • ⚠️ 重大な副作用として低血糖・イレウス(腸閉塞を含む)・・・類天疱瘡・が挙げられている1
  • など・との併用は低血糖のリスクを増加させるため、これらの減量を検討する1
  • 単独投与時の低血糖発現頻度はと同程度で、重篤な低血糖は認められていない(国内全の)2

副作用

頻度 内容
高頻度 国内での副作用発現率は10.0%2
注意 低血糖(・インスリン併用時に増加)
重篤・まれ イレウス、、、類天疱瘡、

まとめ

  • 連続した5つの環構造でDPP-4に強力かつ選択的に結合する日本オリジンの。米国では承認されていない。
  • 用法は1日1回20 mg(不十分なら40 mgまで増量)。半減期約24.2時間ででも蓄積しない。
  • ⚠️ 「だけが腎機能を問わず使える」という一般化は誤り。 テネリグリプチンの電子添文にも患者への規定は無いが、根拠は患者でのAUC上昇が約1.16倍にとどまるという実測データであり、(がほとんど無い)とは異なる的理由による。
  • では曝露が増加するため、特に高度患者では注意を要する(禁忌ではない)。
  • ・インスリンとの併用は低血糖リスクを増加させる。

出典

  1. 1.テネリアOD錠20mg/テネリアOD錠40mg 電子添文(田辺三菱製薬(日本の電子添文、2025年12月改訂 第6版)・2025)本文を取得し、効能又は効果が「2型糖尿病」であること、用法及び用量が20 mgを1日1回経口投与し効果不十分なら40 mgまで増量できることを確認した。禁忌が①本剤成分への過敏症の既往、②重症ケトーシス・糖尿病性昏睡または前昏睡・1型糖尿病、③重症感染症・手術前後・重篤な外傷の3項目で腎機能障害・肝機能障害はいずれも禁忌に含まれないこと、9項に腎機能障害患者の項が置かれておらず腎機能別の用量調整規定が無い一方、16.6.1の薬物動態データは末期腎不全患者のAUC(0-43hr)が健康成人の約1.16倍で血液透析により投与量の15.6%が除去されると述べること、軽度肝機能障害(Child-Pugh 5〜6点)でCmax約1.25倍・AUC(0-∞)約1.46倍、中等度(7〜9点)でCmax約1.38倍・AUC(0-∞)約1.59倍に上昇し高度障害患者での臨床経験は無いこと、重大な副作用として低血糖・イレウス(腸閉塞含む)・肝機能障害・間質性肺炎・類天疱瘡・急性膵炎が挙げられること、スルホニルウレア薬またはインスリン製剤と併用する場合は低血糖のリスク増加のためこれらの減量を検討すべきとされることを確認した閲覧 2026-09-29
  2. 2.新規選択的DPP-4阻害薬テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物(テネリア錠)の薬理学的特長と臨床効果(日本薬理学雑誌(田辺三菱製薬)・2013)本文PDFで、テネリグリプチンが連続した5つの環を持つ"J-shaped structure"の薬剤でDPP-4活性部位の複数アミノ酸に結合し強い酵素阻害活性を発揮すること、ヒト組換えDPP-4に対するIC50が0.89 nMでシタグリプチン(IC50比6.69倍)・ビルダグリプチン(同10.4倍)より強い阻害作用を示したこと、健康成人へのテネリグリプチン20 mg単回経口投与時の血中未変化体濃度の半減期が24.2時間で反復投与でも薬物の蓄積は認められず7日以内に定常状態に達したこと、腎機能障害者においても著明な血中濃度上昇を生じないことを確認したこと、2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験でテネリグリプチンが単独投与で52週間にわたりHbA1c低下作用を示しスルホニルウレア系薬剤との併用試験でも52週にわたり安定した血糖コントロールを示したこと、国内の全臨床試験を統合した解析で副作用発現率が10.0%でテネリグリプチンの低血糖症発現頻度がプラセボと同程度であり重篤な低血糖は認められなかったことを確認した閲覧 2026-09-29