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Lab values · Published

Charcot–Leyden結晶

Charcot-Leyden crystals

別名
シャルコー・ライデン結晶
臓器系
呼吸器
科目
HistopathologyPathology
トピック
組織病理 H1-061:気管支喘息病理学 C/19:閉塞性肺疾患(COPDなど)
関連疾患
鼻茸

🧠 全体像は、好酸球が壊れて放出したガ-10というタンパク質がしたものである。「結晶」という名前だが病原体でもでもなく、そこにかつて好酸球性炎症があった痕跡と捉えるとよい。喘息の喀痰、アレルギー性粘液、便など、好酸球が集まる場所ならどこにでも現れうる。

何を観察しているか

  • 結晶の本体はガ-10(Gal-10)というタンパク質である。かつて「タンパク質」は酵素活性を持つと考えられていたが、その活性は混入していた別の酵素(74 kDa)に由来しており、ガ-10自体には酵素活性がないことが後に示された1。名称は歴史的経緯によるもので、機能を表していない。
  • -10は好酸球の細胞質・核に高濃度で存在し(総タンパクの約1割)、顆粒内だけに限局しているわけではない1。好酸球が活性化・崩壊すると細胞外に放出され、自発的に六角柱状(双錐形)の結晶としてする。
  • 特殊な試薬や免疫染色を必要とする検査ではなく、通常の染色やのHE染色・PAS染色でそのまま観察できるである。

基準値と単位

定性的な形態所見であり、という概念はない(なし)。数値化された検査項目ではなく、「見えるか見えないか」「どの程度の密度で見えるか」を鏡検で評価する。

出現する意義

高値・低値という枠組みは当てはまらないため、出現する(存在する)ことの意義として整理する。

  • 好酸球性炎症の存在を示唆する所見であり、単独のマーカーではない。
  • 喘息、とくにの喀痰でみられる代表的な所見。
  • では、喀痰・液中のアレルギー性粘液(好酸球性)にとともに認められることが多く、評価の一環として観察される2
  • 好酸球性副鼻腔炎に伴うでは、組織中の結晶数が術後再発リスクの予測因子として報告されている(1個/HPF以上をとした場合、感度84.8%・特異度98.7%)3
  • 蠕虫感染の糞便、、まれにの骨髄など、好酸球が関与する幅広い病態でも報告される。

測定上の注意

⚠️ 見えないことをもって好酸球性炎症を否定できない。 結晶がするには好酸球の崩壊とガ-10の蓄積に一定の時間・条件が必要であり、感度の高い所見ではない。

⚠️ 検体の保存・処理条件によって結晶が崩れたり見えにくくなったりすることがあり、な検体での鏡検が望ましい。

⚠️ 結晶の有無とは必ずしも一致しない。結晶は崩壊した好酸球の残滓であるため、鏡検の視野に無傷の好酸球が乏しくても結晶だけが残っていることがある。

経時変化とモニタリング

のように、結晶密度を疾患の重症度・再発リスクのとして定量的に評価する試みが報告されている3。単発の陽性・陰性を判定するだけでなく、好酸球性炎症の勢いを追う指標として扱われつつある。

⚠️ Charcotの名を冠する別の概念と混同しない。 は病理・呼吸器領域の所見であり、肝胆膵領域の(発熱・黄疸・右上腹部痛)、神経領域の(眼振・)、整形外科・糖尿病領域の)とは、同じJean-Martin Charcotの名を冠するだけで内容上の関連はない。

まとめ

  • は好酸球由来のガ-10がしたものであり、かつて信じられていた活性は混入物による誤認だった。
  • 喘息の喀痰、ABPAのアレルギー性粘液、好酸球性副鼻腔炎の便など、好酸球性炎症がある場所に共通して現れる
  • 定性的な所見でありはない。見えないことをもって好酸球性炎症を除外できない。
  • 同じCharcotの名を冠する他の疾患概念(三徴・など)とは内容上の関連はない。

出典

  1. 1.A Brief History of Charcot-Leyden Crystal Protein/Galectin-10 Research(Molecules (MDPI)・2018)Charcot-Leyden結晶タンパク質の実体がガレクチン-10であること、かつて信じられていたリゾホスホリパーゼ酵素活性が混入物由来の誤認だったこと、好酸球内での局在(顆粒に限らず細胞質・核にも分布)の根拠として使用閲覧 2026-08-10
  2. 2.Predictive significance of Charcot-Leyden crystal structures for nasal polyp recurrence(Clinical and Translational Allergy・2022)好酸球性副鼻腔炎に伴う鼻茸で結晶数が再発リスクの予測因子となること(1個/HPF以上をカットオフに感度84.8%・特異度98.7%)の根拠として使用閲覧 2026-08-10
  3. 3.Allergic Bronchopulmonary Aspergillosis(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)ABPAのアレルギー性粘液(好酸球性粘液栓)にCharcot-Leyden結晶とCurschmann螺旋体が共存し、喀痰・気管支洗浄液の評価で用いられることの根拠として使用閲覧 2026-08-10