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Microbe Atlas · ウイルス

California encephalitis virus

カリフォルニア脳炎ウイルス

分類
ブニヤウイルス / Bunyavirales
性状
エンベロープあり Enveloped(−)ssRNA
科目
Medical Microbiology
トピック
3/21: Bunyaviruses (Hanta-, Crimean-Congo haemorrhagic fever virus)

🧠 全体像:California encephalitis virusはOrthobunyavirusに属し、RNAで蚊媒介のWest Nile virus(いずれも)とは科レベルで別系統である——蚊媒介という感染経路だけを見て同じ仲間と早合点しないことが最初の関門になる。臨床的にはカリフォルニア血清群という同属の近縁ウイルス群(代表はLa Crosse virus)の一員として、北米の小児に多い軽症〜中等症の脳炎を起こす点で覚えるとよい。

微生物学的な特徴

Bunyavirales目Orthobunyavirus属に属し、で近縁の複数種をまとめたの代表株。同じ血清群には北米で小児脳炎の原因として頻度・が最も高いLa Crosse virusなどが含まれる。

項目 内容
ゲノム 3分節構成(Bunyavirales目に共通)
エンベロープあり、
分類上の注意 同じ「脳炎ウイルス」でもWest Nile virusssRNA)——ベクターが同じでも科・ゲノム型は全く異なる

病原性の仕組み

蚊の唾液を介して皮下・皮内に接種されたウイルスは、局所のリンパ節・で増殖したのちウイルス血症を来し、血液脳関門を越えて中枢神経系に到達する。小児で重症化しやすい背景として、感染時の年齢が低いほど血液脳関門の透過性が高く神経侵入を許しやすいことが関与すると考えられている。

flowchart TD
    A["蚊(Aedes triseriatus等)の刺咬"] --> B["皮下・局所リンパ節での初期複製"]
    B --> C["ウイルス血症"]
    C --> D["血液脳関門を通過し中枢神経系へ"]
    D --> E["髄膜・大脳皮質の炎症"]
    E --> F["発熱・頭痛・意識障害・痙攣"]

感染経路と疫学

  • 蚊媒介——主なベクターはAedes triseriatus)で、蚊から蚊へのによりウイルスが自然界で維持される
  • リザーバー・はシマリス・リス類などの小型で、蚊→動物→蚊のサイクルで増幅される。ヒトはでヒトからさらに広がることはない
  • 分布は北米(特に中が中心で、夏〜早秋の蚊のに集積する季節性がある
  • 主に15歳未満の小児に発症が集中する——成人の感染は無症候で終わることが多い

起こす疾患

(California encephalitis/カリフォルニア血清群による小児脳炎)を起こす。

診断

  • 血清学的検査(IgM ELISA、脳脊髄液・血清)が中心——ウイルス血症が微量かつ短期間のため、PCRでの検出感度は低い
  • 髄液所見は/脳炎のパターン)
  • 夏季、での発症、小児という年齢層が診断の手がかりになる

治療と予防

  • 治療は対症療法のみ——特異的な抗ウイルス薬はない
  • 承認済みワクチンはない
  • 予防はが中心:防虫剤の使用、長袖・長ズボンの着用、水たまり・古タイヤなど蚊の発生源の除去(は人工的な水たまりでも繁殖する)

まとめ

  • California encephalitis virusはBunyavirales目Orthobunyavirus属・カリフォルニア血清群に属するウイルスで、・3分節という構造を持つ。
  • 蚊媒介という点でWest Nile virusと紛らわしいが、両者はssRNA)であり科レベルで別系統——この区別が最初の押さえどころ。
  • 蚊(Aedes triseriatus)から蚊への経卵感染で自然界に維持され、シマリス・リス類が、ヒトは
  • 北米の小児に多い脳炎を起こし、致死率1%未満と生命予後は良好だが、一部に痙攣のが残る。
  • 治療・予防は対症療法とが中心で、特異的な抗ウイルス薬・ワクチンはない。