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AOFAS後足部スコア

AOFAS Ankle-Hindfoot Score

臓器系
運動器
科目
Traumatology and OrthopedicsInternal Medicine
トピック
外傷学 32:足関節捻挫の診察・治療と足関節骨折の合併症内科学 S-49:変形性関節症・関節症・線維筋痛症
適用疾患
足関節骨折変形性足関節症

🧠 全体像:AOFAS後足部スコアは、患者の訴える疼痛・機能と診察者が評価するアライメントを1つの100点満点にまとめた、・後足部疾患のための採点式の複合評価ツールである。1994年にAmerican Orthopaedic Foot and Ankle Society(AOFAS)が後足部・・・小趾の4部位別に開発した評価システム群のひとつで1、や・靱帯損傷の術前後比較で広く使われてきた。ただし後述のとおり、SF-36との相関は乏しくへの疑義が指摘されている2。

目的と適用場面

内容
目的 ・後足部疾患の疼痛・機能・アライメントを100点満点で総合評価する
対象 、、靱帯損傷、・などの
使う場面 術前後の比較、臨床研究の指標
評価しないもの 患者の全身的(SF-36など)、画像所見そのもの

9項目からなり、疼痛(1項目・患者の申告)40点、機能(7項目・患者の申告と診察所見の組み合わせ)50点、アライメント(1項目・診察者の評価)10点の3カテゴリーに分かれる1。

構成要素と配点

疼痛(40点)

40点 30点 20点 0点
なし 軽度・時々 中等度・連日 高度・ほぼ常時

・支持具の要否(10点)

10点 7点 4点 0点
制限なし、支持具なし 日常生活に制限なし、レクリエーション活動に制限、支持具なし 日常・レクリエーション活動とも制限、杖使用 日常・レクリエーション活動とも高度に制限、歩行器・・・

最大歩行距離(ブロック数、5点)

5点 4点 2点 0点
6ブロック超 4〜6ブロック 1〜3ブロック 1ブロック未満

歩行面(5点)

5点 3点 0点
どの面でも支障なし 不整地・・傾斜・梯子で多少の支障 不整地・・傾斜・梯子で高度の支障

(8点)

8点 4点 0点
なし・軽度 明らか 著明

可動域(屈曲+伸展、8点)

8点 4点 0点
正常または軽度制限(30°以上) 中等度制限(15〜29°) 高度制限(15°未満)

後足部可動域(+、6点)

6点 3点 0点
正常または軽度制限(正常の75〜100%) 中等度制限(正常の25〜74%) 著明な制限(正常の25%未満)

後足部安定性(前後・、8点)

8点 0点
安定 明らかに不安定

アライメント

Good(良好) Fair(可) Poor(不良)
で足をでき、の配列も良好 でできるがに軽度の配列不良、症状なし でできない、高度の配列不良、症状あり

⚠️ 原資料の内部的な不整合:機能50点まではPain 40点+Function各項目の合計が正確に50点になり総計は問題ないが、アライメント欄は見出しに「10点満点」とあるにもかかわらず、Good・Fair・Poorの配点自体は15・8・0点と印字されている(40+50+15=105点相当)。この不整合は独立した2つの複製資料で共通して確認された、原資料自体の表記である3。実際の臨床運用ではアライメントを10点満点に正規化して総計100点に合わせる、または各施設のプロトコルに従う。採点前に、使用しているフォームのアライメント配点を確認する。

合計は疼痛40点+機能50点+アライメント(原則10点、上記の不整合に注意)=100点。⭐ 9項目のうち患者申告は疼痛1項目と機能のうち・歩行距離・歩行面の3項目、診察所見は・可動域・後足部可動域・安定性の4項目とアライメントである——患者報告と評価が同じ100点の中に混在する点が、後述の限界につながる。

解釈とカットオフ

点数帯 評価
90〜100点 優
80〜89点 良
70〜79点 可
69点以下 不良

💡 健常なは100点に近づく。術前後の比較では、絶対値の等級づけよりも同一患者内での変化量を主な指標として使うことが多い。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ SF-36との相関が乏しい。 91例(後足部疾患の部分集団を含む)の検討で、AOFASスコアとSF-36各サブスケールとのPearson相関係数は全体で0.02〜0.36、後足部疾患に限っても0.11〜0.53と低く、著者らはの乏しさを指摘している2。全身的なの代用として使ってはいけない。

⚠️ 患者報告と評価が混在する。 9項目のうち約半分は診察者の判定(・可動域・安定性・アライメント)であり、評価者間でばらつきうる。同一評価者によるフォローが望ましい。

⚠️ アライメント欄の配点表記に上記の不整合があるため、他施設・他文献の点数と単純比較する際は、使用しているフォームの配点方法を確認する。

⚠️ 手術適応や重症度そのものを直接決める基準ではなく、あくまで術前後の機能変化を追跡する評価ツールである。

まとめ

  • AOFAS後足部スコアは、疼痛(40点)・機能(50点、/歩行距離/歩行面//可動域/後足部可動域/安定性の7項目)・アライメント(原則10点)の3カテゴリー9項目からなる複合評価ツールである。
  • 90〜100点優、80〜89点良、70〜79点可、69点以下不良と区分されるが、術前後の変化量を追う使い方が中心である。
  • アライメント欄には見出しの点数と選択肢の配点が一致しない原資料の不整合があり、使用フォームの確認が要る。
  • SF-36との相関が乏しく、全身的なの代用として使ってはいけない。
  • 約半数の項目が診察者の判定であり、経時比較は同一評価者で行うことが望ましい。

出典

  1. 1.Clinical rating systems for the ankle-hindfoot, midfoot, hallux, and lesser toes(Foot & Ankle International (American Orthopaedic Foot and Ankle Society)・1994)Europe PMC経由で抄録を閲覧した。American Orthopaedic Foot and Ankle Societyが足関節後足部・中足部・母趾・小趾の臨床状態を報告する標準的な方法を提供するため4つの評価システムを開発したこと、これらのシステムが機能・アライメント・疼痛を記述する数値尺度に主観的因子と客観的因子の両方を組み込んでいることを確認した(抄録には各システムの個別配点は記載されていない)。閲覧 2026-09-05
  2. 2.Evaluation of the validity of the AOFAS Clinical Rating Systems by correlation to the SF-36(Foot & Ankle International・2003)Europe PMC経由で抄録を閲覧した。整形外科の足関節クリニックを受診した91例にAOFAS臨床評価システムとSF-36を施行した研究で、AOFASスコアとSF-36各サブスケールとのPearson相関係数が全体集団で0.02〜0.36と低く、足関節後足部疾患の部分集団に限っても0.11〜0.53にとどまったこと、この低い相関がAOFAS臨床評価システムの構成概念妥当性の乏しさを示唆すると結論していることを確認した。閲覧 2026-09-05
  3. 3.AOFAS Score (Ankle-Hindfoot Scale: 100 points Total)(Supplemental Table 1、原表:American Orthopaedic Foot and Ankle Society)(Journal of Pediatric Orthopaedics(補足資料として掲載されたAOFAS公式採点表の複製)・2022)PDFを直接取得し全文を確認した。疼痛(40点:なし40・軽度時々30・中等度連日20・高度常時0)、機能(50点:活動制限/支持具10・最大歩行距離5・歩行面5・跛行8・矢状面可動域8・後足部可動域6・足関節後足部安定性8の合計50)の各配点が原資料のとおりであること、アライメント欄の見出しが「(10 points)」であるにもかかわらず、選択肢(Good・Fair・Poor)の配点自体は15・8・0点と印字されており合計は105点相当になる内部的な不整合が存在することを確認した。同一の不整合は独立した別資料(北海道の整形外科カンファレンス配布資料、原典としてAOFAS公式ページを明記)でも同じ数値で再現されており、単発の誤植ではなく複製先で共通して見られる原資料自体の表記であると判断した。閲覧 2026-09-05