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Bradenスケール

Braden scale

別名
ブレーデンスケール
臓器系
皮膚
科目
RehabilitationTraumatology
トピック
リハビリテーション 04:脊髄損傷のリハビリテーション外傷学 11:椎体骨折の固定と脊椎・脊髄損傷のリハビリテーション
適用疾患
褥瘡

🧠 全体像は、・湿潤・活動性・可動性・の6項目からの発生リスクを予測する評価票である。すでに生じたを分類する1〜4など)とは別物で、は「これからができやすいか」を、は「すでにできたがどれだけ深いか」を扱う。合計点は低いほど高リスクという、多くのスコアと逆の向きを取る点に注意する。

目的と適用場面

内容
目的 の発生リスクを予測し、の強度を決める
対象 ・感覚障害を伴う入院患者、患者、施設・在宅療養中の高齢者など
使う場面 入院・入所時の初回評価、状態変化時および定期的な再評価
評価しないもの 既に生じたが扱う)、のリスク

構成要素と配点

6項目それぞれを、機能や状態の程度に応じて1〜4段階(のみ1〜3段階)で採点する。点数が高いほど良好な状態、低いほど高リスクであることを表す1

(圧迫による不快感を知覚し、訴える能力)

点数 基準
4 呼びかけに反応する。痛みや不快感を感じ、それを訴える能力を制限する知覚障害がない
3 呼びかけに反応するが、不快感やの必要性を常に伝えられるわけではない、または1〜2肢に痛み・不快感を感じにくい知覚障害がある
2 痛み刺激にのみ反応する。うめき声や落ち着きのなさ以外の方法では不快感を伝えられない、または体表の半分程度で痛み・不快感を感じにくい知覚障害がある
1 の低下や鎮静により痛み刺激に反応しない(うめく・身をよける・つかむ動作がみられない)、または体のほとんどの部位で痛みを感じる能力が限られている

湿潤(皮膚が湿潤にさらされている程度)

点数 基準
4 皮膚は通常乾燥しており、リネン交換は定期的な交換のときのみでよい
3 皮膚はときどき湿潤し、1日に1回程度、追加のリネン交換を要する
2 皮膚はしばしば湿潤するが、常にではない。少なくとも1勤務帯に1回はリネン交換を要する
1 発汗・尿などにより皮膚がほぼ常に湿潤している。のたびに湿り気が確認される

活動性の程度)

点数 基準
4 少なくとも1日2回は病室の外を歩行し、覚醒中は少なくとも2時間ごとに室内を歩行する
3 日中ときどき歩行するが、ごく短い距離にとどまり、介助の有無を問わない。各勤務帯の大半をベッドまたは椅子で過ごす
2 歩行能力が著しく制限されているか、まったく歩行できない。自力で体重を支えられない、または椅子・へのに介助を要する
1 ベッド上に限られる

可動性(体位を変え、保持する能力)

点数 基準
4 介助なしに、大きく頻回なができる
3 自力で、頻回だがわずかなができる
2 ときどき体幹・四肢のわずかなはできるが、頻回または大きなを自力で行うことはできない
1 介助なしには体幹・四肢のわずかなすらできない

(通常の食事摂取パターン)

点数 基準
4 ほとんどの食事でほぼ全量を摂取し、食事を拒否することがない。通常、肉・乳製品を合計4皿分以上摂取する。間食をとることもある。補助食品を必要としない
3 ほとんどの食事で半分以上を摂取する。蛋白質(肉・乳製品)を1日4皿分摂取する。ときに食事を拒否するが、勧めれば補助食品はほぼ摂取する、またはによって栄養必要量のほとんどが満たされている
2 食事を完食することはまれで、提供量のおよそ半分程度しか摂取しない。蛋白質の摂取は1日3皿分にとどまる。ときに補助食品を摂取する、または・輸液量が至適量を下回る
1 食事を完食することがなく、提供量の1/3を超えて摂取することはまれである。蛋白質の摂取は1日2皿分以下にとどまり、水分摂取も不良である。補助食品は摂取せず、または5日を超えて清澄水分・のみで維持されている

(移動時の摩擦・ずれ力に対する耐性)

点数 基準
3 ベッド上でも椅子上でも自力で動くことができ、移動時に体を完全に持ち上げるだけの筋力がある。常に良い体位を保てる
2 弱々しくしか動けない、または最小限の介助を要する。移動時に皮膚がシーツ・椅子・抑制具などにある程度こすれる。ほとんどの時間は椅子やベッドで比較的良い体位を保てるが、ときにずり落ちる
1 移動に中等度から最大限の介助を要する。シーツにこすれずに完全に持ち上げて移動させることは不可能である。ベッドや椅子でしばしばずり落ち、最大限の介助による頻回な体位修正を要する。によりほぼ絶え間なく摩擦が生じる

だけが1〜3点で、他の5項目は1〜4点である。 このための合計点は6点(1点×5項目+1点)〜23点(4点×5項目+3点)の範囲を取る1

解釈とカットオフ

合計点 リスク区分
19〜23 リスクなし(区分の対象外)
15〜18 要注意
13〜14
10〜12 高リスク
9以下 最高リスク

この区分は開発者Bradenの資料に基づくものであり、や版によって使われる値が異なりうる。運用する施設の基準に従う1

💡 開発者自身や各国のガイドラインは、合計点だけでなく尺度の低得点にも基づいてを選ぶことを推奨している。栄養だけが1点で他の項目が高得点であれば、の頻度を上げるより先に栄養介入を強化する、という使い方をする1

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 評価票の点数を出すこと自体は予防にならない。 全身の皮膚観察と個別化したが予防の本体であり、の点数はその強度を決めるための補助情報にすぎない1

⚠️ が皮膚に当たって生じるは、の6項目には含まれない。小児領域では、関連のを主対象に検証されたの予測には不十分であったため、の数やといった項目を追加したが別に作られている。これは成人用の標準がこの領域を評価しないことも裏づける2

⚠️ 小児には成人用のをそのまま用いない。〜学童期を対象とするリスクとの両方を評価するなど、小児専用の評価票を用いる2

⚠️ 1回きりの評価では意味が薄い。 状態変化やの変化に応じて定期的に再評価することが前提であり、入院時の初回評価だけで予防方針を固定しない1

まとめ

  • ・湿潤・活動性・可動性・の6項目で発生リスクを予測する評価票であり、すでに生じたを分類するとは別物である。
  • 5項目は1〜4点、のみ1〜3点で、合計は6〜23点。点数が低いほど高リスクという、他の多くのスコアと逆の向きを取る。
  • 目安のは19〜23点でリスクなし、15〜18点で要注意、13〜14点で、10〜12点で高リスク、9点以下で最高リスクであり、施設の基準に従う。
  • 合計点だけでなく尺度の低得点にも基づいてを選び、皮膚観察・という予防の本体を点数で置き換えない。
  • は評価対象に含まれず、小児にはBraden Q・Braden QDなど別の評価票を用いる。定期的な再評価が前提で、入院時1回の評価では意味が薄い。

出典

  1. 1.Try This: Predicting Pressure Injury Risk (General Assessment Series, Issue Number 5, Revised 2017)(The Hartford Institute for Geriatric Nursing, New York University Rory Meyers College of Nursing・2017)Bradenスケール(Braden & Bergstrom, 1988)の6項目(感覚知覚・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれ)それぞれの点数段階の判定基準、5項目が1〜4点で摩擦とずれのみ1〜3点であること、合計点が6〜23点の範囲を取ること、点数区分が15〜18点で要注意・13〜14点で中等度リスク・10〜12点で高リスク・9点以下で最高リスクとされること、合計点だけでなく下位尺度の低得点にも基づいて予防策を選ぶべきとされていること、リスク評価は入院後8時間以内に行い状態変化に応じて再評価を繰り返すべきとされていることを確認した。閲覧 2026-08-04
  2. 2.A Comparison of the Braden Q and the Braden QD Scale to Assess Pediatric Risk for Pressure Injuries During Noninvasive Ventilation(Respiratory Care・2021)小児用のBraden Qスケールは重症患者の不動化関連圧迫損傷を主な対象として妥当性検証されており医療機器関連圧迫損傷の予測には不十分であったこと、Braden QDスケールは医療機器の数やリポジショニング可能性・皮膚保護といった項目を追加し医療機器関連圧迫損傷のリスクを評価対象に含むよう拡張されたことを確認した。閲覧 2026-08-04