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ECOG PS

ECOG performance status

別名
ECOG
臓器系
腫瘍
科目
Oncology
トピック
腫瘍学 I-31:臨床効果判定基準と全身状態評価
適用疾患
悪液質悪性中皮腫

🧠 全体像(Eastern Cooperative Oncology Group performance status)は、がん患者が日常生活・身の回りのことをどこまで自力でできるかを0〜5の6段階で評価する全身状態スケールである。が腫瘍の解剖学的な広がりを表すのに対し、患者側の軸——治療に耐えられるか、化学療法の適応があるかを判断するであり、両者は評価対象がまったく異なるため独立に併用する。臓器・を問わず、ほぼすべての・血液腫瘍の診療で共通言語として使われる汎用ツールである。

目的と適用場面

内容
目的 がん患者のを層別化する
対象 ・放射線治療・手術など、を検討するがん患者全般
使う場面 決定時(化学療法の適応判断)、の適格基準、治療効果・予後の評価時
評価しないもの 腫瘍の、臓器別の(心肺機能など)、症状そのものの強さ

構成要素と配点

複数項目を加点する形式ではなく、単一軸のGrade 0〜5で評価する。

Grade 状態
0 無症状で、発症前と同じ活動が制限なく可能
1 症状はあるが歩行可能で、軽い労作・座業(事務作業など)は行える
2 歩行・身の回りの動作は自力で可能だが就労は不能。日中の50%以上は起きて過ごせる
3 身の回りのことが限定的にしかできない。日中の50%以上を・座位で過ごす
4 全く身の回りのことができず、終日
5 死亡

💡 似た目的のツールにKarnofsky Performance Status(があり、100(正常)から0(死亡)まで10刻みで評価する。ECOGとには対応関係の目安があるが、完全な一対一換算ではない 70はECOG 1にも2にも相当しうる)ため、や文献の数値を機械的に変換しない。

解釈とカットオフ

Grade 対応の目安
0〜1 標準的な強度のの適応になりうる
2 治療強度を下げる、または支持療法を強化したうえで治療を検討する
3〜4 積極的な抗は適応外となることが多く、・支持療法が中心になる

⚠️ この対応欄は目安であって固定の適応基準ではないの適格基準(多くはPS 0〜1、一部2まで)や個々の薬剤の基準は治療前に個別に確認する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ PSが低い(全身状態が良い)ことは、腫瘍が進行していないことを意味しない。PSとTNM病期は独立の軸であり、TNM Stage IVでもPS 0の患者は珍しくない。

⚠️ PSの悪化は腫瘍そのものだけでなく、疼痛・感染・貧血・・うつなど可逆的な原因によることがある。PSが悪いという理由だけで治療の適応を機械的に除外する前に、可逆的な原因を検索し治療できないかを確認する。

⚠️ 評価者間のばらつきが大きく、特にGrade 1と2の境界は主観に左右されやすい。単一の数値として厳密に扱いすぎず、実際の生活状況の記述と合わせて解釈する。

まとめ

  • は0(無症状でなし)から5(死亡)までの6段階で、がん患者の全身状態を評価する単一軸のスケール。
  • (腫瘍の)とは評価対象が異なり、独立して併用する。
  • Karnofsky Performance Status()という類似ツールがあるが、ECOGとの換算は目安にとどまる。
  • PS 0〜1は標準治療の適応になりやすく、3〜4ではが中心になる。
  • PSの悪化には疼痛・感染・貧血など可逆的な原因がありうるため、を機械的に除外しない。