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ESSIC分類

ESSIC classification

別名
ESSIC types間質性膀胱炎/膀胱痛症候群ESSIC分類
臓器系
腎・泌尿器
科目
Obstetrics and Gynecology (Gynecology)
トピック
婦人科 32:骨盤痛
構成:画像所見
糸球体様出血(点状出血)Hunner病変
適用疾患
間質性膀胱炎

🧠 全体像:ESSIC分類は、/を配点で重症度を足し合わせるスコアではなく、所見×生検所見の2軸マトリクスで病型(フェノタイプ)に区分する分類体系である。ヨーロッパ研究会(ESSIC)が2008年に、施設・地域ごとに定義が割れていた「」を「(BPS)」として再定義する提案の一部として作られ、現在は(欧州泌尿器科学会)のガイドラインが採用している。type 3C(+生検陽性)だけが唯一、との両方でしか確定できない病型であり、(・の適応)を直接左右する。

目的と適用場面

目的は、症状だけでは判別できないIC/BPSの2大病型(Hunner型/非Hunner型)を、な内視鏡・組織所見で区分し、亜型に応じた(・切除の適応判定など)につなげることである1。対象は、症状(慢性の膀胱関連・頻尿・)から一次性(PBPS)が疑われ、confusable disease(・など症状を説明しうる他疾患)を除外したのち、全身麻酔下の硬性を受ける患者に用いる1。⚠️ 元々のESSIC提案は「病型分類」(type)と「」を別の階層として整理しており、本分類は診断そのものではなく診断後の病型区分である2。

構成要素と病型マトリクス

ESSIC分類は加点式ではなく、(水圧拡張時)所見と膀胱生検の組織所見を独立した2軸として組み合わせ、「数字+ベット」で病型を表記する(例:type 3C)1。

所見(軸1) 内容
XX 未施行
1 正常
2 点状出血(出血)——grade 2〜3と規定される1
3 あり
生検所見(軸2) 内容
X 未施行
A 正常
B
C 陽性

⭐ 2軸を組み合わせて病型を表記する。 たとえばでがあり生検が陽性であればtype 3C、は点状出血のみで生検が正常ならtype 2Aというように、数字(所見)とベット(生検所見)を並べて記す1。

⚠️ type 3Cだけがとの両方でしか確定できない。 ガイドラインのエビデンス要約は「Primary bladder pain syndrome type 3C can only be confirmed by cystoscopy and histology.」(LE 2a)と述べ、続けて「Pain in PBPS does not correlate with bladder cystoscopy or histologic findings.」(LE 2a)——痛みの強さは・組織所見と相関しないことも明記している1。💡 したがって病型分類は重症度の指標ではなく、治療反応性の異なる亜型を区別するための軸である。

解釈とカットオフ

⭐ type 3C(+生検陽性)は、他の病型と扱いが明確に分かれる。 ガイドラインの治療推奨は「Offer transurethral resection (or coagulation or laser) of bladder lesions, but in PBPS type 3C only.」(Strong)とし、・凝固・をtype 3Cに限定して提示している3。一方、に対する凝固処置は「Coagulation of glomerulations or petequiae area is not recommended.」として推奨されていない3——同じ「での病変」でも、type 2とtype 3Cでは・切除の適応がまったく異なる。

その他の病型(を欠く型)は、IC/BPSノートで扱う非Hunner型(を伴う慢性疼痛症候群に近い病態)にあたり、行動療法・・を組み合わせた症状マネジメントが中心になる。は「非病変型でtype 3Cより排尿回数に対して有利な効果があった」と報告されており、病型によって薬剤の効きやすさも変わりうる3。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 痛みの強さから病型を推測しない。 病型は・組織所見でのみ決まり、症状の強さとは相関しない1。臨床像だけでHunner型/非Hunner型を判別できないことはIC/BPSノートでも扱っている。

⚠️ 配点式のスコアとして「点数を足す」ものではない。 他のスコア体系(など)とは異なり、ESSIC分類は2軸のカテゴリー(所見×生検所見)の組み合わせを病型ラベルとして表記するだけであり、点数の合計や重症度の段階づけには使わない。

⚠️ 水圧拡張そのものの治療効果は限定的。 ガイドラインは水圧拡張を「診断評価の一部にはなりうるが役割は限定的」と位置づけており、病型分類のための検査手技を治療そのものと混同しない3。

⚠️ そのものではない。 ESSICの2008年提案は、疾患名を(BPS)へ改め、症状+で疾患そのものを定義したうえで、病型分類(本分類)を別の階層として位置づけている2。診断が確定していない患者にいきなり病型を当てはめない。

まとめ

  • ESSIC分類はIC/BPSを、配点ではなく所見(XX/1/2/3)×生検所見(X/A/B/C)の2軸マトリクスで病型区分する体系である。
  • 2=点状出血(grade 2〜3)、3=。生検はA(正常)〜C(陽性)。type 3Cのように数字とベットを組み合わせて表記する。
  • type 3C(+生検陽性)だけがとの両方でしか確定できず、・凝固・の適応もtype 3Cに限定される。
  • 痛みの強さは・組織所見と相関しないため、症状だけから病型を推測しない。
  • 2008年のESSIC提案は疾患名を「(BPS)」へ改めたの提案であり、本分類はその中の病型分類という位置づけである。

出典

  1. 1.EAU Guidelines on Chronic Pelvic Pain — Diagnostic Evaluation(European Association of Urology・2026)2026年版(サイトの Summary of Changes は「The 2026 update comprised a limited revision」とし、全面改訂は2027年予定と述べる)の診断の章を取得して逐語確認した。一次性膀胱痛症候群(PBPS)の推奨が「Perform general anaesthetic rigid cystoscopy in patients with bladder pain to subtype and rule out confusable disease.」(Strong)であり、続く推奨が症状のある患者をEAUの定義に従って特定疾患の除外後に亜型と表現型で診断するよう求めていること。Table 4 のESSIC分類が膀胱鏡(未施行XX/正常1/点状出血2/ハンナ病変3)と生検(未施行X/正常A/不確定B/陽性C)のマトリクスであり、脚注が点状出血を grade 2-3 と規定していること。エビデンスの要約に「Primary bladder pain syndrome type 3C can only be confirmed by cystoscopy and histology.」(LE 2a)「Pain in PBPS does not correlate with bladder cystoscopy or histologic findings.」(LE 2a)とあること閲覧 2026-09-17
  2. 2.Diagnostic criteria, classification, and nomenclature for painful bladder syndrome/interstitial cystitis: an ESSIC proposal(European Urology(van de Merwe JP, et al.、European Society for the Study of Interstitial Cystitis)・2008)PubMed(PMID 17900797)の抄録をEurope PMCで取得して確認した(全文は非OAで未取得)。ESSIC(European Society for the Study of Interstitial Cystitis)が4回の会議と電子メールでの協議を経て、「間質性膀胱炎(IC)」という語が施設・地域ごとに異なる意味を持つ問題を解消するため、疾患名を「膀胱痛症候群(bladder pain syndrome, BPS)」へ変更することに合意したこと、BPSの診断基準を「膀胱に関連すると感じられる慢性の骨盤部疼痛・圧迫感・不快感に、持続する尿意切迫感や頻尿など他の下部尿路症状の少なくとも1つを伴うもの」とし、症状を説明しうる他の疾患(confusable disease)を除外することを要件としたこと、BPSの病型分類は膀胱水圧拡張時の膀胱鏡所見と膀胱生検の組織学的所見に基づいて行いうるとしたこと、移行期にはICを包含する「BPS/IC」という総称を用いることに合意したことを確認した。閲覧 2026-09-17
  3. 3.EAU Guidelines on Chronic Pelvic Pain — Management(European Association of Urology・2026)2026年版の治療の章を取得して逐語確認した。一次性膀胱痛症候群の推奨のうち「Offer transurethral resection (or coagulation or laser) of bladder lesions, but in PBPS type 3C only.」(Strong)がESSIC分類のtype 3C(ハンナ病変+生検陽性)に限定して経尿道的切除・凝固・レーザー治療を提示するとしていること、「Coagulation of glomerulations or petequiae area is not recommended.」(点状出血・糸球体様出血の凝固は推奨されない)としていること、水圧拡張について「It can be part of the diagnostic evaluation but has limited therapeutic role」としていること、ペントサンポリ硫酸が「had a more favourable effect in non-lesion disease than in PBPS type 3C with regards to frequency of micturition」(非病変型でtype 3Cより排尿回数に対して有利な効果があった)と述べられていることを確認した。閲覧 2026-09-17