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Koos分類

Koos classification

臓器系
神経腫瘍
科目
OncologyHistopathology
トピック
腫瘍学 I-21:定位放射線治療と定位放射線手術組織病理 H2-132:シュワン細胞腫(前庭神経鞘腫の管理とschwannomatosis)
適用疾患
前庭神経鞘腫

🧠 全体像:Koos分類は、の大きさと進展度をMRI所見だけからGrade I〜IVの4段階に分ける形態学的な分類である。点数を合計する加算型のスコアではなく、「内に留まっているか」「に出ているか」「脳幹に接しているか」「脳幹をしているか」という進行の一本道を4段階に区切った順序分類にすぎない。この段階分けはを論じるときの共通言語になるが、Grade だけで治療が決まるわけではない——に関しては「Koos分類単独ではの指標として適さない」とした報告がある。

目的と適用場面

内容
目的 の大きさ・進展度を4段階(Grade I〜IV)に分類する
対象 造影MRIでと診断された患者
使う場面 診断時の評価、経過観察中の画像評価、(経過観察/)の選択
評価しないもの 聴力・そのもの、症状の有無、両側性かどうか(NF2の判定はKoos分類の対象外)

構成要素と配点

Koos分類は点数を加算する形式ではなく、内から脳幹までの進展度をそのままGrade I〜IVに割り当てる1

Grade 定義
I 内に完全に限局する小型腫瘍(intrameatal)
II 内外にまたがって進展するが、脳幹に接触しない
III 小脳橋角槽を占め、脳幹に接触することはあるがしない
IV 脳幹(および脳神経)を・偏位させる大型腫瘍

⭐ Grade IIとIIIの境界は「脳幹に接触するかどうか」、Grade IIIとIVの境界は「脳幹をするかどうか」で引かれる。単なる大きさではなく、脳幹との関係性が段階を分ける軸になっている。

解釈とカットオフ

Grade自体は診断名ではなく、管理方針を選ぶ目安として使われる。

Grade 目安となる管理方針
I〜II 小型病変。無症候・非増大なら経過観察、増大や症候があればを優先することが多い2
III 中等度。のいずれも選択肢になり、症状・年齢・患者の希望で個別化する
IV 大型・脳幹が中心となる2

💡 このは目安であってな適応基準ではない。実際のは大きさだけでなく、症候の有無・増大速度・年齢・・患者の価値観を合わせて決める。管理方針の詳細(腫瘍制御率・聴力温存率・合併症)は側の管理方針の表を参照する。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ Koos分類はもともと神経外科的な決定のために作られたものであり、後の転帰・毒性の予測に必ずしも十分ではない。単一のGradeの中にも腫瘍体積・形状に幅があり、後の経過はGrade でも腫瘍体積でも単独では予測できないと報告されている3

⚠️ は良好だが完全ではない(Fleiss’ κ 0.71)1。境界域の腫瘍ではGradeの判定が評価者によってずれうるため、経過観察の可否をGrade単独で機械的に決めない。

⚠️ 聴力・などの機能評価を含まない。手術後のHouse-Brackmann分類など別の指標で記録する。

⚠️ 両側性か片側性かは評価しない。両側性を認めた場合は(NF2)を疑う別の評価が必要で、Koos分類はその判定を代替しない。

まとめ

  • Koos分類はの進展度をGrade I(内限局)からGrade IV(脳幹)までの4段階に分けるで、点数を加算するスコアではない。
  • Grade II/III、III/IVの境界はそれぞれ「脳幹に接触するか」「脳幹をするか」で決まる。
  • Grade I〜IIは経過観察・、Grade IVはが中心となる目安として使われる。
  • 神経外科的な決定のために作られた分類であり、の転帰・毒性予測には必ずしも十分でない。
  • は良好だが完全ではなく、聴力・や両側性の評価は含まない。

出典

  1. 1.Koos Classification of Acoustic Schwannomas: A Reliability Study(Congress of Neurological Surgeons 2018 Annual Meeting(Erickson N, Schmalz PGR, Agee B, et al., University of Alabama at Birmingham)。Koos分類の原著はKoos WT, Day JD, Matula C, Levy DI. Neurotopographic considerations in the microsurgical treatment of small acoustic neurinomas. J Neurosurg. 1998;88(3):506-512・2018)1998年のKoos分類の原記載としてGrade Iは内耳道内に完全に限局する小型腫瘍、Grade IIは内耳道内外にまたがるが脳幹に接触しない小型腫瘍、Grade IIIは小脳橋角槽を占め脳幹に接触するが圧排しない腫瘍、Grade IVは脳幹・脳神経を圧排する大型腫瘍と定義されていることを確認し、40例のMRIを用いた評価者間信頼性がFleiss' κ 0.71(Kendall's W 0.92、ICC 0.88)、評価者内信頼性は4人中3人で完全一致に近い水準であったこと閲覧 2026-08-11
  2. 2.Vestibular Schwannoma(StatPearls (NCBI Bookshelf)(Sheikh MM, De Jesus O)・2023)定位放射線手術(単回12〜13Gy)が小型(Koos I〜II中心)で手術リスクが高い患者に選ばれ1年局所制御100%・聴力温存率57.5〜81%・顔面/三叉神経障害6.1%/12.2%であること、顕微鏡下手術が大型(Koos IV)・脳幹圧排・症候性の病変に選ばれ全摘率98%・聴力温存率14.4〜37.5%・顔面/三叉神経障害35.3%/22%・死亡率1.1%であることを確認した閲覧 2026-08-11
  3. 3.Outcome and toxicity analysis of single dose stereotactic radiosurgery in vestibular schwannoma based on the Koos grading system(Scientific Reports(Rueß D, Pöhlmann L, Grau S, et al.)・2020)Koos分類がもともと神経外科的な治療方針決定のために開発されたものであり、定位放射線手術後の転帰・毒性を予測する目的には必ずしも十分でないと指摘していること閲覧 2026-08-11