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Nugentスコア

Nugent score

臓器系
生殖・産婦人科感染症
科目
Gynecology
トピック
婦人科 13:外陰・腟の炎症性疾患
構成:検査値
腟グラム染色
適用疾患
細菌性腟症

🧠 全体像は、標本をで鏡検し、3つのを段階評価して合算する、研究上の基準法である。日常診療でベッドサイド診断を担うのはであり、は主に臨床研究や診断法の精度検証で用いられる。

目的と適用場面

内容
目的 の細菌叢を定量的・段階的に評価し、の有無を判定する
対象 を疑う患者の
使う場面 臨床研究、NAATなど新規診断法の検証、多施設研究での標準化された鏡検
評価しないもの 症状の有無、そのもの、などの所見

構成要素と配点

(1,000倍)で標本を鏡検し、1視野あたりのを10視野以上にわたって平均し、3つの形態型それぞれを段階評価して合算する(合計0〜10点)。⚠️ は菌が多いほど低得点(健全な菌叢ほど点が下がる逆向きの採点)だが、残り2形態は多いほど高得点であり、向きが逆であることを取り違えやすい。

0点 1点 2点 3点 4点
1視野30以上 1視野5〜30 1視野1〜4 1視野1未満 なし

0点 1点 2点 3点 4点
なし 1視野1未満 1視野1〜4 1視野5〜30 1視野30以上

⚠️ この項目のみ0〜2点で、他の2項目(0〜4点)より点数の刻みが粗い。

0点 1点 2点
なし 1視野4以下(1未満を含む) 1視野5以上

合計は3形態型の点数の単純合計で、0〜10点となる1

解釈とカットオフ

合計点 判定 意味
0〜3点 正常 Lactobacillus優位の健全な
4〜6点 正常ともBVともいえない移行的な菌叢像
7〜10点 BVと判定する1

💡 (4〜6点)の扱いが臨床判断で問題になる。 は「正常でもBVでもない」とだけ判定が出るため、それ単独では方針を決められない。NAATの精度検証研究では、を基準としつつの症例にはを併用して最終判定を補っており、単独に依拠しない運用が実際には広く行われている2

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 熟練した検鏡技術を要し、施設間差が大きい。 3形態型をで数え分ける作業は専門的な訓練を要し時間もかかるため、多くの臨床現場では簡便なに置き換えられている3

⚠️ NAATなど分子検査の検証は、しばしばにはを併用)を基準として行われてきた。が今なお検査室における基準法として扱われていることの表れである2

⚠️ 培養はGardnerella vaginalisが健常な腟内にも存在しうるため単独では診断に用いず、はこの限界を補う目的でも使われる。

⚠️ 無症候の女性で陽性でも、にならない場合がある。 へのBV一律スクリーニングは早産リスクの高低にかかわらず推奨されておらず、で偶発的にBV相当の所見を得ても、症候の有無を離れて自動的に治療対象となるわけではない2

まとめ

  • 標本を3形態型()で採点し合算する、BV診断の研究上の基準法である。
  • は菌が多いほど低得点、残り2形態は多いほど高得点という向きの違いがあり、のみ0〜2点で刻みが粗い。
  • 合計0〜3点は正常、4〜6点は、7〜10点はBVと判定する。は単独では判断できず、など他の所見を併せて扱う。
  • 熟練した検鏡技術を要し施設間差が大きいため、日常診療のベッドサイド診断はが担い、は主に研究・精度検証に用いられる。

出典

  1. 1.Reliability of diagnosing bacterial vaginosis is improved by a standardized method of Gram stain interpretation(American Society for Microbiology(Journal of Clinical Microbiology)・1991)原著の採点表(Lactobacillus形態は1視野あたりの菌数が多いほど0〜4点で低得点、Gardnerella・Bacteroides様形態は0〜4点、彎曲グラム可変桿菌は0〜2点でいずれも菌数が多いほど高得点)と、合計0〜3点を正常、4〜6点を中間型、7点以上を細菌性腟症とする判定基準を確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.Diagnosis and Management of Bacterial Vaginosis: Summary of Evidence Reviewed for the 2021 CDC Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines(CDC(Clinical Infectious Diseases誌掲載のガイドライン根拠レビュー)・2021)NAATなど分子検査の妥当性検証がしばしばNugentスコア(中間型にはAmsel基準を併用)を基準として行われてきたこと、無症候性妊婦へのBV一律スクリーニングは早産リスクの高低にかかわらず推奨されないことを確認した閲覧 2026-08-04
  3. 3.Amsel Criteria(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)Nugentスコアが細菌性腟症診断における検査室の基準法とされてきた一方、専門的な検鏡技術を要し判定に時間がかかるため多くの臨床現場ではAmsel基準に置き換えられていること、両基準の診断精度がおおむね同等とされることを確認した閲覧 2026-08-04