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Amsel基準

Amsel criteria

臓器系
生殖・産婦人科感染症
科目
GynecologyDermatology
トピック
婦人科 13:外陰・腟の炎症性疾患皮膚科 2-11:細菌性腟症皮膚科 2-02:腟分泌物の診断と管理
構成:症状
分泌物
構成:検査値
腟pHwhiff試験clue cell
適用疾患
細菌性腟症

🧠 全体像は、(BV)をベッドサイドで完結させて臨床診断するための基準である。の性状・・clue cellという4項目のうち3項目以上を満たせばBVと判定する。同じくBV診断に用いられるを要する研究上の参照基準であるのに対し、顕微鏡と試験紙だけで即座に判定できる臨床実地向けの基準という役割分担を理解しておく必要がある。

目的と適用場面

内容
目的 の臨床診断(重症度や予後を評価するものではない)
対象 異常な・臭いなど腟症状を訴える患者
使う場面 外来・救急でのベッドサイド診断。グラム染色設備がなくても顕微鏡と試験紙・だけで完結する
評価しないもの BVの重症度・再発リスク・治療反応。無症候女性のスクリーニング目的には設計されていない

構成要素

⭐ 4項目のうち3項目以上を満たせば陽性(BV)と判定する。

項目 判定方法
の性状 薄く均一な灰白色〜黄色の
中央から採取した検体でpH >4.5
分泌物に10%を加え、直後に生じる様のの有無を判定する。患者自身が申告する「がする」という訴えだけでは陽性とみなさない1
clue cell を鏡検し、細菌に覆われ辺縁が不明瞭になった全上皮細胞の20%以上を占める2

解釈とカットオフ

該当項目数 判定 特徴
3〜4項目 陽性(標準・修正いずれでも) 76.32%・特異度92.31%1
2項目 では陽性、標準基準では陰性 感度96.97%・98.75%と除外に有利だが、特異度は標準基準より下がる1
0〜1項目 陰性(いずれの基準でも) BV以外の原因(など)を検討する

💡 標本上で)形態を採点し合算する(通常7点以上をBVと判定)は、感度89%・特異度83%とに匹敵する精度を持つが、研究領域で主に用いられ臨床現場ではには使われない。一方は機器を要さず低コストで迅速に判定できるため臨床現場で一般的に用いられる2。両者は優劣ではなく、目的に応じて使い分けられている。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ とclue cellの判定は検者の主観・技量に依存する。 の感度は報告差が大きく、37%と低い値を報告した研究もあるが、この食い違いの理由は明らかになっていない1。判定の主観性は限界として別に指摘されているもので、低感度の原因として確かめられたものではない。

⚠️ は特異度が低い。・精液・直後で上昇するほか、でも上昇するため、pH単独ではBVとこれらを鑑別できない。

⚠️ との合併例では、分泌物の性状や炎症所見が混ざり、各項目だけでは正しく分類できないことがある。

⚠️ 男性パートナーの評価や無症候女性のスクリーニングを目的として設計されたものではない。は無症候・低リスク女性へのBVスクリーニングを推奨していない1

まとめ

  • の性状・>4.5・陽性・clue cell20%以上の4項目中3項目以上でBVを臨床診断する。
  • がグラム染色を要する研究上の参照基準であるのに対し、は機器を要さずベッドサイドで完結する臨床実地向けの基準である。
  • ・clue cell判定は検者の主観に依存し、報告される感度の幅が大きく、37%と低い報告もある。・精液・で偽陽性を起こし特異度が低い。
  • 男性パートナーの評価や無症候女性のスクリーニングには使わない。

出典

  1. 1.Amsel Criteria(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)修正Amsel基準(2項目以上)の感度96.97%・陰性的中率98.75%、通常のAmsel基準(3項目以上)の陽性的中率76.32%・特異度92.31%、Amsel基準の感度に37%と低い報告があること(なお89.9%という感度はclue cell単独の値であってAmsel基準4項目の値ではない)、患者自身の「魚臭がする」という申告だけではwhiff試験陽性とみなさないこと、USPSTFが無症候・低リスク女性へのBVスクリーニングを推奨していないことを確認した閲覧 2026-08-04
  2. 2.Bacterial Vaginosis(StatPearls (NCBI Bookshelf)・2026)clue cellの判定閾値が全上皮細胞の20%以上であること、whiff試験がKOH添加後の魚臭様臭気の有無で判定されること、Nugentスコアの感度89%・特異度83%という数値と、Nugentが主に研究領域で用いられ臨床現場では日常的に使われないのに対しAmsel基準は臨床現場で一般的に使われるという位置づけの違いを確認した閲覧 2026-08-04