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Olerud-Molander足関節スコア

Olerud-Molander Ankle Score

別名
OMAS
臓器系
運動器
科目
Traumatology and Orthopedics
トピック
外傷学 33:足関節骨折の種類と治療
構成:症状
疼痛腫脹
適用疾患
足関節骨折

🧠 全体像:Olerud-Molander Ankle Score(OMAS)は、後の症状と機能を患者自身の申告に基づいて9項目・合計100点で評価する患者報告式尺度である。が診察して採点するAOFAS後足部スコアと違い、疼痛・こわばり・腫脹・昇降・走行・跳躍・しゃがみ込み・支持具の要否・仕事や日常活動への復帰度をすべて患者に尋ねて点数化する。100点が「まったく障害なし」、0点が「高度な障害」を意味し、点数が高いほど良好である。

目的と適用場面

内容
目的 後の症状・機能を患者報告に基づき100点満点で評価する
対象 の治療後経過を追う患者
使う場面 手術と保存治療を比較するの、外来での経過フォロー
評価しないもの 画像所見そのもの、が診察して判定するやアライメント

1984年にOlerudとMolanderが後の症状評価のために開発した、患者自身が回答する採点尺度である1。

構成要素と配点

疼痛(0〜25点)

25点 20点 10点 5点 0点
なし 時のみ 平地屋外歩行時 屋内歩行時 常時かつ高度

こわばり(0〜10点)

10点 0点
なし あり

腫脹(0〜10点)

10点 5点 0点
なし 夕方のみ 常時

昇降(0〜10点)

10点 5点 0点
問題なし 障害あり 不可能

走行(0〜5点)

5点 0点
可能 不可能

跳躍(0〜5点)

5点 0点
可能 不可能

しゃがみ込み(0〜5点)

5点 0点
問題なし 不可能

支持具(0〜10点)

10点 5点 0点
不要 ・ 杖・

仕事・日常活動(0〜20点)

20点 15点 10点 0点
受傷前と同じ ペースが落ちた より簡単な仕事・パートタイムへ変更 就労能力が高度に障害

9項目の合計で0〜100点となり、100点が症状・機能とも障害なし、0点が高度な障害を意味する1。

解釈とカットオフ

⭐ 単発の点数より、経過を追う変化量に意味がある。 不安定患者を対象とした検討では、臨床的に意味のある最小差()は受傷後3〜6か月で10.5〜15.0点、6〜12か月で7.5〜11.4点と時期によって異なり、の目安となる最小検出変化量は4.7〜5.2点であった1。この幅より小さい点数差を「臨床的な差」として扱わない。

治療法どうしを比較するでは、事前に定めた同等性として使われる。英国のAIM試験は±6点を同等性の許容幅とし、手術群66.0点・close contact casting群64.5点(−0.6、95%CI −3.9〜2.6)がこの範囲に収まったことをもって、高齢者の不安定における2つの治療法の機能的同等性を示した2。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 患者報告式であり、の診察所見(アライメント・可動域・画像上の)を反映しない。 OMASの点数だけで骨癒合や関節適合の良否を判断しない。

⚠️ 項目の重みづけが均等ではない。 疼痛(25点)と仕事・活動(20点)が配点の45%を占め、こわばり・腫脹・昇降・支持具(各10点)、走行・跳躍・しゃがみ込み(各5点)は相対的に軽い。同じ合計点でも、どの項目で失点したかによって臨床像は異なりうる。

⚠️ は追跡期間によって変わる。 受傷後早期(3〜6か月)のほうが後期(6〜12か月)よりが大きい傾向があり、時期の異なる集団の変化量を同じ基準で比較しない1。

まとめ

  • OMASは後の症状・機能を患者報告に基づき9項目・合計100点で評価する尺度である。
  • 配点は疼痛25点・仕事/活動20点を中心に、こわばり・腫脹・昇降・支持具が各10点、走行・跳躍・しゃがみ込みが各5点。
  • 臨床的に意味のある最小差()は時期によって7.5〜15.0点程度と幅があり、これより小さい差を過大評価しない。
  • 治療法の同等性を検証するでは、事前に定めた許容幅(例:±6点)との比較に使われる。
  • 患者報告式尺度であり、画像所見や診察所見の代わりにはならない。

出典

  1. 1.The minimal clinically important difference (MCID) of the Olerud Molander Ankle Score (OMAS) in patients with unstable ankle fracture(Archives of Orthopaedic and Trauma Surgery・2022)9項目(疼痛0〜25点・こわばり0〜10点・腫脹0〜10点・階段昇降0〜10点・走行0〜5点・跳躍0〜5点・しゃがみ込み0〜5点・支持具0〜10点・仕事/日常活動0〜20点)の合計で0〜100点となる採点表の各段階(例:疼痛は「なし25点、不整地歩行時20点、平地屋外歩行時10点、屋内歩行時5点、常時かつ高度0点」)を確認したこと、原著がOlerud C・Molander Hによる『A scoring scale for symptom evaluation after ankle fracture』(Archives of Orthopaedic and Trauma Surgery、1984年、103巻3号190〜194頁)であること、不安定足関節骨折患者を対象にMCID(臨床的に意味のある最小差)を検討したところ受傷後3〜6か月で10.5〜15.0点、6〜12か月で7.5〜11.4点、最小検出変化量が4.7〜5.2点であったことを確認した。閲覧 2026-09-05
  2. 2.Close Contact Casting vs Surgery for Initial Treatment of Unstable Ankle Fractures in Older Adults: A Randomized Clinical Trial(JAMA・2016)英国24施設で60歳を超える成人620例の明らかに不安定な急性足関節骨折を手術とclose contact castingに割り付けた実用的な同等性無作為化比較試験で、主要評価項目に6か月時のOlerud-Molander Ankle Scoreを用い、あらかじめ定めた同等性の許容幅を±6点としたこと、per protocol解析で手術66.0点(95%CI 63.6〜68.5)対ギプス64.5点(61.8〜67.2)・平均差−0.6(95%CI −3.9〜2.6)で許容幅に収まり同等性が示されたことを確認した(抄録のみを閲覧しており全文は未取得)。閲覧 2026-09-05