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TWEAK

TWEAK

臓器系
精神
科目
Public Health
トピック
公衆衛生 09:アルコールSBI(スクリーニングと短時間介入)(roleplay)
適用疾患
胎児性アルコール症候群

🧠 全体像は、と並ぶ妊娠期の飲酒リスクを検出するための専用スクリーニングである。名称は5項目の頭文字Tolerance・Worried・Eye-opener・Amnesia・K/Cut downに由来し、それぞれ順に、飲酒への耐性・周囲からの心配や苦情・朝の・記憶脱落(ブラックアウト)・飲酒を減らす必要性を問う。開発者のMarcia Russellは、のTolerance項目とのEye-opener項目を、心配・記憶脱落・減酒という3つの中核項目に組み合わせて作った。7点満点で、ToleranceとWorriedだけが2点、残り3項目は各1点という均等でない配点が最大の特徴である。

目的と適用場面

内容
目的 妊娠中の女性におけるの有無を短時間ので拾い上げる
対象 妊婦、または妊娠を計画している女性
使う場面 産科の初診・定期健診での飲酒スクリーニング。陽性なら詳細な飲酒歴の聴取と、必要に応じた・専門治療への紹介につなげる
評価しないもの /FASDの診断そのもの、直近の具体的な飲酒量・頻度、

はRussellが、の「どのくらいまで飲んでも保持できるか」を問うTolerance項目と、の朝のを問うEye-opener項目を、Worried・Amnesia・Cut downという3項目——これら3項目だけであらかじめ飲酒問題を抱える女性の70%を識別できるという知見が先行していた——に組み合わせて構成した1。1994年、デトロイトの産科クリニックに通院した妊婦4,743人を対象とした検証で、・NET・MASTなど他のと比較され、1日1オンス以上の摂取と定義した周産期の危険飲酒に対する検出精度が確認された2

構成要素と配点

5項目、合計0〜7点。ToleranceとWorriedの2項目だけが2点、残り3項目(Eye-opener・Amnesia・Cut down)は各1点という非対称な配点になっている1

T:Tolerance

質問の要旨 配点
どのくらいまで飲んでも保持できるか(意識を失わずにいられるか) 5杯を超えても意識を失わないと答えた場合:2点
上記に該当しない 0点

W:Worried

質問の要旨 配点
過去1年以内に、親しい友人や親族から飲酒について心配された、または苦情を言われたことがあるか はい:2点
いいえ 0点

E:Eye-opener

質問の要旨 配点
起床時に、神経を落ち着かせるために朝から飲酒することがあるか はい:1点
いいえ 0点

A:Amnesia

質問の要旨 配点
飲酒中に自分が言ったこと・したことを、後で友人や家族から聞くまで覚えていなかったことがあるか はい:1点
いいえ 0点

K(C):Cut down

質問の要旨 配点
飲酒量を減らす必要があると感じることがあるか はい:1点
いいえ 0点

💡 5項目のうちToleranceとWorriedだけが2点という重み付けは恣意的なものではなく、Russellの先行研究でこの2項目が飲酒問題の識別に強く寄与すると確認されたことに基づく1。Tolerance項目は妊娠による生理的な耐性低下(同じ量でも酔いやすくなる)を踏まえてもなお高い耐性を報告する点を拾おうとする設計であり、単なる「飲める量」の自慢話とは区別して聞き取る必要がある。

解釈とカットオフ

点数帯 対応
0〜1点 陰性。ただし単一のだけで飲酒問題を否定はできない
2点以上 妊娠期の危険飲酒を疑う標準。詳細な飲酒歴の聴取・専門的評価へ進む

原版のスコアカードは、一般成人(妊婦に限らない)を対象とした場合の「重度/問題飲酒者」の目安として3点以上を挙げている1。一方、妊娠期の危険飲酒を検出する目的で検証された研究では、いずれも2点以上を標準として用いている23。同じでも、・検出目的によっての運用が異なる点に注意する。

感度・特異度は、質問の言い回し(「どのくらい保持できるか」を直接尋ねる版と、「何杯で酔いを感じ始めるか」を尋ねる版があり、Tolerance項目の聞き方が研究間で異なる)とによって変動する。

  • Russell(1994年、デトロイトの産科クリニック通院妊婦4,743人):2点で感度79%・特異度83%、1点で感度87%・特異度72%、3点で感度59%・特異度94%2
  • Russell(1996年、デトロイトの恵まれない環境のアフリカ系アメリカ人妊婦、に組み込んだ投与形式):2点で感度91%・特異度77%3

⭐ いずれの検証もデトロイトのアフリカ系アメリカ人妊婦という限定された集団に基づく数値であり、「感度79〜91%・特異度77〜83%」という範囲を他の人種・地域の妊婦集団にそのまま当てはめてよいとは限らない。

限界と使ってはいけない場面

⚠️ 検証集団がデトロイトのアフリカ系アメリカ人妊婦に偏っている。 主要な検証研究はいずれもこの単一都市・単一人種集団を対象としており、他の人種・社会経済背景を持つ妊婦集団での性能は同程度とは限らない23

⚠️ 自己申告に依存し、を受ける。 妊娠中の飲酒はにも医学的にも強く忌避されるため、以上に過小申告が生じやすい可能性がある。

⚠️ 記憶脱落を問うAmnesia項目は、他人から指摘された経験を問う設計のため、一人暮らしなど飲酒中の言動を見た第三者がいない状況では拾えないことがある。

⚠️ 診断ツールではない。 陽性は妊娠期の危険飲酒の可能性を示すにすぎず、/FASDの診断や、を置き換えない。陽性であれば詳細な飲酒歴の聴取と専門的評価に進む。

⚠️ の運用に注意する。 一般成人向けの「3点以上」という原版の目安をそのままに使うと、妊娠期の危険飲酒に対する感度を大きく下げる。妊婦を対象とする場合は検証済みの「2点以上」を用いる23

まとめ

  • はTolerance・Worried・Eye-opener・Amnesia・K/Cut downの5項目からなる、妊娠期の危険飲酒を検出するために開発された専用スクリーニングである。
  • 配点はToleranceとWorriedが各2点、残り3項目が各1点で合計0〜7点という非対称な配点になっている。
  • 妊娠期の危険飲酒を検出する標準は2点以上で、検証研究では感度79〜91%・特異度77〜83%が報告されている。一般成人向けの原版スコアカードが示す「3点以上」という目安とは異なる点に注意する。
  • 主要な検証集団はデトロイトのアフリカ系アメリカ人妊婦に限られ、他集団への一般化には限界がある。
  • 診断ツールではなく、陽性であれば詳細な飲酒歴の聴取と専門的評価へつなげる。妊婦専用という点でより高い感度を示すが、と並ぶ選択肢であり、優劣は・質問の言い回しによって変わりうる。

出典

  1. 1."TWEAK" Test(Research Institute on Addictions)5項目の質問文の原文、配点(Tolerance・Worriedが各2点、Eye-opener・Amnesia・Cut downが各1点で合計7点満点)、および原版スコアカードが定める「3点以上で重度/問題飲酒者」という一般成人向けの目安を確認した閲覧 2026-08-10
  2. 2.Screening for pregnancy risk-drinking(Alcoholism, Clinical and Experimental Research・1994)デトロイトの産科クリニックに通院したアフリカ系アメリカ人妊婦4,743人を対象にTWEAK・T-ACEなど5種の質問票の周産期危険飲酒の検出精度を比較し、カットオフ1点で感度87%・特異度72%、2点で感度79%・特異度83%、3点で感度59%・特異度94%となり、カットオフ2点でT-ACEより有意に高い感度を示したことを確認した閲覧 2026-08-10
  3. 3.Detecting risk drinking during pregnancy: a comparison of four screening questionnaires(American Journal of Public Health・1996)デトロイトの恵まれない環境のアフリカ系アメリカ人妊婦を対象に、問診にそのまま組み込む形式で投与したTWEAKがカットオフ2点で感度91%・特異度77%と、同条件で投与したT-ACEの感度88%・特異度79%をわずかに上回ったことを確認した閲覧 2026-08-10