症状ノート一覧へ

Symptoms · Published

手指腫脹

Puffy fingers

臓器系
免疫・膠原病
科目
Internal Medicine
トピック
内科学 S-46:全身性自己免疫疾患:全身性強皮症・炎症性筋疾患・混合性結合組織病
関連疾患
混合性結合組織病

🧠 全体像は、指全体が軟部組織性にびまん性・に腫大する所見で、「」と呼ばれることがある。(MCTD)ではRaynaud現象と並び、経過を通じてほぼ全例にみられる共通所見(core feature)であり、分類基準の必須項目にも採用される。

何が腫れているのか

の実体は関節炎ではなく、を背景としたである。初期は皮膚をつまめる程度の軟らかい腫れだが、線維化が進むと皮膚が皮下組織に癒着してつまめなくなるへ移行しうる。

段階 性状 可逆性
浮腫期( 軟らかい、、皮膚をつまめる 治療・で軽快しうる
皮膚が硬く皮下に癒着、つまめない 進行すると不可逆になりうる

⚠️ 同じ「」という表現でも中身が違う。 などでみられる(dactylitis)も指全体が「」に腫れるが、これは関節炎とによる炎症性腫脹で、単一〜少数の指に非対称に生じ圧痛を伴う。一方MCTDのは関節炎ではなく血管障害・浮腫が主体で、両側対称に多数の指へ及び、圧痛を欠くことが多い。見た目の表現が同じでも機序と分布が異なるため混同しない。

MCTDにおける意義と全身性強皮症との異同

はMCTDに特異的な所見ではない。(SSc)でも皮膚硬化に先行する早期症状として同様のがみられ、進行すれば同じくsclerodactylyへ至りうる。両者を隔てるのはそのものではなく、とSLE様・様所見の重複であり、これがそろって初めてMCTDと分類される。したがって単独で「MCTDらしい」とは判断できず、Raynaud現象や他領域の重複所見と合わせて評価する。

まとめ

  • は関節炎ではなくによるで、進行すると不可逆な(sclerodactyly)へ移行しうる。
  • MCTDではRaynaud現象とともにほぼ全例にみられる共通所見で、分類基準の必須項目に採用される。
  • 同じ「」でも、は関節炎・による非対称・有痛性の腫脹であり機序が異なるため混同しない。
  • はSSc早期症状としても知られ、MCTDに特異的ではない。と多領域の重複所見の組み合わせでMCTDと判断する。