Biochemistry

Biochemistry · 5/3

脂質代謝の概観;脂質の吸収;カイロミクロンの代謝

Overview of lipid metabolism; absorption of lipids; metabolism of chylomicrons — L I

🧠 脂質吸収は「胆汁酸でで加水分解→に取り込み→に詰めてリンパへ」という一連の工程として読む。 (脂質)を(血液・リンパ)で運ぶための解決策がリポタンパクとアルブミン形成の鍵はMTP・apoB-48。として現れる。

脂質輸送の根本問題

(血漿)で運ぶという根本問題への解決策が、リポタンパク粒子と、を運ぶアルブミン(1分子あたり最大約10個の脂肪酸を結合)。

  • 食事脂質は工業国で1日エネルギーの40%以上を占めることもあるが、栄養指針は総カロリーの30%以下を推奨。
  • 食事脂質量の目安:60–150 g/日、その約90%がトリグリセリド、残り10%がリン脂質・コレステロール・・脂肪酸。

消化管での脂質消化

食欲・消化ホルモン

が十二指腸・空腸のI細胞から、脂肪・タンパク質に富む食事で分泌され、活性化・を引き起こす。加齢でCCK分泌が増加し、食欲低下(20〜80歳で男性最大1200 kcal/日、女性最大800 kcal/日の摂取減少)につながる。

胆汁中の脂質の物理状態

胆汁は主に水(90%超)で、胆汁酸は高い水溶性、コレステロール・リン脂質は水に不溶。胆汁酸はを超えるとしてを形成し、コレステロールをする。胆汁酸・コレステロール・リン脂質の相対濃度により、・単層/など複数の相状態が生じる(三成分、ternary phase diagram)。

⚠️ の第一段階。 胆汁酸濃度が低くリン脂質・コレステロール濃度が高い領域で、コレステロールがしやすくなる()。

腸管腔での脂質消化と取り込み

でTAG・・リン脂質を完全に消化し、脂肪酸(FA)・・コレステロール・を生じる。

取り込み経路 内容
脂肪酸・MAG 濃度勾配による拡散、またはCD36・FATP4などのタンパクが促進
コレステロール NPC1L1(Niemann-Pick C1-like 1)トランスポーターがはこの阻害薬
ABCG5-ABCG8
受動的に取り込み

エンテロサイト内での再構成とカイロミクロン形成

内でされ、TAG・・リン脂質に組み直される(MGAT・DGAT・ACATなどの酵素群による)。

flowchart TD
  A["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='luminal digestion'>管腔内消化</span>産物<br>(FA・MAG・コレステロール・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='lysophospholipid'>リゾリン脂質</span>)"]
  A --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='enterocyte'>腸細胞</span>に取り込み(CD36/FATP4、NPC1L1)"]
  B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='re-esterification'>再エステル化</span>:TAG・CE・PLに再構成<br>(MGAT・DGAT・ACAT)"]
  C --> D["MTP(<span class='jp-term jp-term-diagram' title='MTP, microsomal triglyceride transfer protein'>微粒体トリグリセリド転送タンパク</span>)が<br>apoB-48とともに<span class='jp-term jp-term-diagram' title='pre-chylomicron'>プレカイロミクロン</span>へ荷積み"]
  D --> E["小胞体→<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Golgi apparatus'>ゴルジ体</span>(PCTV輸送小胞)で成熟"]
  E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='exocytosis'>開口分泌</span> → リンパ管系で運搬"]
  • が脂質をapoB-48とともにへ荷積みする中心的因子。
  • は小胞体からへPCTV(pre-chylomicron transport vesicle)で運ばれ成熟し、リンパ系(血流でなく)へ分泌される。
  • ApoA-IVもに取り込まれ、粒子サイズの調節に関わるとされる。

⚠️ 形成障害。 MTP遺伝子異常などで合成ができないと、を来す。

腸内コレステロールの全身での行方

腸で吸収されたコレステロールの大半はとして循環に入り、最終的に肝に取り込まれ胆汁排泄される。加えて、血漿由来のコレステロールがから取り込まれ糞便へ排泄されるもある。TICEフラックスはABCG5/ABCG8が担い、LXR・FXR作動薬で刺激されうる。

脂質消化の病態

=糞便中の過剰脂肪(定義:>7 g/日)。原因により重症度が異なる。

脂肪含量 病態
7–14 g/日 一過性下痢
15–25 g/日 小腸疾患
>32 g/日

代表的な原因:セリアック病(celiac disease、約1%)、合成障害)、感染症、(異常リンパ管など)。

まとめ

  • の根本課題はで運ぶこと。解決策はリポタンパクとアルブミン。
  • 胆汁酸がコレステロール・リン脂質とを形成、濃度バランスで胆石のリスクが変わる。
  • 産物はCD36/FATP4(脂肪酸)・NPC1L1(コレステロール、の標的)で取り込まれる。
  • 内でMGAT/DGAT/ACATがし、MTP+apoB-48がを形成、リンパ系へ分泌。
  • TICE経路は血漿由来コレステロールを腸から糞便排泄する補助的経路。
  • は原因により7–14/15–25/>32 g/日で重症度が分類され、セリアック病・などが原因になる。