Biophysics

Biophysics · 26.09

MRIコントラスト―プロトン密度、T1・T2強調

MRI contrast — proton density, T1 and T2 weighting

応用トピック
血管画像診断(超音波・CT・MRI)と血管奇形神経画像検査:血管造影・CT・MRI・PET・SPECT腫瘍診療における画像検査の役割

🧠 MRIは、とT1・の組織差を、繰り返し時間・エコー時間などの撮像条件で選択的に強調したものである。 「T1が短いから常に明るい」のではなく、と読出し時点まで含めて信号を判断する。

信号強度を決める三要素

単純なエコー系列の信号は概念的に

Sρ(1eTR/T1)eTE/T2S\propto \rho\left(1-e^{-TR/T_1}\right)e^{-TE/T_2}

と表せる。ρ\rhoは信号を生む移動可能な水素核の、TRは励起を繰り返す時間間隔、TEは励起からを読み出すまでの時間である。実際の信号にはコイル感度、流れ、拡散、も影響するが、この式が基本的なを示す。

撮像条件による強調

強調法 典型的なTR 典型的なTE 主に強調する差
短い 短い の回復速度
長い 長い の減衰速度
強調 長い 短い 信号に寄与する陽子数

短いTRではT1回復差が残り、長いTEではT2減衰差が拡大する。を見たいときは、長いTRでT1の影響を減らし、短いTEでT2の影響を減らす。具体的な「短い・長い」の値は磁場強度と系列に依存する。

flowchart TD
  A["組織ごとに<span class='jp-term jp-term-diagram' title='proton density'>陽子密度</span>・T1・T2が異なる"] --> B["TR で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='longitudinal magnetization'>縦磁化</span>回復を選別"]
  B --> C["TE で<span class='jp-term jp-term-diagram' title='transverse magnetization'>横磁化</span>減衰を選別"]
  C --> D["空間<span class='jp-term jp-term-diagram' title='encoding'>符号化</span>して信号を収集"]
  D --> E["画素間の信号差を画像<span class='jp-term jp-term-diagram' title='contrast'>コントラスト</span>として表示"]

空間情報と造影剤

緩和差だけでは画像にならず、による空間が信号源の位置を決める。つまり形成と位置決定は異なる役割であり、撮像系列の中で同時に実行される。

系造影剤は周囲の水の緩和時間、とくにT1を短縮し、適切な系列で造影部を高信号化しやすい。高濃度ではT2・T2*短縮もできないため、を単純に「必ず明るくする」とは表現しない。

まとめ

  • MRI信号は主に、T1回復、T2減衰と撮像系列の組合せで決まる。
  • 短いTR・短いTEはT1、長いTR・長いTEはT2を強調しやすい。
  • 長いTR・短いTEは緩和の影響を抑え、差を反映しやすい。
  • 空間が位置を、緩和とが信号を与える。