Dermatology

Dermatology · 1-18

深在性真菌症(スポロトリコーシス・クロモブラストミコーシス・真菌性菌腫)

Deep Mycoses (Sporotrichosis, Chromoblastomycosis and Mycetoma)

前提:病態
表在性・皮下真菌症

🧠 全体像は、環境中の真菌が外傷から皮下へ接種されるか、全身感染から皮膚へ播種して起こる。線状リンパ管性結節、局面、腫脹・瘻孔・顆粒という形態の違いから病型を絞り、培養・病理で病原体を確定する。

感染経路

flowchart TD
  A["土壌・腐植・植物・動物に存在する真菌"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='stab wound'>刺創</span>・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='graze, abrasion'>擦過傷</span>・咬掻傷から皮下へ接種"]
  B --> C["局所結節・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='verrucous'>疣状</span>局面・皮下膿瘍"]
  C --> D["リンパ管沿いの進展または深部組織破壊"]
  E["肺などの全身性真菌感染"] --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Hematogenous Spread'>血行性播種</span>"]
  F --> G["免疫抑制患者の皮膚病変"]

農作業、園芸、木材作業、裸足歩行などの外傷曝露が重要である。糖尿病、HIV感染などは重症化・播種のリスクとなる。1

主要3疾患の比較

疾患 病原体・侵入 特徴的な皮膚像 深部への影響
Sporothrix spp.。棘・植物片・猫の掻傷など 接種部の・潰瘍から、リンパ管に沿って無痛性皮下結節がに並ぶ 播種例では肺・骨関節・中枢神経系に及び得る。1
が外傷から接種 緩徐に拡大する強い鱗屑を伴う局面 、長期病変から扁平上皮癌を合併し得る。2
Madurella などが主に足へ接種 腫脹・排膿性瘻孔・顆粒の三徴 筋膜・筋・骨へ進展し、変形と機能障害を来す。3

の黒色または白色の顆粒は病原体の手掛かりになるが、色だけで確定しない。とは治療が異なる。

診断

  • 生検組織の、真菌培養、病理組織検査を組み合わせる。
  • では培養が標準で、必要に応じてPCRを用いる。
  • では褐色のを確認し、培養で原因菌を同定する。2
  • では顆粒を培養・病理へ提出し、超音波・MRI・単純X線で骨・軟部組織への広がりを評価する。3

治療

疾患 現在の基本方針
皮膚・ を基本とし、も選択肢となる。重症・播種例はで導入後、を長期継続する。1
単一の標準治療は確立しておらず、は切除・を検討し、広範例はまたはを長期投与する。難治例では併用療法やを専門医と検討する。2
長期抗真菌薬のみでは不十分なことが多く、十分な外科的切除を組み合わせる。骨浸潤・広範破壊では切断が必要なこともあるが、で回避を目指す。34

⚠️ 病変を「抗真菌薬が効かない」と一括せず、では真菌性か細菌性か、菌種、骨浸潤範囲を確認して治療を組み立てる。

まとめ

  • 外傷による環境真菌の皮下接種が主要な感染経路である。
  • 線状結節は局面は、腫脹・瘻孔・顆粒はを示唆する。
  • 培養・病理と画像で病原体およびを確定する。
  • 治療は長期抗真菌薬を軸に、病型に応じて切除やを組み合わせる。

出典

  1. 1.Sporotrichosis: an overview and therapeutic options(2014)スポロトリコーシスの外傷接種、リンパ皮膚型の臨床像、免疫抑制例の播種、イトラコナゾールを軸とする治療原則を確認した。閲覧 2026-08-13
  2. 2.Chromoblastomycosis: an overview of clinical manifestations, diagnosis and treatment(2009)クロモブラストミコーシスは硬化小体と培養同定で診断し、単一の標準治療がなく、薬物・物理・外科的治療を病型に応じて選ぶことを確認した。閲覧 2026-08-13
  3. 3.Mycetoma: reviewing a neglected disease(2019)菌腫の三徴、骨・筋への進展、顆粒検査・鏡検・培養・画像・分子法を組み合わせる診断、薬物と手術を含む長期治療を確認した。閲覧 2026-08-13
  4. 4.Two dose levels of once-weekly fosravuconazole versus daily itraconazole in combination with surgery in patients with eumycetoma in Sudan: a randomised, double-blind, phase 2, proof-of-concept superiority trial(2024)真菌性菌腫では治療が長期に及び失敗や切断が残ること、手術併用下でイトラコナゾールを対照とした比較試験を確認した。閲覧 2026-08-13