組織病理学

組織病理学 · H2-055A

肝硬変(ピクロシリウス染色)

Hepatic cirrhosis (picrosirius)

描出疾患
肝硬変

🧠 全体像:はを強調し、肝硬変の架橋性との関係を見やすくする。染色所見は線維量を示すが、病因そのものは決めない。

flowchart TD
    A["慢性肝傷害"] --> B["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='collagen fiber'>膠原線維</span>沈着"]
    B --> C["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='portal triad/area'>門脈域</span>間・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='portal triad/area'>門脈域</span><span class='jp-term jp-term-diagram' title='central vein'>中心静脈</span>間の架橋"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='regenerative nodule'>再生結節</span>を囲む隔壁"]
    D --> E["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='architectural distortion'>構築改変</span>・門脈圧亢進"]
観察点 解釈
赤く強調される 線維化の分布
架橋性隔壁 進行線維化・肝硬変
隔壁内の血管・胆管反応 リモデリングを反映
結節 再生肝細胞の

💡 染色の色は線維の型ではなく、太さと向きを見ている。 下でコラーゲン束が緑・赤・黄に分かれるのは線維の太さと詰まり方の違いで、シリウスレッドが吸収する量は束の向きに強く依存する。したがって色をI型・III型といったコラーゲンの型の同定には使わない1。

一方、赤い線維と黒い背景のは面積のに向く。シリウスレッド染色切片のデジタル画像解析でを測ると、同じIshak stage 6の肝硬変でもCPAは13〜45%と幅があり、CPAはと r=0.62 で相関してIshak病期より門脈圧との対応がよかった2。線維の量は段階分類より連続量のほうがよく表せる。

HE形態と病態は 肝硬変のHE染色 を参照する。

まとめ

  • ピクロシリウス染色は網を強調する。
  • 隔壁と結節の構築を評価する。
  • 単独で原因診断しない。

出典

  1. 1.Picrosirius red staining: a useful tool to appraise collagen networks in normal and pathological tissues(Journal of Histochemistry and Cytochemistry・2014)偏光下でピクロシリウスレッド染色のコラーゲン束が緑・赤・黄に見えるのは線維の太さと詰まり方を反映しているにすぎず、この色素が吸収する偏光量はコラーゲン束の向きに強く依存するため、偏光色でコラーゲンの型を区別することはできないと組織学的実例で示した。色と背景の黒とのコントラストが定量的形態計測に向くという利点は別にある。閲覧 2026-08-24
  2. 2.Computer-assisted image analysis of liver collagen: relationship to Ishak scoring and hepatic venous pressure gradient(Hepatology・2009)肝移植後のHCV患者115例から得た経静脈的肝生検250本をシリウスレッドで染めてデジタル画像解析にかけ、コラーゲン面積比(collagen proportionate area:CPA)を測ると、CPA中央値は6%(0.2〜45%)でIshak病期と相関し、同じIshak stage 6の中でも13〜45%の幅があった。CPAは肝静脈圧較差と r=0.62 で相関し、Ishak病期より圧との対応がよく、肝硬変内部の線維量をさらに定量できた。閲覧 2026-08-24