Histopathology

Histopathology · H1-075

大腸ポリープ(肉眼標本)

Polypus intestini crassi

疾患
大腸腺腫

🧠 全体像は、粘膜面からへ突出する肉眼形態の総称であり、名そのものではない。非腫瘍性ポリープ、腺腫、病変、癌を組織学的に区別し、腺腫では大きさ、絨毛成分、が癌化リスクを高める。

肉眼所見

項目 特徴
臓器 大腸
形態 粘膜面から突出する腫瘤
茎を介して可動性のある頭部が粘膜に連なる
広い基部で粘膜に接する
表面 平滑、分葉状、、発赤・びらん・潰瘍など多様
診断 肉眼形態だけで腺腫・癌を確定しない

ポリープの分類

分類 代表病変 腫瘍性
炎症性 炎症性ポリープ、 非腫瘍性
通常は非腫瘍性
病変自体と背景症候群を分けて評価
通常型腺腫 腺腫 腫瘍性
病変 腺腫 腫瘍性
ポリープ内癌を含む 悪性

小さいポリープを一律に炎症性・、大きいポリープを一律に腺腫と分類しない。大きさはリスク因子だが、病変の種類はと細胞異型で決まる。

腺腫から癌への進展

flowchart TD
    A["正常大<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intestinal epithelium'>腸上皮</span>"] --> B["APC経路などの初期異常"]
    B --> C["腺腫形成"]
    C --> D["追加の遺伝子・<span class='jp-term jp-term-diagram' title='epigenome'>エピゲノム</span>異常"]
    D --> E["異形成が進行"]
    E --> F["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='intramucosal carcinoma'>粘膜内癌</span>"]
    F --> G["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Muscularis mucosae'>粘膜筋板</span>を越えて浸潤"]
    G --> H["浸潤性大腸腺癌"]

腺腫は大腸癌の重要なだが、すべての腺腫が癌になるわけではない。

リスクを高める所見 意味
大きい病変 進行した異形成・癌を含む確率が上がる
絨毛成分 より高リスク
癌化に近い上皮内腫瘍性変化
多発 病変のリスクを示す
陥凹・潰瘍・硬さ 浸潤癌を疑う手がかり

APCと家族性大腸腺腫症

APCはWnt/β-catenin経路を制御するである。生殖細胞系列APCにより(familial adenomatous polyposis:FAP)が生じる。

誤解しやすい表現 正確な理解
出生時から多数のがある 典型的には小児後期から思春期に腺腫が出現・増加する
15歳頃に必ず癌になる 未介入では癌リスクが極めて高いが、癌発症は通常さらに後で、年齢は固定できない
APC異常がすべてのポリープを説明する 性腺腫でもAPC経路は重要だが、など別経路もある

腺腫の組織像は H1-072:大腸を越えた浸潤癌は H1-073:大腸腺癌 で確認する。

まとめ

  • ポリープは「粘膜から突出する病変」という肉眼形態の名称である。
  • 大きさだけで炎症性・を分類しない。
  • 腺腫の癌化リスクは大きさ、絨毛成分、異形成度などで層別化する。
  • FAPでは思春期頃から多数の腺腫を生じるが、出生時から癌が決まっているわけではない。