Histopathology

Histopathology · H1-087

皮膚悪性黒色腫

Melanoma malignum cutis

描出疾患
悪性黒色腫

🧠 全体像:皮膚悪性黒色腫(cutaneous melanoma)は由来の悪性腫瘍で、とは別系統の腫瘍である。臨床ではABCDE、病理では非対称性、境界部活性、、真皮浸潤を評価し、予後にはよりと潰瘍が重要である。

臨床的なABCDE

項目 意味
A:非対称性 左右で形・構造が異なる
B: 輪郭がぎざぎざで不均一
C: 黒、褐色、赤、白、青などが混在
D:径 しばしば6 mm超が手掛かりだが、小さくても否定できない
E: 大きさ、形、色、症状の変化

ABCDEは疑うための手掛かりであり、すべてを満たす必要はない。特にを重視する。

病理学的所見

層・構造 主な所見
異型の不規則な増殖
表皮内 個々のが上方へ広がるページェット様進展
真皮 腫瘍細胞巣の浸潤、深部での成熟欠如
色素 メラニン量は多様で、無病変もある
表面 潰瘍、出血、壊死、フィブリンを伴いうる
flowchart TD
    A["異型<span class='jp-term jp-term-diagram' title='melanocyte'>メラノサイト</span>の増殖"] --> B["表皮内・境界部で水平方向へ進展"]
    B --> C["真皮へ浸潤"]
    C --> D["<span class='jp-term jp-term-diagram' title='Breslow thickness'>Breslow厚</span>が増加"]
    D --> E["リンパ管・血管へ侵入"]
    E --> F["所属リンパ節転移"]
    E --> G["遠隔臓器転移"]

などでは水平方向のから垂直方向のへ進む考え方が有用である。ただし、黒色腫は明瞭で長い水平方向増殖相を欠くことがあり、すべての病型に同じ順序を当てはめない。

誤った「皮膚癌の進行順序」

、悪性黒色腫は、それぞれ異なる細胞系統から生じる独立した腫瘍である。

腫瘍 主な由来
毛包系・様細胞
悪性黒色腫

⚠️ へ変化し、さらに悪性黒色腫になるという直線的な進行はない。

深達度評価

指標 現在の位置づけ
(Breslow thickness) 上端またはから最深部までをmmで測定する主要指標
病期・予後に重要
(Clark level) 解剖学的侵入層を示す歴史的指標で、単純な「1〜3低リスク、4〜5高リスク」とは扱わない

紫外線曝露は重要な危険因子だが、肢端型・など紫外線との関連が弱い黒色腫もある。

所属リンパ節への転移は H1-090:悪性黒色腫のリンパ節転移、脳転移は H1-088:悪性黒色腫の脳転移 で確認する。

まとめ

  • 悪性黒色腫は由来で、BCC・SCCの延長上にある腫瘍ではない。
  • ABCDEは臨床的な疑いの手掛かりで、変化を重視する。
  • 水平・の概念は病型により異なる。
  • 予後評価ではと潰瘍が中心で、だけでリスクを二分しない。